大好きな悪役令息に転生したけど魔法使い目指します!

雪白 ひな

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第1章 推しに転生したけど帰りたい

声の先

 


僕は庭園の奥にひたすら走った、急に聞こえたこの声はよくわからないけどレオンには聞こえてないみたいだし僕が行かなきゃいけない気がするその一心で僕を呼ぶ方向へ走り続けた

はあはあはあはぁ

|《ここだよ!》

え?この先?草しかないけど!
僕は草を掻き分けて先に進むと何人か子供が喋っていた

「お前本当に気持ち悪りぃな!どこのどいつか知らないが僕に楯突くなんて!僕は伯爵家の人間だぞ!今日は招待されて王都まで来たのにお前のせいで気分が悪くなったわ」

「やっやめてよ」

えっ?!何この状況!!よくわからないけど殴られてる?!助けなきゃ!

「お前!キモいんだよ!」

「そうですよね!ほんとに気持ち悪いです見た目も」

「あはは僕がお前を綺麗にしてやるよ!」

えっまっそれ!ナイフ!だめだよ!あっレオンは!そうだ僕が置いていっちゃったグラス持ってたもんね
僕がどうにかするしかない…

「ぅやめって」

「あははおら!」

ザシュ 

うっあっいっやばいやばい咄嗟に庇ったらお腹にッ
僕はあまりのお腹の痛さに膝から崩れ落ちた

「なっなんだよお前!誰だよ!」

「ッぼくは!ヘルメース公爵家の三男だよ!」

「それがどうした!お前が割って入ってきたからそうなったんだ!僕は悪くない!」

「あっああやばいですよ!ヘルメース公爵家って…おっお許しください!!」

「あ?何謝ってるんだよ!」

「なっ!ヘルメース公爵家は貴方よりも地位が上なのですよ!」

どうやら1人の少年は立場をよく理解していないらしいそれより被害者の子は

「うっきみッ大丈夫?けがは…してるよね早く会場にいる人達に助けをグハッ」

これ…僕の血?……僕また死ぬの?!早くない?

「あっどっどうしよう!兄様!兄様呼ばないと!」

「ぼっ僕は知らないからな!」

ガサガサ

ーーーーーーーー

「おい、これはどういうことだ?」

「もっ申し訳ありません、目を話した隙にこのような事態に…私も現場を見たわけではありません、私がついた時にはもう…」

「カミラ殿下…説明してもらえますか?」

「あっ…あの!僕が子爵家の子にナイフを刺されそうになってその時に僕を庇ってくれて…それで…」

「子爵家…ミルフィル家ですか?…陛下この件は私に譲ってくれませんか?」

「断る、流石にワシも自分の子に危害を加えられたことにキレていてのそれで様子はどうなのだ?」

「申し訳ありません、少々特殊な武器で刺されたのか聖力が使えないのです、それと出血が多すぎるのと刺されたところが…太い血管が流れている場所でして…我々教会の者でもどうすることも…聖女様なら治療できると思うのですがあいにく伏せていまして…対処できるものがおらず、今夜が山場かと…」

その場にいたみんなが黙り静寂が続いた
その時だった、その場にいた神殿に属する者達がシエルを見て驚いた顔をした…

「なっなっ!女神様ッ」

神殿に属する者はその場で跪き頭を下げた
この世界でも神自ら人に姿を現すことは無い、だから神を信仰している者にしか見えなかったのだ…

「……其方…また死にかけているのか?…せっかく拾ってやった命だというのに無駄にしおって…」

「なっ何が起きている?」

「陛下!女神様がッ女神様が現れました!」

「なに?!」

「…其方の息子は聖者だったのか?!」

「いっいえ!そんなはずは!」

「まったく…もう命を無駄にするで無いぞ…」


女神様の手が触れた傷ついたシエルの腹は癒されるように傷が塞がっていった…その後女神様はみんなの前から姿を消したがシエルは目覚めることはなかった

ーーーーーーーー

「んっあれ?ここは…」

「殺せ!殺すんだ!」

えっ?何この状況…えっあっぎっギロチン?!

「シエル・エレボス・ヘルメースを殺せ!」

民衆からヤジが飛ぶこの光景はゲームの中のシエル視点だと僕は認識した
これは夢だな…体が動かない…だけどシエルの感情は読める…助けて欲しかったのだ、ただ愛してやまないシエルの王子様に最後の瞬間までも恋焦がれていた、頬を伝う一滴の涙が僕を苦しめる…ギロチンに首が置かれて暴れる手足を拘束されている、何もできない無力さに僕は悔しくなった、なぜ悪役を作るのか、みんなハッピーエンドでいいじゃないか、人の不幸の上に立つ幸せなど本当にあるのか?僕は無いと思う、だか彼らは己の正義を貫いているだけなのだ、その正義が僕を不幸へ導くああ…これが不公平というやつなのか?ただみんなと幸せになりたかっただけなのに…僕だけがッなぜ僕だけ不幸になる!全部…全部お前のせいだ!アイラ!やめろッシエルッ罪に罪を重ねるつもりかッ…シエルの感情とリンクしてしまうシエルになってしまう
次第に目が熱くなり始めた
僕がッ僕がッ僕が聖者だ!その瞬間シエルはアイラに向かって最大の魔力を打った
この光景はゲームにはなかった、大人しくギロチンでやられるはずが何かが違う…なぜ今までシエルが聖者だと気づかれなかったのか、なぜアイラが聖者と言われていたのか、今までプレイしたストーリーでは言われていなかった、何もわからない…僕はこの展開を知らない、全クリしたはずのゲームに僕の知らないことがある…なぜだ?このストーリーは誰ルートだ?…この違和感はなんだ?

「シエル・エレボス・ヘルメースを殺せ」

その合図とともに目を閉じた

「うあぁぁぁぁぁああ」

がばっ

痛っ痛いっ
傷はないのに痛む首を抑えていると懐かしい声が聞こえた…もう会えないと思った人ああ…これも夢なのか…でもッ夢でもいい!

「もうお兄ちゃんどうしたの?怖い夢でも見た?」

「あっ愛?愛?!」

「ん?愛だよ?忘れちゃった?お兄ちゃんの妹の愛だよ?」

「さっ触れる本物!ぅあ愛!うぁぁあ」

その日初めて妹の前で声を上げて泣いた

「もうお兄ちゃんどうしたの?よしよし」 

「うぅ愛ッ」

僕は今愛しの妹、愛に抱きついている!こんな情けない僕を許してほしい、誰だってもう会えないと思った愛しい人が目の前に現れればこうなるはずだ

これも夢だと思うがシエルとして生きた二年間は現実なのか?確かに生きていた感覚がある…もし夢だったとしたら長かった気がする今日は何日だろう…

「愛…今日って何年何月何日?」

「えっ?もうどうしたの?本当に2025年2月14日だよ?」

えっ僕が死んだ日だ…アニメイトに一緒に向かった日…

「ねぇお兄ちゃん?お兄ちゃんが好きなシエルくんのグッズが今日発売されるんだけど…体調悪くなかったらアニメイト行かない?」
 
あの時と少し違うけど…もし今日事故にあったらまた…愛に会えなくなる…あの事故の後の愛はわからないけど多分自分を責めてるよね…愛のことだもん…

「お兄ちゃん?」

「えっ?あっ!シエルくんのグッズか!行こうかな!」

「本当!?じゃあ支度するから!」

「うんでもその前に聞いて欲しいことがる」

「うんなに?」

「これから先僕に何かあっても自分を責めないでね…これ僕と約束して?自分を責めないこと」

「?うんわかった!」

この約束が最後になるかならないか今日確かめよう…



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