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4 バルノ村の住人
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バルノ村は、獣人の村だ。
他は、人間の村と変わらない。
俺は、家で採れた野菜を持って、狼人猟師の家を訪ねた。
「ザックさん! わざわざ見舞いに来てくれたのか」
応対に出た父親が恐縮した。
「マイロさん。フィルウの調子はどうですか?」
俺は、野菜を手渡した。彼らが野菜好きかどうか、俺は知らなかったが、喜んで受け取ってくれた。虎人のアデラだって、胡瓜を齧るのだ。狼人も、野菜を食べることはあるだろう。
「お陰で、歩けるようになった。今日も、近くへ出掛けているよ。世話になったな」
「無事なら、良かったです」
茶でも飲んでいけ、というのを断って、お暇した。
次に薬局へ行った。
「いらっしゃいませ。ザックさんだ。お母さん!」
男の子が耳をぴょこぴょこ動かし、奥へ声をかけた。そのお尻で、短い尾が揺れる。母親の尻には、なかったものだ。
「なあに、ボブ。あら、ザックさん」
ウィロウ夫人が出てきた。俺の記憶が勝手に彼女の服を脱がす。慌てて荷物から、干した薬草を取り出した。
「こんにちは。先日、間に合わなかった分の薬草です」
俺とセックスしていて、摘み損ねたのだ。夫人は屈託のない笑顔を見せた。
「まあ、ありがとうございます。その後、お身体の調子はどうですか?」
「あの薬がとても効いて、すっかり治りました。それで、ひと瓶買いたいのですが、在庫はありますか?」
「ありますよ。お代は、この薬草と引き換えということで、結構です」
夫人は後ろの棚から、先日と同じ瓶を出してくれた。その動きは自然で、この間の乱れぶりなど、毛ほども感じさせなかった。
妊娠したかどうかがわかるには、早すぎる。
俺は薬の礼を言って、外へ出た。
その後、鍛冶屋や粉挽小屋へ寄って用を済ませ、教会へ向かった。
礼拝堂の前で、猫人シスターが箒を使っていた。
「シスターホリー、こんにちは」
「ザックさん。いつも、お志をありがとうございます。ちょうど良いところへ、いらっしゃいました」
ホリーは箒を持ったまま、俺を裏手へ導いた。修道服の重みに負けない、軽やかな動きだ。
「あそこに、鳥の巣があります」
彼女の指した先には、確かに鳥の巣があった。中に鳥がうずくまっているのまで見える。抱卵中なのだ。
何故丸見えなのかといえば、巣の乗った枝がしなって、今にも折れそうなのである。逆にすごいバランス感覚と感心する。
「支えをつけたいのですが、近寄ると親鳥が警戒します。無理に作業すると、ああいう野鳥は、巣を放棄してしまうのです。何とかなりませんか?」
難題だった。巣の下に支えをつけることは簡単だが、蛇の近道にもなってしまう。枝を吊って上向きにしたとして、枝が折れたら巣も落ちる。
「シスターホリー。布と細いロープはありますか?」
俺はシスターに、考えたことを説明した。
二人で協力して作った支えの道具を、魔法で吊り上げた。
布の四隅をロープで縛り付け、天秤皿のような形にする。布の部分を巣の下へ差し込み、ロープで引っ張って、枝を無理のない範囲で持ち上げる。吊ったロープの端は、別の頑丈な枝に結びつける、というやり方である。
怪しい幕が近付いて来るのを見た鳥は、大分パニックになっていたが、巣を見捨てなかった。
途中からパートナーの鳥が戻ってきて、布もロープも相当突かれた。雛が巣立つまで保てば良いのだ。構わず決行した。
「できました」
めちゃめちゃ疲れた。手でやった方が早い。
シスターは、無事に補強された巣を見て、俺の手を取らんばかりに喜んだ。
「うわあ。ありがとうございます。ザックさんにお願いして、よかったです」
「それは、どうも。このことは、他に喋らないようにお願いします」
「もちろんですとも。ザックさんが、本当はザカリーさんで、魔王を倒したすごい人だってことを、知られたくないんですよね」
だから、そういうことを口に出して欲しくないのだ。どういう訳か、司祭とシスターは、俺の経歴を知っていた。話した覚えはないのに。
