ダブリン。進化者は無双する。8歳だけど身体は大人。

肩ぐるま

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ロリコン疑惑 5

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2階の廊下の一番奥に唖然として立っているのが、恐らくボスのブルックなのだろう。
俺はアレックスの横をすり抜けて、そいつに飛び掛かりながら、ゼネラルソードを右袈裟に斬り下ろした。
そいつは判断良く、剣で防ごうとせず後ろに跳び下がって避けたので、すかさずエアカッターを乱射する。そいつは口を開いて何かを言おうとしたが、もちろんこの空間では音は消失している。エアカッターがブルックの顔、腕、体、脚を斬り刻み、体のあちこちから血が噴き出す。もちろん、俺はそれをのんびり見ていたわけではない、エアカッターを撃つと同時に踏み込んでゼネラルソードでブルックの腹を貫いた。
苦痛に顔を歪めて、そいつは口を開いて何かを言おうとしているが、何も聞こえない。俺はゼネラルソードを横に払って、胴体を斬り裂くと、死にかけの奴の手に触れて、スキルをドレインした後、首を斬り落としておいた。
こいつを拷問してアルミの居所を聞くことも考えたが、アルミはこの建物のどこかに閉じ込められているだけだろう。こいつは生かしておくと危険だと直感が言っているので、ここで止めをさした。
そして、アレックスを引き連れて、まだ息があるギャング達からスキルをドレインしては止めをさして回った。
気配察知では、地下にも人の気配がする。
さて、地下への入口が分からないが、ここに居たギャングは全員殺したので、誰かから聞き出すわけにはいかない。しかし、ここでも音魔法が役に立つ。
『超音波って、非破壊検査でも使われていたよな』
床に手を当てて、音魔法で超音波を出す。超音波のエコーを感じ取るのに、少しコツが必要だったが、すぐに地下に空間があるのが分かった。その空間を探っていくと、フロアの奥にあるキッチンに辿り着いた。キッチンの中央に敷かれているカーペットを巻き上げると、地下への扉が現れた。
アレックスに見張りを任せて、その扉を持ち上げて地下への階段を下りる。
狭い通路の向こうには、鉄の檻があり、その中に何人もの子供が閉じ込められていた。
『こんなに子どもがいたら衛兵を呼ばないといけないかな。いや、ダヤンの話だと、スラムでの犯罪には、衛兵は関わろうとしないって言ってたよな。それなら、保護するしかないのか』
一旦考え込んだが、直ぐに、まず子どもたちを檻から出すのが先だと考えて檻に近づいた。
この空間は真っ暗であり、夜目のスキルを持っている俺でもキッチンの扉から漏れてくる僅かな光が無ければ、何も見えない。子どもたちは、俺が檻の前に立っていることさえ見えていない。しかし、俺の足音は聞こえている筈だ。
「アルミはいるか?助けに来たから、いたら返事をしろ」と呼びかけたが、警戒しているのだろう返事はない。
『ここでダヤンの名前を出したら。いやそれは不味い。アルミを掴まえたのがダヤンだと言っていたから、却って警戒される。仕方がない、俺の名前を出すか』
「ダブリンに頼まれて助けに来た。いたら、返事をしてくれ」
すると、暫くして、
「ホント?ホントにダブリンに頼まれて来たの」と少女の声。アルミの声だ。
「ああ、ダブリンで間違いない」
「ダブリンは生きているの?今、どこにいるの?」
「大丈夫だ。ダブリンは元気だ」
「会いたいよ~。ダブリンに会いたいよ~」と、泣き声になる。
「よし、すぐにここから出してやるから少し待て」
俺は檻の鍵を探そうとしたが、直ぐに考えを変えて、檻に掛かっている大きな南京錠を引き千切ろうと考えた。
筋力A-に、怪力5、剛力4、身体強化3、皮膚硬化3、頑丈2を発動させて南京錠を引き千切ると、簡単に千切れた。
