異世界でロリッ子魔導師になりました

リオック

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共和国編

「」

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 静寂の中、暗い空間に佇む不思議な感覚から目を開けると更なる暗闇が広がっていたのです。
「むむむ・・・もしかしなくても私・・・巨大蜘蛛型にやられて逝ってしまったのです・・・?」
 ただただ暗黒が無限に広がる空間はそのままに私の頭上と足元に無数の煌めきが現れたのです、イメージとしては上下に星空が出現したと言っても過言・・・・・・かもですが。
 程なくして正面に人型の光が近づき、明確に実体化したその姿はよく知る人間だったのです、分類的には人っていうか龍なのですが。
「ふむ、夢でも妾に逢いとうなったかの?」「なるほど、夢だったのです」
 夢の中で夢とはっきり言われる経験は初めてかもですが、まあいいのです。
「どうせ夢ならカフェ・フレイアにでも場面展開してほしいのですが、ダメです?」
「ダメじゃな、お主の冒険はここが終点、そうならなかったのじゃから喜ぶ所じゃろう」
 それはそうなのですが・・・それにしても夢にしてはリアの言動はやたらリアルに連動してるですね・・・私のイメージ再現度が完璧なのです。
「この夢の舞台は宇宙?なのですかね、残念ながら私の知見から言うと、星空までしか認知できないのです」
「まあそうじゃろう、前世も画像や映像でしか見たことがないのじゃから、フィオナが識っておるはずもなかろうて」
「なるほど、なら知らないのです、夢ですし聞いても覚めたら忘れるとは思うのですが、アートマからは宇宙はどう見えてるのです?」
 夢とは俗に自分の見聞きした記憶で形成されるものですし、もちろんここにいるリアの口から私の知識以上の発言が放たれるはずもないのですが。
「知らぬ」「まあそうなるですね、前世の記憶を合わせても出てこないのです」
「妾が言ったのは人に認識できるようにできる言語は知らぬ、つまりフィオナが知覚しやすい形に極力変換はできるのじゃ」
 なかなかに遠回しな言い回し、紛れもなくこれは前世側の記憶混じりのリアなのです・・・夢なのに簡単にはいかないのです、面倒な事になった、なのです。


 何やら前世の世界では嘘をついても許されるという1日があるそうですが、おかしな話なのです、365日、常にやっているのなら敢えて主張する必要性が皆無だと思うのですが。
「お主ら人は個人、個体と称しておるが、縮小してみれば無数の集合体というおぞましいものをみるじゃろ?」
「急にどうしたです・・・?記憶では確かに生物は細胞の集合体ですが、物質も原子の集合体となっているですね」
「そう言う事じゃ」「どういう事です!?ひっどい夢なのです!」
 私の知能依存とは言え流石にざっくりすぎて意味が不明なのですが・・・宇宙の話飛ばしたです?
「ふむ、フラクタル的に縮小して視たのが今の話じゃ、その逆をやればいいだけなのじゃ」
 人、生物や様々な物質を縮小したのが細胞や原子と言う事ですかね・・・逆に、となると拡大したらどうなるか?ということですかね。
「原子、分子、細胞、人、地球から更に拡大すれば宇宙、銀河となるじゃろう、人が自らの技術を持って確認できるのはこの辺りと言った所じゃな」
「むむむ、実際には地球にしか立ち入れていない気もするのですが・・・つまりこれに共通しているのが何かしらの集合体と言う事なのです?」
「前世の者達の面白い所は地球内までは縮小と拡大で現象を明確化するのに宇宙へと視点を広げた瞬間、別の法則で見ようと試みる事じゃな、自らが認めた自然の絶対法則を説明する理論であるにも関わらずの」
「人の技術で生み出していない構造そのものを持つ自然による存在概念・・・そういうと切りがないのですが、鶏が先か卵が先かなのですよ・・・?」
「お主が気にする必要もなかろう、人が原初に到達する日は来ぬ、その宇宙は37兆の内の1つに過ぎぬと言った所で正気を疑うじゃろうしの」
「はあ、37兆・・・人の細胞数に似てるですね」
「正確には37兆の中の分裂した一部かの、同じ情報を持つ宇宙が分裂した事で平行世界といった概念を人は認識しておるのじゃろう、知覚はできぬようじゃがな」
「リアのその理屈だと宇宙とは細胞の1つ、ということになるのですが・・・一説によれば人の脳のニューロンネットワークと宇宙に類似性があると記憶にはあるのですけど」
「人の細胞集合体が人間という存在を認識してるわけでもないじゃろう、宇宙の先を人は憶測でしか語らぬ、自然の原理そのものを覆せないのを自覚してしまったから原初を視る為にフラクタル法則を己自身で使わなくしたのじゃろうな」
「とてもおぞましい現実を夢とはいえ視せるのは勘弁なのですが・・・じゃあ人って何なのです?」
「同じであろう、太陽系に視点を縮小して原理を置き換えると、太陽が核、地球含む星々は小器官・・・人の行動原理を見れば自ずと視えるじゃろうが、地球という小器官、もしくは中心体の自滅因子の1つに過ぎない存在じゃな、人間に、アポトーシスは止めれぬ、そのものじゃからな」
「なるほど、夢は夢でも、これはまさしく悪夢だったのです・・・確実に寝覚めが良くないやつなのです、私やミリー、ユラも姉様もみーんな自滅因子だなんて夢に見そうなのです・・・既に夢の中ですが」
「アストラルとコーザルでは人の存在概念は違うのじゃ、お主の世界の自滅因子の1つは魔物に置き換わっておるだけじゃ、その身を持って体感したであろう?」


 鉱山街の宿の一室でふとん?で眠っているフィオナなのですけれど・・・随分うなされていますわね・・・・・・。
「シオンさん、本当にフィオナは大丈夫ですのね・・・?」
「はい、出血多量でもございませんし、もっともミリーさんが風のクッションで衝撃を抑えていなければ、スプラッターとなっていた可能性も無きにしもあらずですが」
 私(わたくし)この女性、シオンさんに初めての感情が芽生えそうなのですわ・・・フィオナの比ではないくらいに言葉が理解し難いですわね。
「現状は大丈夫と信じる事にしますわ・・・血が大量に失われて回復魔導術も使えない場合・・・フィオナは助かってなかったのですわね・・・」
「いえ、私がいますので出血で足りない部分はどうとでもなります、血の不足の問題は厳密には体内の水分量になりますので」
「血が足りないのではなくて?水でどうにかなりますの?」
「人体に必要な水分がなくなるので血圧での酸素が届かなくなりますから、生命活動に必要な量の水分を戻せば十分です、もちろん泥水で補填すれば即死ですが・・・造血作用の機能が完全に戻るまでは虚脱反応は続きますけど、輸血より弊害が少ないですから、ヘモグロビン数値は異物反応で無意味と化しますので」
「なるほど、全っ然、理解できませんわ・・・一言、大丈夫と言えば済みますのに」
 うんうんと唸っていたフィオナの呼吸が静かに整っていますわ・・・魔力の流れは乱れていませんから大丈夫とは思っていたのですけれど・・・・・・クルス商会の方々って本当に変わっていますわね・・・フィオナが昔から意識するはずですわ。
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