俺は、反射的に周囲を見回した。
平和な村に、怪しい人影は見当たらなかった。
「そうです。だから、魔法が使えることも、できれば隠しておきたい。バレたら、引っ越します」
せいぜい厳かに宣告したが、シスターは小首を傾げた。
「でも、この間フィルウを助けた時、魔法を使いましたよね?」
俺も首を傾げた。使う必要はなかった筈だが。
「ハンカチを吸い寄せたって、言っていましたよ」
思い出した。あの時は、狼少年の体を支えていて、手が届かなかったのだ。
「それに、ザックさんから買った媚薬が凄い気持ち良くって、その晩奥さんが‥‥あ、これ懺悔室の話だった。だから、外には漏れません」
今、思い切り漏洩した。俺は、ここで懺悔した覚えはないが、今後も懺悔はしないでおこう、と決意した。
「少しぐらいは使えるということで、構いません」
事後承諾みたいな形で、譲歩した。
シスターの方は、反省の色もなく鳥の巣を見た。
「わかりました。あれを全部魔法でしてのけてしまったことは、内緒ですね。ところで、ついでにもう一つ、お願いしたいことがありまして」
俺は、今のやり取りですっかり疲れてしまった。早く帰りたい。
「その前に、お疲れのようですから、お茶を一服差し上げます」
心を読み取られたようで、動揺する。
俺は、シスターについて、裏口から建物に入った。
そちらは、住居となっていた。俺の家よりは広いものの、聖職者のイメージを損ねない質素な住まいである。
「司祭様は?」
シスターの淹れたハーブティーは、俺の心を落ち着かせた。疲れも多少回復した気がする。神のご加護でも入っているのだろうか。
「父上、ではなくて、司祭は、近くの町や村を巡回しております。ここは小さな村で、御寄進が‥‥」
と、俺を見る。
「お祈りを捧げた後に、微力ながら、志を捧げたいと思います。それで、頼みとは何ですか?」
まだ買い物が済んでいない。とっとと済ませて、帰りたい。
「懺悔室の壁が、剥がれてしまいまして」
「コーディさんに頼めば良いじゃないですか」
村の大工である。
「コーディさんは、体が大きすぎて、作業が難しいんです。あそこは狭くて暗いので」
彼は熊人で、確かに大柄であるが、俺だって、小さくはない。
「見せてもらいましょう」
お茶の恩返しである。
他は、人間の村と変わらない。
俺は、家で採れた野菜を持って、狼人猟師の家を訪ねた。
「ザックさん! わざわざ見舞いに来てくれたのか」
応対に出た父親が恐縮した。
「マイロさん。フィルウの調子はどうですか?」
俺は、野菜を手渡した。彼らが野菜好きかどうか、俺は知らなかったが、喜んで受け取ってくれた。虎人のアデラだって、胡瓜を齧るのだ。狼人も、野菜を食べることはあるだろう。
「お陰で、歩けるようになった。今日も、近くへ出掛けているよ。世話になったな」
「無事なら、良かったです」
茶でも飲んでいけ、というのを断って、お暇した。
次に薬局へ行った。
「いらっしゃいませ。ザックさんだ。お母さん!」
男の子が耳をぴょこぴょこ動かし、奥へ声をかけた。そのお尻で、短い尾が揺れる。母親の尻には、なかったものだ。
「なあに、ボブ。あら、ザックさん」
ウィロウ夫人が出てきた。俺の記憶が勝手に彼女の服を脱がす。慌てて荷物から、干した薬草を取り出した。
「こんにちは。先日、間に合わなかった分の薬草です」
俺とセックスしていて、摘み損ねたのだ。夫人は屈託のない笑顔を見せた。
「まあ、ありがとうございます。その後、お身体の調子はどうですか?」
「あの薬がとても効いて、すっかり治りました。それで、ひと瓶買いたいのですが、在庫はありますか?」
「ありますよ。お代は、この薬草と引き換えということで、結構です」
夫人は後ろの棚から、先日と同じ瓶を出してくれた。その動きは自然で、この間の乱れぶりなど、毛ほども感じさせなかった。
妊娠したかどうかがわかるには、早すぎる。
俺は薬の礼を言って、外へ出た。
その後、鍛冶屋や粉挽小屋へ寄って用を済ませ、教会へ向かった。
礼拝堂の前で、猫人シスターが箒を使っていた。
「シスターホリー、こんにちは」
「ザックさん。いつも、お志をありがとうございます。ちょうど良いところへ、いらっしゃいました」