『鉄って、こんなに脆かったか?』と疑問に思ったが、檻の入口を開けて、
「皆、出て来るんだ」というと
「何も見えないよ~」とか細い声で応えが帰ってきた。
そうか、普通はこの暗さでは何も見えないんだと、俺は改めて気が付いて、火魔法で、掌の上に炎を出現させた。
炎に揺られて、6人の少女たちが、互いの顔を見合わせている。アルミも確かに居た。
「さあ行くぞ」
「怖いおじさんたちは?」と1人がしり込みするので
「やっつけたぞ。だから、今は、誰もいない。大丈夫だ、付いておいで」と優しく声を掛ける。少女たちは暫く戸惑っていたが、
「私、行く。ダブリンに会わせて」とアルミが前に出た。
「会わせてやるとも。さあ、一緒に出よう」
俺が先頭に立ち、そのすぐ後ろにアルミ、そして、残りの女の子が続いて短い廊下を歩く。
地下にいるうちにアレックスの召還を解除しておく。オークを見たら、少女達は怖がって、俺の言うことを聞かなくなるからだ。
無事に地上に出る階段を上り、ギャングの屋敷から出る。屋敷から少し離れて、
「帰るところがあるなら、ここから帰っていいぞ」と言ってみたが誰も動こうとしない。
「皆、スラムの生まれか?」と聞くと、6人とも頷く。
『仕方がない。宿まで連れて行くか』
俺は、そのまま小女達を連れて歩き出した。
アルミが俺の横に来て「ねえ、ダブリンは?」と聞いてくる。
「宿で待っているから、そこまで行くぞ」と言うと、アルミ達は大人しく付いてきた。
街に照明が無いのは、助かる。幼女といっていい子をこんなに連れて歩いているのを人に見られたら、犯罪者に間違われるのは間違いないからだ。
宿の前では、クレラインとオーリアが待っていてくれたが、俺の背が高くなっているので最初は気が付かなかったが、眷属の感覚で俺と分かったようで、駆け寄って来て
「えらく背が伸びたね。無事でよかった」
「誰か分からなかったよ。案外、早かったね」
と口々に言いながら出迎えてくれる。
「それより、この女の子達を預かってくれないか?俺が連れていると犯罪者に見えるからな」
2人は少女達の方を見て、
「アルミって子は、居たのかい」とオーリア
するとアルミは、どうしたわけか、俺の後ろに隠れた。
「この子がアルミだ」と俺が言うと、
「ふ~ん。別嬪になりそうね。よし、私達で面倒見るよ。あんたはどうする」とクレラインが言うと
「ねえ、ダブリンはどこ?」とアルミが訴えてくる。
「よしよし、いい子ね。ダブリンにはすぐに合わせてあげるわよ。でも、その前に、この宿屋で部屋をとらなきゃね。皆、あのお姉さんに付いて行って。オーリア、その子達のことをお願い」と言ってから俺に向き直り、
「しかし、大きくなったものね。これだけ大きくなったら、服は持ってないんでしょう。部屋にある予備を持って来るから、ここで待っていて」と言って宿屋に入っていった。
宿の外で待つ間に、盗賊からドレインしたスキルを確認した。
バインドワード1を得ていた。他のスキルはたぶん重複していてドレイン出来なかったんだろう。
しかし、バインドワードって。これは、ボスが持っていたスキルに違いない。鑑定してみると、言葉で相手を縛るスキルだ。
『そう言えば、あのボスは、最後に何かを言おうとしていた。このバインドワードを使おうとしていたに違いない。サイレントが無くて、バインドワードを使われていたら、俺が負けていただろう。こいつとやり合う前に、バインドワードの天敵のようなサイレントの魔法が使えるようになっていて良かった。言葉を発することが出来なければ、バインドワードは使えないからな。しかし、あのとき、あいつを尋問しなくてよかった。尋問していたら逆転されていただろう。直感を信じてよかった』
結果オーライだったが、未知のスキルは怖いと、このとき始めて感じた。
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