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カオル。
しおりを挟む「あー、今日も働いた働いたぁ~」
ケイコは首を回しながら車の鍵を開けて乗り込んだ。
今日の夜ごはんは何を作ろうか、頭の中にある今食べたいものを想像して考える。
「(パスタでいいか、明日休みだし、ワイン飲みたいし。カオルにはー・・・コンビニでアイスでも買っていくか。)」
甘党でチョコが好きなカオル。
近くのコンビニに寄り、新発売のちょっとお高いチョコレートアイスと小さなワインを買って自宅へと車を走らせる。
「ただいまー。あれ」
部屋のドアを開けると部屋は真っ暗でカオルはまだ帰ってきていなかった。
するとまた玄関のドアが開き、帰ってきたカオルがジャケットを脱いでいるケイコを見る。
「お、ただいまおかえりー。ケイコ遅かったね」
「おかえり。ちょっと仕事残っててねー。ご飯まだでしょ?」
「うんまだ。腹ペコ」
「今日はパスタ!すぐ出来るよ、待ってて」
「お、ありがとう」
カオルはリモコンを手に取り、テレビをつけるとソファーにずしっと腰掛けた。
今日の休み、カオル何をして過ごしていたのだろうか。
気になるけど、毎回聞くと束縛している様でなんだか嫌だし、今日はもう聞かないことにした。
「(でも、ただいまのチューも無しか。)」
ケイコは少しムスッとしながら冷蔵庫から材料を取り出し、パスタを作る準備をすすめる。
ネットで和風パスタを調べ、レシピを見ながら順序良く作業を進めていく。
ケイコは調味料の分量もきちっと守って作るタイプだ。
材料を切ってパスタを茹で、炒め上げるとすぐに出来上がった。
ケイコはさっきコンビニで買った小さなワインをグラスに注ぎ、テレビを見ながらカオルと夕食をペロッと平らげた。
買ってきたチョコレートアイスもカオルは嬉しそうに食べ上げた。
最近は夜は帰ってきたら夕食、お風呂を済まし、あたしが洗い物をしている間にソファーで寝てしまったカオルを起こして一緒に就寝する。これが毎日定番化していた。
今日もケイコは、カオルがすでに寝ているベッドに入り込み、静かに毛布をかぶった。
今日はあんまり、眠くないんだけどな。
「ねーカオル。」
「んー・・・?」
寝ぼけた声でカオルは返事をした。
「もう寝るのー?」
「んー・・・。」
「ねぇもう寝るのーって」
「うんー、ごめん疲れてる」
カオルはゴロッと寝返りを打つとケイコとは反対の方向を向いて寝た。
最近、いっつも疲れてるだな。
カオルの仕事は出勤がいつも朝早い。残業も毎日のようにあるから、1日の休みじゃ仕事の疲れも取れないんだろうな。
ケイコは返事が帰ってこないと知りながらおやすみーと声を掛け、電気を消して大人しく眠りについた。
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