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誘拐の真実
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「鉱山が枯れてきて利益が出なくなったから、山の民の子供を誘拐して売ったというわけか。胸糞の悪い奴等だな」とクレライン。
「子供を誘拐し過ぎて、山の民が減ってきたから、今度は王都の子供を誘拐することにしたって流れになるのかねぇ」とオーリア。
山の民のサイツから聞き出した話から、トラディション伯爵の悪事が分かってきた。
しかし、具体的にどうやって誘拐を実行しているのかまでは、サイツも知らないという。
「どうやって子供達を誘拐したのか?だよな」
「家で寝ていた子供も誘拐されているっていうんだから、隠密系か精神干渉系の熟練度がかなり高い奴だ」とルビー。
「しかし、隠密で本人の気配は消せても、連れている子供の気配までは消せないよ」とオーリア。
「それなら、精神干渉系か?」
「精神干渉は、掛ける方が意識していない相手には掛からない。ノーボディのような特別なスキルなら別だけどね」とルビー。
「だとするとインビジブルマントか?」
「子供の誘拐だから、荒ごとになるかもしれない。斬られたり破けたりするかもしれないことに、そんな高価なものを使うとは思えないけどね。だけど、スキルとして持っている奴がいるなら別だ」とオーリア。
「インビジブルスキルを持っている奴か、あり得るな」
俺が疑問を口にすると、オーリアとルビーが、それぞれの視点から答えてくれる。
「3つとも使っているか、それとも、知らないスキルや魔道具を使っている可能性もあるな」
「気付けない相手に攻撃されたらヤバいんじゃない」とクレライン。
「十分に気を付けることにしよう」と俺。
「こいつに案内させれば、鉱山の位置が分かるよな」と俺はサイツを顎で示す。
「私の傀儡にしたので何でも言うことを聞くから、案内させよう」とルビー。
「さっきは、えらく反抗的だったぞ」と俺が言うと、
「意識までは縛っていないんだ。その代わり、私に逆らおうとすると、腹痛と吐き気で、のたうち回ることになる。さっきから、逃げようとして、その度に、腹痛と吐き気に襲われているから、顔色が悪いだろう」とルビーが得意げに言う。
「呪いをかけたのか?」と俺が聞くと、
「いや、呪いじゃないよ。こいつの腹の傷をブラッドスライムで塞いでいるから、こいつはまだ命があるだけさ。ブラッドスライムの働きを止めてやれば、こいつは死ぬほど苦しい目に合う。というか、直ぐに死ぬ。だから、私に逆らえるわけがない。おい、サイツ、分かっているよな」とルビーが男に圧を掛ける。
サイツは蒼い顔して頷くばかりだった。
俺はサイツに向かって「砦の様子を教えてくれ」と聞いた。
「昔は、坑道の入口は隠されていなかったそうだ。それが、俺が子どもの頃に、坑道の周りに高い壁が出来て、その中に砦まで出来たと聞いている」とサイツ。
「その壁の中に入ったことはあるのか?」
「ない」
「中の様子は分かっているのか?」
「分かっていない」
「壁の中にどれくらいの戦力がいるかも分からないのか?」
「壁の規模からいって、100人位だと思う」
「運び込まれる食料を見張っていたら、何人いるかぐらい分かるだろう?」
「見張れるくらい近づいた仲間は全員殺られた」
サイツの情報は、全く使えなかった。
「他の男達はどうする?」とクレライン。
「サイツに説得させて、奴らの村に帰してやったらいいんじないかい」とルビー。
「それじゃ、それはまかせた」と俺。
「ところで、ここから砦は遠いのか?」
「歩いて2~3日というところだな」とサイツ。
「何か目的があってこの辺にいたんだ?」
「この近くから、砦の地下まで穴を掘っている」
「砦を襲撃する気だったのか?」
「俺達に、そんな戦力はない。奪われた子供を探す為だ」
「穴はどれくらい出来ているんだ?」
「もう少しで完成するところだった」
「それなら、その穴を使わせてもらおう」
サイツに案内させて、トンネルの入口まで案内させると、岩山かと思うくらいに幾つもの岩が地面から突き出し、しかも樹木も多い場所に連れていかれた。
高さが数メートルある岩も多く、見通しの悪いところだ。
その中でも岩が密集し、岩と樹木で迷路になっているような場所に、巧妙に隠されたトンネルの入口があった。
「いい場所を見つけたものだな」と、皆で感心する。
「掘った土を周囲に盛り上げて、見つかりにくくしている」と、サイツが自慢する。
「この穴のことを知っている者は他にいるのか?」
「俺達だけだ」
「この穴を中を2~3日も行かないといけないのか?」
「そういうことになる」とサイツ。
「この穴を使わせてもらうぞ」
「まだ、出来上がっていないぞ」
「大丈夫だ、俺が完成させる。それで、砦の方向はどっちだ?」
サイツは、ある方向を指差した。
このトンネルが、本当に砦の下に向かっているのか確かめるために、方向知覚のスキルで方向を確かめつつ、歩数を数えながら進み、突き当りに辿り着いたら一旦引き返して、地上で同じ方向と距離を進んで、トンネルが正しい方向に向かっているのかを確かめなくてはいけない。
オーリア達と食料を分け合い、3日分の干し肉を持ってトンネルに入ることにした。
「まず、俺が1人で行ってみる。皆は、この男とここで待っていてくれ」と俺はそう言い残して、身を屈めて穴の入口に入った。
トンネルは、身を屈めてやっと通れるくらいに狭いだけでなく、天井も壁も補強されておらず、いつ崩れて生き埋めになるか分からない酷いものだ。土魔法で周囲の土を固めながら進む。
