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31 証明して *
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ティヌリエルと母が移送されてきて、本格的な暮らしが始まった。
他国との折衝を扱う地点とはいえ、出入りは厳格である。もとより閉ざされた国であるエルフ国には、人の出入りを伴うような外交の仕事は多くない。
それでも、情報は入ってきた。
アリストファムのビアトリス王女が女児を出産したことも、リウメネレンの仕事を手伝わなければ、ヒサエルディスは知らずにいただろう。
王女は、リチャードがエルフ国に姿を現して間もなく、アーサー=ゴールトに降嫁していた。
「オールコックの血だろうな」
報告を聞いたリウメネレンが言った。
では、リチャードはビアトリスとも、あんなことをしていたのだ。ヒサエルディスの脳裏に、ティヌリエルとの場面が浮かぶ。
目的が、結界を緩める道具の取り出しであっても、彼が王女に子を孕ませる行為をした事には違いない。
「私も妊娠しているのでしょうか?」
「む? そうか。君は王族でもなければ、王城の正式職員でもなかったな。ファヌィアルから性教育を施されたことも、なかった?」
ヒサエルディスは首を振った。それからリウメネレンに、何故そのように考えたか、リチャードとの具体的な行為とその時期について、詳細な説明を求められた。
舌を絡ませるキスや、彼の陰茎をしゃぶった事、両足の間に固くなったそれを擦り付けられた事、同時に乳首を弄られ立っていられなくなった事など、微に入り細に入り言葉にすると、体が当時を思い出したように熱くなった。
腰の辺りが、むずむずと落ち着かない。股の辺りが濡れた気もする。
恥ずかしさを堪えて説明するヒサエルディスを見るリウメネレンは、全く感情を動かされていないようだ。どういう訳か、その平静な表情で見つめられると、ますます下腹部が熱くなるのであった。
「君は妊娠していない」
挙げ句の果てに、リウメネレンから下された判定は、ヒサエルディスの予想と異なっていたのである。
あんなに交わったのに。
「孕んでいれば、時期的にも、そんな体ではいられない。ティヌリエルとは、全く会っていないのか?」
「はい」
特に会いたいとも思わなかった。
毎日のように、帰宅した母からティヌリエルの様子を聞かされている。
そう言えば、王女はお腹が張ってきて、出産も近いとのことだった。対してヒサエルディスの腹は、平らなままだ。
「書庫に、性教育の教本があった筈だ。後で探しておく。一度、目を通しておくと良い」
「ありがとうございます」
帰宅直前になって、教本とやらを渡された。そのまま剥き出しで持ち帰ると、早速母に見咎められた。
彼女は顔を輝かせた。
「いよいよ、リウメネレン様の愛人になるのね。殿下が後ろ盾になってくだされば、私も思い残すことはないわ」
完全に、勘違いしている。
「違う。そんなのじゃない」
「じゃあ、何よ」
「‥‥勉強」
「やっぱり、そうじゃないの」
「違うってば」
今でも母には、リチャードとの関係を打ち明けていない。母の勘違いはもっともな事だったが、上手い言い訳も思いつかなかった。
彼女は逃げるように部屋へ篭り、ともかくも、借りた本を一通り読んでみた。
わかるような、わからないような。
本に書いてある事と、リチャードとのあの目眩く体験が、全く重ならない。
それでいて、ティヌリエルとリチャードの行為と同じ図を目にした時には、生々しく記憶が再現された。
妙に落ち着かない心持ちのまま、ヒサエルディスは朝を迎えた。
「寝不足だな」
開口一番、リウメネレンは言った。その通りである。
「昨日お借りした本を読んだのですが、あまりよくわからなかったのです」
ヒサエルディスは、正直に話した。教本レベルの本を理解できない、と告白するのは恥ずかしかった。
