転生聖女は攻略先を絞りたい 逆ハーレムから始まる異世界性活

在江

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番外編 『未明の月 尽くしの巫女は煩悩に抗う』逆ハーレムルート 魔王のダンジョン 中編 *

 「いやあああっ!」

 「アイナ!」

 「待てこの野郎!」

 「くそっ!」

 「深追いするな! 一旦退け!」


 魔王を倒すため、いよいよ本拠地らしいダンジョンに潜ったわたし達は、罠を避けたり魔物を蹴散らしたりしながら、奥へと進んでいた。

 今、ダンジョンの中で、わたしは一人だった。

 ゴブリンの群れに攫われたのだ。

 襲撃を受け、他の皆が戦う後ろで回復の祈りを捧げていたら、挟み込まれた。最初から、待ち伏せしていたかもしれない。

 ゴブリン共は、わたしをねぐらに連れ込むと、両手を縛り上げ、壁際に吊るした。ぎりぎり足先が付く高さだった。これでは両足が自由でも、踏ん張りが効かない。

 途中で気を失ったから、元いた位置からどのくらい離れたか、どれほど時間が経ったか曖昧だ。

 逃げる心配がないと思われたみたいで、見張りもいない。ちょっと手首を動かしてみただけで、痛くて諦めた。爪先立ちを続けるのも、疲れる。

 セイヤ達は、どうしているだろう。
 怪我を負っていないと良いけど。

 今頃は、わたしを探しているに違いない。

 わたしを助けようとしたせいで、魔王討伐に失敗したら、と思うと、また別の意味で落ち着かない。

 最悪なのは、討伐もできず、セイヤが死んで、わたしが生き残った場合だ。
 死刑になる未来しか見えない。

 その時は、逃げよう。


 「+¥@=$#=¥@!」

 「※@∵@※#×¥+¥@~」

 ゴブリンが次々とやってきた。手に手に器に山盛りの何かを捧げ持っていた。

 生臭い臭いが鼻につく。こわごわ薄目で見ると、うろこのついたかたまりや、鉤爪かぎづめのついた手足らしき物体が見分けられた。

 わたしをさかなに、宴会を始めるつもりみたいだ。
 というか、その通り最後には、わたしも食べられてしまうのでは?

 嫌だ。

 奴らが楽しげに食べ物と席を定めるのを横目に、手首を必死で動かす。皮膚が擦れるだけで、縄は全く緩まない。

 縄を擦り切ろうにも、吊るされた高さと縄の長さがそれを許さない。

 ここで派手に動くのは、死を早めるだけだった。

 わたしは疲れもあって、一旦逃げるのを諦めた。

 「+∬##!」

 「∀*$+⊆@*$&~!」

 宴会は始まっていて、ゴブリン共は食べる方に夢中だった。わたしの奮闘に気付いた様子はない。

 宴会を楽しむゴブリン共は、食べ物は違えど人間に通じるところがあった。

 「女神イナリア様、わたしを悲惨な死からお救いください」

 食べられるにしても、先にサクッと死なせて欲しかった。

 巫女は、魔王を倒すために選ばれた存在であり、無条件で巫女の願いが叶う訳ではない、と神官長から教わった。
 だから、我が儘を言ってはいけないのだ。

 「$&∵#⊆@☆×¥+¥#**?」

 つん、と乳房を突かれた。

 「へ?」

 「∞@☆∵@$@*」

 「&∵#∀*∬&⊆@☆∵@⊆#∵&」

 たちまち、わらわらとゴブリンが群がって、わたしの体をつつき始めた。
 意外にも痛くない、というか、くすぐったい。

 「ちょっと。そんなにつつかないでってば。ひゃはっ」

 「☆∵@×¥+¥@」

 「∞&∵&$&○=¥#∵+」

 奴らはだんだん図々しくなって、尻の間から手を差し込んできた。

 「だだだ、ダメってば」

 蹴飛ばしたいのに、足が上がらない。思ったより体力を消耗したみたいだ。

 ぬちょ。

 「∀+∵#¥#$*¥@」

 わたしの体から、愛液が染み出してきた。ゴブリン、指技上手すぎ?

 「あっ、ダメ。もう殺して」

 ゴブリンにイカされてしまう。

 「=$@@×¥+!」

 遠くで悲鳴が上がった。割れ目と突起をもてあそんでいたゴブリンの指が、さっと引っ込む。

 「=¥@∵#=¥@@*¥+∞&○=¥@∀&!」

 さっきまで宴会気分で盛り上がっていたゴブリン共が、たちまち恐怖で混乱した。

 その間にも、悲鳴が段々近付いてくる。

 セイヤ達が、助けに来た!