明かりが全くないため奥に進むと夜目を持っていても何も見えない。超音波で周囲を探りながら進んでいく。
掌を天井に当てて超音波を出してみる。地表で超音波の伝わり方が変わるので、天井から地表までの距離のデータを取りながら進んでいった。
「子供を誘拐し過ぎて、山の民が減ってきたから、今度は王都の子供を誘拐することにしたって流れになるのかねぇ」とオーリア。
山の民のサイツから聞き出した話から、トラディション伯爵の悪事が分かってきた。
しかし、具体的にどうやって誘拐を実行しているのかまでは、サイツも知らないという。
「どうやって子供達を誘拐したのか?だよな」
「家で寝ていた子供も誘拐されているっていうんだから、隠密系か精神干渉系の熟練度がかなり高い奴だ」とルビー。
「しかし、隠密で本人の気配は消せても、連れている子供の気配までは消せないよ」とオーリア。
「それなら、精神干渉系か?」
「精神干渉は、掛ける方が意識していない相手には掛からない。ノーボディのような特別なスキルなら別だけどね」とルビー。
「だとするとインビジブルマントか?」
「子供の誘拐だから、荒ごとになるかもしれない。斬られたり破けたりするかもしれないことに、そんな高価なものを使うとは思えないけどね。だけど、スキルとして持っている奴がいるなら別だ」とオーリア。
「インビジブルスキルを持っている奴か、あり得るな」
俺が疑問を口にすると、オーリアとルビーが、それぞれの視点から答えてくれる。
「3つとも使っているか、それとも、知らないスキルや魔道具を使っている可能性もあるな」
「気付けない相手に攻撃されたらヤバいんじゃない」とクレライン。
「十分に気を付けることにしよう」と俺。
「こいつに案内させれば、鉱山の位置が分かるよな」と俺はサイツを顎で示す。
「私の傀儡にしたので何でも言うことを聞くから、案内させよう」とルビー。
「さっきは、えらく反抗的だったぞ」と俺が言うと、
「意識までは縛っていないんだ。その代わり、私に逆らおうとすると、腹痛と吐き気で、のたうち回ることになる。さっきから、逃げようとして、その度に、腹痛と吐き気に襲われているから、顔色が悪いだろう」とルビーが得意げに言う。
「呪いをかけたのか?」と俺が聞くと、
「いや、呪いじゃないよ。こいつの腹の傷をブラッドスライムで塞いでいるから、こいつはまだ命があるだけさ。ブラッドスライムの働きを止めてやれば、こいつは死ぬほど苦しい目に合う。というか、直ぐに死ぬ。だから、私に逆らえるわけがない。おい、サイツ、分かっているよな」とルビーが男に圧を掛ける。
サイツは蒼い顔して頷くばかりだった。
俺はサイツに向かって「砦の様子を教えてくれ」と聞いた。
「昔は、坑道の入口は隠されていなかったそうだ。それが、俺が子どもの頃に、坑道の周りに高い壁が出来て、その中に砦まで出来たと聞いている」とサイツ。
「その壁の中に入ったことはあるのか?」
「ない」
「中の様子は分かっているのか?」
「分かっていない」
「壁の中にどれくらいの戦力がいるかも分からないのか?」
「壁の規模からいって、100人位だと思う」
「運び込まれる食料を見張っていたら、何人いるかぐらい分かるだろう?」
「見張れるくらい近づいた仲間は全員殺られた」
サイツの情報は、全く使えなかった。
「他の男達はどうする?」とクレライン。
「サイツに説得させて、奴らの村に帰してやったらいいんじないかい」とルビー。
「それじゃ、それはまかせた」と俺。
「ところで、ここから砦は遠いのか?」
「歩いて2~3日というところだな」とサイツ。
「何か目的があってこの辺にいたんだ?」
「この近くから、砦の地下まで穴を掘っている」
「砦を襲撃する気だったのか?」
「俺達に、そんな戦力はない。奪われた子供を探す為だ」
「穴はどれくらい出来ているんだ?」
「もう少しで完成するところだった」
「それなら、その穴を使わせてもらおう」
サイツに案内させて、トンネルの入口まで案内させると、岩山かと思うくらいに幾つもの岩が地面から突き出し、しかも樹木も多い場所に連れていかれた。
高さが数メートルある岩も多く、見通しの悪いところだ。
その中でも岩が密集し、岩と樹木で迷路になっているような場所に、巧妙に隠されたトンネルの入口があった。
「いい場所を見つけたものだな」と、皆で感心する。
「掘った土を周囲に盛り上げて、見つかりにくくしている」と、サイツが自慢する。
「この穴のことを知っている者は他にいるのか?」
「俺達だけだ」
「この穴を中を2~3日も行かないといけないのか?」
「そういうことになる」とサイツ。
「この穴を使わせてもらうぞ」
「まだ、出来上がっていないぞ」
「大丈夫だ、俺が完成させる。それで、砦の方向はどっちだ?」
サイツは、ある方向を指差した。
このトンネルが、本当に砦の下に向かっているのか確かめるために、方向知覚のスキルで方向を確かめつつ、歩数を数えながら進み、突き当りに辿り着いたら一旦引き返して、地上で同じ方向と距離を進んで、トンネルが正しい方向に向かっているのかを確かめなくてはいけない。
オーリア達と食料を分け合い、3日分の干し肉を持ってトンネルに入ることにした。
「まず、俺が1人で行ってみる。皆は、この男とここで待っていてくれ」と俺はそう言い残して、身を屈めて穴の入口に入った。
トンネルは、身を屈めてやっと通れるくらいに狭いだけでなく、天井も壁も補強されておらず、いつ崩れて生き埋めになるか分からない酷いものだ。土魔法で周囲の土を固めながら進む。
明かりが全くないため奥に進むと夜目を持っていても何も見えない。超音波で周囲を探りながら進んでいく。
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