「あれは、実体験を通じて理解が深まるようにできている。昨日聞いた限り、君は処女らしいし、無理もない。ちなみに処女の意味は?」
「わかる、と思います」
実は、自分が処女と思ってもみなかったヒサエルディスは、混乱しつつも頷いた。流石に、処女の意味は知っている。
性交経験のない女を指すのだ。
だが、教本では、陰茎を口に含む行為も性交の技法として紹介されていた。まさに、ヒサエルディスが体験したもので、リウメネレンにも説明済みだ。
彼女は処女ではない筈なのに、彼は処女と言う。
ヒサエルディスの戸惑いをよそに、リウメネレンは話を続ける。
「賢者が結婚を禁じられている訳でもない。状況が変わり、君がいつか外の世界へ出られるようになった時には、色々経験してみると良い」
そのいつかとは、いつになるのだろうか。ティヌリエルが子を産めば、ヒサエルディスも世話を手伝うことになるだろう。エルフは長命でも、どうしたって母の方が先に逝く。
後を継ぐのは、自分になるだろう、という予感が、彼女にはあった。
「リウメネレン殿下。やっぱりわからないです」
「何が?」
「私が処女であることです。だって、あの時あんなに性器同士触れ合って、気持ちよかったのに、処女ってことはないのではないかと。もっと、はっきりした証拠をお示しください」
話すうちに勢い込んでしまった。リウメネレンは、引いた風に見えた。これもまた、珍しい表情であった。
「いや、無理だろう。本人が正直に申告するかどうか、という問題もある」
あれだけ事細かく話させておいて、その言い草はあり得ない。落ち着いて見えるが、実は動揺しているのかもしれない。
ヒサエルディスは、心の師匠をやり込めたような気持ちになった。未だに弟子と認めてもらえないが、彼女にとって、彼は昔から師匠であった。
「私は、殿下に嘘を申し上げたりしません」
落ち着いて返すと、リウメネレンは、しばし沈黙した。
「私が君に、処女を失わせる性交を教えることは、物理的に可能だ。君が処女なら、その時、これまでとの違いを、身をもって知るだろう。と同時に、処女には二度と戻れない。結婚相手に処女を望む男は多い。将来、好きな男と結婚できなくなるかもしれない」
「そんな男は、願い下げです」
ヒサエルディスは断言した。本当は、誰とも結婚する気がなかった。たとえ相手がリウメネレンであっても。
ただ、それを口にすると、却って信用されない、と思ったのだ。
彼女は、賢者になりたかった。そして、賢者にとって家庭生活は束縛であると信じていた。
ただ、リチャードに結婚を申し込まれたら、受け入れたかもしれない。その彼は、もう存在しない。
リウメネレンは、心を読み取ろうとするように、ヒサエルディスを観察する。心を全開できる魔法があれば良いのに、と彼女は思う。
「そうか。もう一つ。私と性交した事実を以て、結婚や愛人の地位を与えることはできない。君の母上が望んでいるように」
知らぬ間に、リウメネレンとヒサエルディスが性交する話になっている。彼女は今頃になって気付いた。
どうやら、処女を証明するには、それを失うしかないようだ。
別に構わない。処女喪失のデメリットは、彼女には関係がない。
リウメネレンの手解きにより、昨夜読んだ本がどのように体得できるのか、期待が高まるばかりである。
もちろん、彼に結婚を迫ろうなどと、思ってもみなかった。
他方、彼の懸念も理解できた。現に昨日、母が期待を口にするのを聞いたばかりであった。
「契約を交わしましょう」
「それが良い」
二人は話し合って、契約書を作成した。
結論から言えば、ヒサエルディスは、それまで処女だった。
ティヌリエルとリチャードの行為を本当に理解したのは、リウメネレンとの経験においてであった。
「リウムと呼ぶんだよ、ヒッサ」
普段と打って変わった甘い声で囁かれただけで、腰がむずむずした。