 わたしは、ほっとして力を抜いた。皆がここを制圧したら、一回気持ち良くしてくれないかなあ。

 「+=$@@×¥+!」

 ゴブリンの死体が、部屋の中に飛び込んできた。

 続いて現れたのは、全裸の大きな図体に、牙の生えた口。

 仲間どころか、人間ですらなかった。
 オーガだ。

 「☆@@@@×¥+!」

 ゴブリン共が逃げ惑うのを、千切っては投げ、暴れ回る。食べかけのご馳走も蹴散らされ、ぐちゃぐちゃだ。
 しかもオーガは、丸太みたいなぶっとい男根をおっ立てていた。

 目が合った。

 「くっ、殺して~」

 嫌な予感が的中した。オーガはゴブリンを放り出し、わたし目がけてまっしぐらに駆け寄った。

 はあ、はあ、はあ、と荒い呼吸で吹き付けられる息が、生臭い。

 挿れる気だ。死ぬ。あんなモノ挿れられたら、間違いなく悲惨な死が。

 「殺して。殺してからにして」

 必死で訴えたけど、言葉が通じる筈もなく、オーガはわたしを吊り下げる縄を掴んだ。
 ぶちっ。一瞬で千切れる縄。

 「刺突電撃!」

 ビシャーン!

 雷が落ちたみたいな眩しさと衝撃のあと、オーガはゆっくりとこちらへ倒れ込んできた。

 わたしは慌てて地面に届いた足を動かす。腕を振ると、オーガに握られた縄の切れ端が、すっぽ抜けた。

 ズシン、と地響きを立ててうつ伏せになった向こうに、ブルーの姿を認めた。

 視界が暗くなる。


 わたしがゴブリンに攫われてから、戦闘の時の立ち位置が少し変わった。
 場所に余裕があれば、わたしを真ん中に入れて、狭ければ誰かがわたしの側につく。

 「そこまでやらなくても‥‥最悪、魔王を先に倒してから来てもらえれば」

 わたしの頭の中には、どうしても処刑がちらつくのだ。

 「アイナなしじゃ、やる気出ねえよ」

 「回復なしで、魔王を倒せるとは思えないな」

 「そうだ。女神イナリア様の選びし巫女は、必須の戦力だ」

 「どうせ僕達、アイナを探しちゃうから、そうならないように守るのが、手っ取り早いでしょ」

 確かにブルーの言う通りではある。
 なるべく足を引っ張らないように、気をつけなくちゃ。


 それなのに。

 「ああっ。ごめんなさい!」

 わたしだけが、罠にかかってしまった。

 床の敷石が一枚だけ剥がれた通路に差し掛かったところだった。
 ちゃんと魔法や剣で確認した後、セイヤとハルトくんに続いて、通り過ぎようとしたところだった。

 皆と同じように脇へ避けて足早に進んだのに、わたしが横へ来た途端、床と周辺の壁まで崩れた。

 奥からピンク色のヌメヌメした細長い物が何本も伸びてきて、わたしを絡め取ったのだ。

 ヌメヌメは皆の方にも伸びたけど、全員避けた。

 「何だ? このイソギンチャクみたいな奴」

 ハルトくんが剣で斬りつけると、一本落ちた。
 すると、そこから二本のヌメヌメが生えてきた!

 「ブルー、魔法で一本潰してみろ。二本以上攻撃するな。増えたらまずい!」

 セイヤがヌメヌメ越しに、指示を出した。ブルーとレッドはわたしの後ろにいて、分断された形になっていた。

 「炎撃渦!」

 ブルーはすぐさま魔法を放った。炎が一本の触手にまとわりつき、くるくると蔓みたいに巻きついて伸びた。
 じゅうじゅうと煙を上げて、黒ずむ触手は、間もなく燃えかすとなって崩れ去った。