ホリーは箒を持ったまま、俺を裏手へ導いた。修道服の重みに負けない、軽やかな動きだ。
「あそこに、鳥の巣があります」
彼女の指した先には、確かに鳥の巣があった。中に鳥がうずくまっているのまで見える。抱卵中なのだ。
何故丸見えなのかといえば、巣の乗った枝がしなって、今にも折れそうなのである。逆にすごいバランス感覚と感心する。
「支えをつけたいのですが、近寄ると親鳥が警戒します。無理に作業すると、ああいう野鳥は、巣を放棄してしまうのです。何とかなりませんか?」
難題だった。巣の下に支えをつけることは簡単だが、蛇の近道にもなってしまう。枝を吊って上向きにしたとして、枝が折れたら巣も落ちる。
「シスターホリー。布と細いロープはありますか?」
俺はシスターに、考えたことを説明した。
二人で協力して作った支えの道具を、魔法で吊り上げた。
布の四隅をロープで縛り付け、天秤皿のような形にする。布の部分を巣の下へ差し込み、ロープで引っ張って、枝を無理のない範囲で持ち上げる。吊ったロープの端は、別の頑丈な枝に結びつける、というやり方である。
怪しい幕が近付いて来るのを見た鳥は、大分パニックになっていたが、巣を見捨てなかった。
途中からパートナーの鳥が戻ってきて、布もロープも相当突かれた。雛が巣立つまで保てば良いのだ。構わず決行した。
「できました」
めちゃめちゃ疲れた。手でやった方が早い。
シスターは、無事に補強された巣を見て、俺の手を取らんばかりに喜んだ。
「うわあ。ありがとうございます。ザックさんにお願いして、よかったです」
「それは、どうも。このことは、他に喋らないようにお願いします」
「もちろんですとも。ザックさんが、本当はザカリーさんで、魔王を倒したすごい人だってことを、知られたくないんですよね」
だから、そういうことを口に出して欲しくないのだ。どういう訳か、司祭とシスターは、俺の経歴を知っていた。話した覚えはないのに。
俺は、反射的に周囲を見回した。
平和な村に、怪しい人影は見当たらなかった。
「そうです。だから、魔法が使えることも、できれば隠しておきたい。バレたら、引っ越します」
せいぜい厳かに宣告したが、シスターは小首を傾げた。
「でも、この間フィルウを助けた時、魔法を使いましたよね?」
俺も首を傾げた。使う必要はなかった筈だが。
「ハンカチを吸い寄せたって、言っていましたよ」
思い出した。あの時は、狼少年の体を支えていて、手が届かなかったのだ。
「それに、ザックさんから買った媚薬が凄い気持ち良くって、その晩奥さんが‥‥あ、これ懺悔室の話だった。だから、外には漏れません」
今、思い切り漏洩した。俺は、ここで懺悔した覚えはないが、今後も懺悔はしないでおこう、と決意した。
「少しぐらいは使えるということで、構いません」
事後承諾みたいな形で、譲歩した。
シスターの方は、反省の色もなく鳥の巣を見た。
「わかりました。あれを全部魔法でしてのけてしまったことは、内緒ですね。ところで、ついでにもう一つ、お願いしたいことがありまして」
俺は、今のやり取りですっかり疲れてしまった。早く帰りたい。
「その前に、お疲れのようですから、お茶を一服差し上げます」
心を読み取られたようで、動揺する。
俺は、シスターについて、裏口から建物に入った。
そちらは、住居となっていた。俺の家よりは広いものの、聖職者のイメージを損ねない質素な住まいである。
「司祭様は?」
シスターの淹れたハーブティーは、俺の心を落ち着かせた。疲れも多少回復した気がする。神のご加護でも入っているのだろうか。
「父上、ではなくて、司祭は、近くの町や村を巡回しております。ここは小さな村で、御寄進が‥‥」
と、俺を見る。
「お祈りを捧げた後に、微力ながら、志を捧げたいと思います。それで、頼みとは何ですか?」
まだ買い物が済んでいない。とっとと済ませて、帰りたい。
「懺悔室の壁が、剥がれてしまいまして」
「コーディさんに頼めば良いじゃないですか」
村の大工である。
「コーディさんは、体が大きすぎて、作業が難しいんです。あそこは狭くて暗いので」
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