その美しい顔が彼女の下半身に埋められ、舌で柔らかく舐め上げられた時には、快感の余り、彼の髪を掴んでぐしゃぐしゃにしてしまった。
リウメネレンは怒らない。更に敏感な箇所を舌で刺激しつつ、乳首に手を伸ばす。
「あっんっ」
「声を我慢しなくて良い。好きなだけ喘げ」
舌に紛れて、そっと差し入れられた指の感触を、彼女は敏感に捉えた。
「あああっ、そこっ」
「そう。ここに何かが入るのは、初めてだろう、ヒッサ?」
リウメネレンの息が、耳にかかる。そんなところに穴があるとは、知っている筈なのに、わかっていなかった。
尖った耳を舌でなぞられ、膣を弄られ、ヒサエルディスは、気持ち良さに、言葉にならない声を上げる。
「これから挿れるモノは、痛いかもしれない。嫌だったら止めるから、いつでも言いなさい」
「で、でもっ。それだと、証明にならない」
ヒサエルディスは、リウメネレンに絡めた腕に力を込める。二人の顔が、ぐっと近付いた。
「ここに、これまで何も入っていなかった事が、処女の証明となる。ヒッサは、十分頑張った」
指が引き抜かれた。ヒサエルディスの穴は、空虚を感じる。
「リウム。満たしてください」
「ふふっ。処女の煽りは強烈だ」
口付けられた。唇同士を擦り合わせ、舌で快感を貪る間に、下では別の太いものがヒサエルディスの中へ入ろうと、穴を押し広げた。
痛みはある。今まで閉じていた物を伸ばされる鈍い痛み。耐えられない程ではない。
やがて、リウメネレンが入ってきた。ヒサエルディスは、必死でしがみつき、唇の快感を求める。
下腹部がいっぱいになった。彼の体が、この上なく密着するのを感じる。
「これが、本当の性交というものだ。どう? ここへ入ったのは、私が初めてだろう?」
「あっ、あっ。はいっ。初めてっ」
中へ入ったまま、小刻みに腰を動かされ、徐々に痛みを快感が覆い尽くしていく。
リウメネレンが腰を引いた。
「あああっ」
ヒサエルディスは、腰を浮かした。もっと、もっと。
彼女の欲望に応えて、彼が腰を動かす。その度に、新たな快感が彼女を襲った。
「あっ、リウム。良いっ。凄く、良いっ」
声に合わせるように、腰の動きが激しくなった。
他国との折衝を扱う地点とはいえ、出入りは厳格である。もとより閉ざされた国であるエルフ国には、人の出入りを伴うような外交の仕事は多くない。
それでも、情報は入ってきた。
アリストファムのビアトリス王女が女児を出産したことも、リウメネレンの仕事を手伝わなければ、ヒサエルディスは知らずにいただろう。
王女は、リチャードがエルフ国に姿を現して間もなく、アーサー=ゴールトに降嫁していた。
「オールコックの血だろうな」
報告を聞いたリウメネレンが言った。
では、リチャードはビアトリスとも、あんなことをしていたのだ。ヒサエルディスの脳裏に、ティヌリエルとの場面が浮かぶ。
目的が、結界を緩める道具の取り出しであっても、彼が王女に子を孕ませる行為をした事には違いない。
「私も妊娠しているのでしょうか?」
「む? そうか。君は王族でもなければ、王城の正式職員でもなかったな。ファヌィアルから性教育を施されたことも、なかった?」
ヒサエルディスは首を振った。それからリウメネレンに、何故そのように考えたか、リチャードとの具体的な行為とその時期について、詳細な説明を求められた。
舌を絡ませるキスや、彼の陰茎をしゃぶった事、両足の間に固くなったそれを擦り付けられた事、同時に乳首を弄られ立っていられなくなった事など、微に入り細に入り言葉にすると、体が当時を思い出したように熱くなった。
腰の辺りが、むずむずと落ち着かない。股の辺りが濡れた気もする。
恥ずかしさを堪えて説明するヒサエルディスを見るリウメネレンは、全く感情を動かされていないようだ。どういう訳か、その平静な表情で見つめられると、ますます下腹部が熱くなるのであった。
「君は妊娠していない」
挙げ句の果てに、リウメネレンから下された判定は、ヒサエルディスの予想と異なっていたのである。