 そして、新しい触手が即座に伸びてきた。

 「これではキリがない。ハルト、そのイソギンチャクとかいう奴の弱点は?」

 「‥‥見た目が似ているだけで、全然違う生物だ。参考にならん」

 「アイナ!」

 ブルーの声に、触手の動きが変化した。

 ピンクの触手共は、わたしの手足だけでなく、両乳にまで一本ずつ絡みついて、先端が絶妙な距離で乳首を刺激するのだ。

 更に、別の触手が両脚の間へ入り込んで、性器の周辺をずりずりと這い回る。

 また別の触手が顔に迫ったかと思うと、口に突入したので、一瞬呼吸が苦しくなったのだった。

 鼻で呼吸したら、ブルーとキスした時の記憶と重なった。

 「このままでは、アイナが」

 セイヤの苦悩する声も聞こえる。あっ、あそこに挿入はいってきたのは、セイヤの淫棒に似ている。

 「思い出した! こいつは、チリチェリコリフォだ!」

 レッドが叫んだ。

 「女の‥‥その、匂いに反応して‥‥体液をしぼり取る」

 体に絡みつく力強さが、騎士らしく頼もしい。

 「レッド! 倒し方を言え」

 ハルトくんが、怒鳴り声でうながした。でも、乳首に触れる手は、優しく気持ち良い。

 「チリチェリコリフォなら、真棒を壊せば死ぬ」

 「ちん○! ちん○を切るんだ!」

 セイヤとレッドが同時に言った。

 「どれが真棒?」

 ブルーが冷静に訊く。

 嫌だわ。真なる棒は、子種を注ぐ穴へ入るに決まっているじゃないの。

 「んぐ、んうっ」

 「えっと、確かエサを絶頂に導くって書いてあった気がする。今挿入っている触手とは限らない」

 「アイナがまでわからないってことか!」

 「けしからん。触手の癖に」

 ハルトくんとセイヤがうめいた。

 皆に気持ち良くしてもらうって、凄い。あっ、抜かないで。

 「いやあん」

 「アイナ、耐えろ! いや、耐えたら真棒がわからなくなる。くっ」

 セイヤが戸惑いながらも、挿入してくれた。
 違った。これはブルーの杖だわ。

 セイヤはキスに回ったのね。
 ああっ。レッドがお尻を舐めている。
 ハルトくんは、乳房を揉んでいるわ。

 「イクんじゃないか。あれが真棒か?」

 レッドが早くも剣に手を掛ける。お尻を舐めながら、何て器用な騎士。

 「待て。慎重に見極めろ。アイナがイったら、ブルーは周囲の邪魔な触手を凍らせるんだ」

 セイヤが指示を出す。唇の感触が気持ち良いわ。

 「わかった。どれくらい保つかはわからないよ」

 「構わん。ハルトとレッドに登らせる。レッドが真棒を斬って、ハルトがアイナを残りの触手から解放しろ。私がアイナを受け止める」

 「ヤバそうだったら、そうする」

 あああっ。盛り上がってきた。あっ。そんなに激しく。

 「ブルー。アイナを取り戻したら、奴を燃やせるか?」

 「やってみるよ」

 あんっ。ダメ。ダメじゃない。気持ち良い!

 口がふさがっているから、わたしの言葉は形にならない。でも、皆はわかってくれているみたいだった。

 イクッ!

 「行けブルー!」

 「凍結固定!」

 瞬間的に、周囲の温度が下がった。全身濡れ濡れのわたしは、肌寒さを感じる。

 「この偽ちん○!」

 レッドの掛け声と共に、ずるりと抜け落ちる感覚があった。

 「あ~ん。まだ‥‥」

 「アイナ、しっかりしろ」

 ぎゅっと抱き上げられて、ハルトくんの顔が見えた。こっちが本物だ。

 うわあ。
 わたし、皆の前でイキ狂っていた。恥ずかしい。

 それぞれと寝ていても、一対一の時とは別物だよ。

 「くそっ。滑る」

 わたしに付着したぬるぬるに加えて、足元の氷のせいで、バランスを取るのが難しいみたいだ。

 「崩れ始めたぞ!」

 レッドは既に降りていた。

 「ハルト、アイナを落とせ! ブルーは早く燃やすんだ! こいつは、切れ端から再生するぞ」

 セイヤの焦り声の直後、下に炎の輪が発生した。みるみる溶け出す氷。

 「受け取れ!」

 わたしは空中に投げ出された。

 「ハルトくんは?」

 見返った先に、小さくなる勇者の姿があった。炎の壁が高く伸びる。

 「だめえ、ハルトくん!」

 わたしは、待ち構えていたセイヤの腕に落ちた。

 「心配ない。アイナ、勇者を信じろ」

 王子が耳元でささやく。

 ジュッと音がして、目の前に豪炎が立ち上った。炎の壁より色が濃い。

 わたし達は、熱風に押されて後退あとじさった。

 黒っぽく見える炎の中で、一瞬だけ更に黒い物がうねっては崩れ落ちていく。

 不意に、炎が消えた。

 そこには、黒い大きな穴がぽっかり空いていた。
 細い煙が幾筋いくすじも立つ向こうに、ブルーとハルトくんが立っていた。

 「ずるいよね。勇者固有の魔法があるなんて」

 「使い勝手は悪いぞ」

 わたしはほっとして、力が抜けた。


 「それにしても、チリチェリコリフォなどという希少種を、よく覚えていたな。ほとんど目撃例がなかった筈だ」

 セイヤがレッドを褒めた。でも、そういう王子も知識は持っていた訳だけど。

 「『実録 生殖系魔物全集』に載っていた。言っておくが、兄貴が友人から借りて来たのを見せられただけだからな」

 レッドは、何故か言い訳がましい態度をとった。セイヤが、ああ、と思い出したように言った。

 「なるほど。そう言えば、青少年有害図書に指定されていた」

 「エロ本かよ!」

 ハルトくんが、突っ込んだ。

 「内容は真っ当な図鑑だったよ。媚薬の原材料を調べるのに、読んだことがある」

 ブルーがかばった。

 つまり、読む方の心持ちが問題だってことみたいだ。
 神殿にはなさそうな本だけど、もし無事に戻れたら、どうにかして見てみたい。

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