あんなに交わったのに。
「孕んでいれば、時期的にも、そんな体ではいられない。ティヌリエルとは、全く会っていないのか?」
「はい」
特に会いたいとも思わなかった。
毎日のように、帰宅した母からティヌリエルの様子を聞かされている。
そう言えば、王女はお腹が張ってきて、出産も近いとのことだった。対してヒサエルディスの腹は、平らなままだ。
「書庫に、性教育の教本があった筈だ。後で探しておく。一度、目を通しておくと良い」
「ありがとうございます」
帰宅直前になって、教本とやらを渡された。そのまま剥き出しで持ち帰ると、早速母に見咎められた。
彼女は顔を輝かせた。
「いよいよ、リウメネレン様の愛人になるのね。殿下が後ろ盾になってくだされば、私も思い残すことはないわ」
完全に、勘違いしている。
「違う。そんなのじゃない」
「じゃあ、何よ」
「‥‥勉強」
「やっぱり、そうじゃないの」
「違うってば」
今でも母には、リチャードとの関係を打ち明けていない。母の勘違いはもっともな事だったが、上手い言い訳も思いつかなかった。
彼女は逃げるように部屋へ篭り、ともかくも、借りた本を一通り読んでみた。
わかるような、わからないような。
本に書いてある事と、リチャードとのあの目眩く体験が、全く重ならない。
それでいて、ティヌリエルとリチャードの行為と同じ図を目にした時には、生々しく記憶が再現された。
妙に落ち着かない心持ちのまま、ヒサエルディスは朝を迎えた。
「寝不足だな」
開口一番、リウメネレンは言った。その通りである。
「昨日お借りした本を読んだのですが、あまりよくわからなかったのです」
ヒサエルディスは、正直に話した。教本レベルの本を理解できない、と告白するのは恥ずかしかった。
「あれは、実体験を通じて理解が深まるようにできている。昨日聞いた限り、君は処女らしいし、無理もない。ちなみに処女の意味は?」
「わかる、と思います」
実は、自分が処女と思ってもみなかったヒサエルディスは、混乱しつつも頷いた。流石に、処女の意味は知っている。
性交経験のない女を指すのだ。
だが、教本では、陰茎を口に含む行為も性交の技法として紹介されていた。まさに、ヒサエルディスが体験したもので、リウメネレンにも説明済みだ。
彼女は処女ではない筈なのに、彼は処女と言う。
ヒサエルディスの戸惑いをよそに、リウメネレンは話を続ける。
「賢者が結婚を禁じられている訳でもない。状況が変わり、君がいつか外の世界へ出られるようになった時には、色々経験してみると良い」
そのいつかとは、いつになるのだろうか。ティヌリエルが子を産めば、ヒサエルディスも世話を手伝うことになるだろう。エルフは長命でも、どうしたって母の方が先に逝く。
後を継ぐのは、自分になるだろう、という予感が、彼女にはあった。
「リウメネレン殿下。やっぱりわからないです」
「何が?」
「私が処女であることです。だって、あの時あんなに性器同士触れ合って、気持ちよかったのに、処女ってことはないのではないかと。もっと、はっきりした証拠をお示しください」
話すうちに勢い込んでしまった。リウメネレンは、引いた風に見えた。これもまた、珍しい表情であった。
「いや、無理だろう。本人が正直に申告するかどうか、という問題もある」
あれだけ事細かく話させておいて、その言い草はあり得ない。落ち着いて見えるが、実は動揺しているのかもしれない。
ヒサエルディスは、心の師匠をやり込めたような気持ちになった。未だに弟子と認めてもらえないが、彼女にとって、彼は昔から師匠であった。
「私は、殿下に嘘を申し上げたりしません」
落ち着いて返すと、リウメネレンは、しばし沈黙した。
「私が君に、処女を失わせる性交を教えることは、物理的に可能だ。君が処女なら、その時、これまでとの違いを、身をもって知るだろう。と同時に、処女には二度と戻れない。結婚相手に処女を望む男は多い。将来、好きな男と結婚できなくなるかもしれない」
「そんな男は、願い下げです」
ヒサエルディスは断言した。本当は、誰とも結婚する気がなかった。たとえ相手がリウメネレンであっても。
ただ、それを口にすると、却って信用されない、と思ったのだ。
彼女は、賢者になりたかった。そして、賢者にとって家庭生活は束縛であると信じていた。
ただ、リチャードに結婚を申し込まれたら、受け入れたかもしれない。その彼は、もう存在しない。
リウメネレンは、心を読み取ろうとするように、ヒサエルディスを観察する。心を全開できる魔法があれば良いのに、と彼女は思う。
「そうか。もう一つ。私と性交した事実を以て、結婚や愛人の地位を与えることはできない。君の母上が望んでいるように」
知らぬ間に、リウメネレンとヒサエルディスが性交する話になっている。彼女は今頃になって気付いた。
どうやら、処女を証明するには、それを失うしかないようだ。
別に構わない。処女喪失のデメリットは、彼女には関係がない。
リウメネレンの手解きにより、昨夜読んだ本がどのように体得できるのか、期待が高まるばかりである。
もちろん、彼に結婚を迫ろうなどと、思ってもみなかった。
他方、彼の懸念も理解できた。現に昨日、母が期待を口にするのを聞いたばかりであった。
「契約を交わしましょう」
「それが良い」
二人は話し合って、契約書を作成した。
結論から言えば、ヒサエルディスは、それまで処女だった。
ティヌリエルとリチャードの行為を本当に理解したのは、リウメネレンとの経験においてであった。
「リウムと呼ぶんだよ、ヒッサ」
普段と打って変わった甘い声で囁かれただけで、腰がむずむずした。
その美しい顔が彼女の下半身に埋められ、舌で柔らかく舐め上げられた時には、快感の余り、彼の髪を掴んでぐしゃぐしゃにしてしまった。
リウメネレンは怒らない。更に敏感な箇所を舌で刺激しつつ、乳首に手を伸ばす。
「あっんっ」
「声を我慢しなくて良い。好きなだけ喘げ」
舌に紛れて、そっと差し入れられた指の感触を、彼女は敏感に捉えた。
「あああっ、そこっ」
「そう。ここに何かが入るのは、初めてだろう、ヒッサ?」
リウメネレンの息が、耳にかかる。そんなところに穴があるとは、知っている筈なのに、わかっていなかった。
尖った耳を舌でなぞられ、膣を弄られ、ヒサエルディスは、気持ち良さに、言葉にならない声を上げる。
「これから挿れるモノは、痛いかもしれない。嫌だったら止めるから、いつでも言いなさい」
「で、でもっ。それだと、証明にならない」
ヒサエルディスは、リウメネレンに絡めた腕に力を込める。二人の顔が、ぐっと近付いた。
「ここに、これまで何も入っていなかった事が、処女の証明となる。ヒッサは、十分頑張った」
指が引き抜かれた。ヒサエルディスの穴は、空虚を感じる。
「リウム。満たしてください」
「ふふっ。処女の煽りは強烈だ」
口付けられた。唇同士を擦り合わせ、舌で快感を貪る間に、下では別の太いものがヒサエルディスの中へ入ろうと、穴を押し広げた。
痛みはある。今まで閉じていた物を伸ばされる鈍い痛み。耐えられない程ではない。
やがて、リウメネレンが入ってきた。ヒサエルディスは、必死でしがみつき、唇の快感を求める。
下腹部がいっぱいになった。彼の体が、この上なく密着するのを感じる。
「これが、本当の性交というものだ。どう? ここへ入ったのは、私が初めてだろう?」
「あっ、あっ。はいっ。初めてっ」
中へ入ったまま、小刻みに腰を動かされ、徐々に痛みを快感が覆い尽くしていく。
リウメネレンが腰を引いた。
「あああっ」
ヒサエルディスは、腰を浮かした。もっと、もっと。
彼女の欲望に応えて、彼が腰を動かす。その度に、新たな快感が彼女を襲った。
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