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王家の影
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「俺のことがバレていたぞ」
砦から皆のところまで戻った俺は、大急ぎでトンネルの入り口を土魔法で塞いだ。
「追手がいるのかい?」とオーリアが聞いてくる。
「いや、そいつは1人だけで襲って来たから、他の奴らにはバレていないはずだ」
この俺の一言で、臨戦態勢に入っていた3人は、緊張を解いた。
「バレてたってどういうことだ?」とルビー。
俺は砦で、待ち伏せされていたことを説明した。
「それじゃあ、情報を漏らした奴がいるのか?」と、ルビーがサイツを睨む。
その視線に、
「俺のわけないだろう。第一、どうやって俺が砦の奴らに連絡できるんだ?」とサイツは、慌てて自己を弁護する。
「サイツは関係ないだろう。俺のことを王都で嗅ぎ回っていると言っていたから、王都からつけられた可能性がある」
「王都からか?すると、元伯爵家の騎士を襲った奴か?」とルビー。
「いや、そいつが出て来たら、俺では勝てないと思う。別の奴だと思うが、伯爵家の奴なのは間違いない」
「王都からつけてきたとすると、何故、途中で襲って来なかった?」たルビー。
「そいつが1人で行動していたら、こっちの人数の多いときには襲って来ないさ」とオーリア。
「そいつが伯爵家の者というのは、何か確証があるのか?」とルビー。
「無双剣という応用スキルを使ってきた。たまたま俺も無双スキルで剣を使っていたら、無双剣を模倣したと疑われた。応用スキルを持っているのは、たいがい貴族なんだろう?」
「現れた状況と、応用スキルを持っていることを考えると、間違いなく貴族だろう」とクレライン。
「伯爵家の血を引く誰かというところだろうね」とオーリア。
「それで殺ったのか?」とルビー。
「ああ、テレナから、調査中に見つかったら、殺せと言われているしな」
「そいつの他には?砦の兵隊はいたのか?」
「何故か1人だけだった。斬り合ってる間にも、誰も来なかった。人払いをしていたようだ」
「謎な行動だな。そいつは、伯爵家の影かもしれない。砦の兵隊に知られたくない事情があるとかだな」
「そいつの情報が欲しいな。何とかならないか」とルビー。
「ルージュにアンデッドにしてもらって聞き出すか」
そのとき
『もうアンデッドにしているよ。今、トンネルの中をこっちに向かわせているから、入り口を開けとくれ』
とルージュから念話があった、
「ルージュがアンデッドにしてくれたそうだ、トンネルから来るらしい」
仲間達にそう伝えて、土魔法で、トンネルの入り口の土を取り除いた。
暫く待っていると、俺が倒した男が、アンデッドになってやって来た。
上半身を護っている金属のハーフプレートアーマーの胸部が、俺の無双剣で切断されていた。もちろん、その下の肉体も肩から肺まで斬り裂かれていた。
トンネルから這い上がって来たアンデッドを取り囲んで尋問を始めた。ただし、この話はサイツには聞かせることが出来ないので、サイツには精神干渉を掛けて眠らせた。
「お前は何者だ?」
「トラディション伯爵家の分家の者だ」
「何故、俺を狙った」
「この鉱山を探りに来る奴がいると、伯爵家の影から知らされた。砦に入った者を感知する魔道具でお前の動きが分かっていたので、人払いをして待ち伏せた」
「俺達がつけられた訳じゃないんだな」
「つけていない」
「俺の潜入がバレたのは、その魔道具のせいか?」
「そうだ」
「俺は、昨日の夜に潜入したぞ。何故、朝まで待った?」
「人目の多いところは避けたからだ」
「待ち伏せをしたとき、人払いをしたのも、人目を避ける為か?何故、人目を避ける」
「お前を誰かに見られると、王家が介入してきかねないからだ」
「王家が介入?」
「王家は、お前を表の影として動かしている。影の仕事を、お前のように表立って、堂々とされたら誰にも止められない。だから、誰にも知られずにお前を消す必要があった」
「俺が王家の仕事をしているというのはどういうことだ?」
「王都第3騎士団の団長は、女王の従姉妹だ。騎士団というのは表の顔で、実際は、王家の影だ」
思わぬところで、テレナリーサの正体を聞かされた。そうか、これは王家の影の仕事なのか。そうと分かると思い当たることが幾つもある。
子供の誘拐犯の手掛かりを掴む為に、王都からゼネーブ川を下って、エルトローレの街まで調査したこと。このとき、謎の協力者が、欲しかった情報をくれている。
そして、今回は、伯爵家の領地への潜入調査。
どちらも、王都騎士団の仕事ではない。王国の全土に権限を持つ者、つまり、王家からの命令がなくては辻褄が合わない内容の仕事だ。
さらに、俺自身がテレナと同衾しているが、どこからも横槍が入らないこと。
今はルビーになっている女海賊の元の名前を消して、俺の配下に付けたこと。
これらも、テレナが異常な強権を持っていることの現れだ。
「あの女の正体を聞いて、驚いたかい?」とルビー。
「だから、あの女は、恐ろしい奴だって言っただろう。心を奪われても、魂まで奪われないようにしてくれよ。ご主人様は、眷属になった私達の命を握ってるんだから」
軽い口調だったが、重い内容の言葉に思わずルビーを見ると、生真面目な顔で俺を見詰め返してきた。
そして、オーリアとクレラインを見ると、2人も緊張した面持ちで、俺を見詰め返してきた。
砦から皆のところまで戻った俺は、大急ぎでトンネルの入り口を土魔法で塞いだ。
「追手がいるのかい?」とオーリアが聞いてくる。
「いや、そいつは1人だけで襲って来たから、他の奴らにはバレていないはずだ」
この俺の一言で、臨戦態勢に入っていた3人は、緊張を解いた。
「バレてたってどういうことだ?」とルビー。
俺は砦で、待ち伏せされていたことを説明した。
「それじゃあ、情報を漏らした奴がいるのか?」と、ルビーがサイツを睨む。
その視線に、
「俺のわけないだろう。第一、どうやって俺が砦の奴らに連絡できるんだ?」とサイツは、慌てて自己を弁護する。
「サイツは関係ないだろう。俺のことを王都で嗅ぎ回っていると言っていたから、王都からつけられた可能性がある」
「王都からか?すると、元伯爵家の騎士を襲った奴か?」とルビー。
「いや、そいつが出て来たら、俺では勝てないと思う。別の奴だと思うが、伯爵家の奴なのは間違いない」
「王都からつけてきたとすると、何故、途中で襲って来なかった?」たルビー。
「そいつが1人で行動していたら、こっちの人数の多いときには襲って来ないさ」とオーリア。
「そいつが伯爵家の者というのは、何か確証があるのか?」とルビー。
「無双剣という応用スキルを使ってきた。たまたま俺も無双スキルで剣を使っていたら、無双剣を模倣したと疑われた。応用スキルを持っているのは、たいがい貴族なんだろう?」
「現れた状況と、応用スキルを持っていることを考えると、間違いなく貴族だろう」とクレライン。
「伯爵家の血を引く誰かというところだろうね」とオーリア。
「それで殺ったのか?」とルビー。
「ああ、テレナから、調査中に見つかったら、殺せと言われているしな」
「そいつの他には?砦の兵隊はいたのか?」
「何故か1人だけだった。斬り合ってる間にも、誰も来なかった。人払いをしていたようだ」
「謎な行動だな。そいつは、伯爵家の影かもしれない。砦の兵隊に知られたくない事情があるとかだな」
「そいつの情報が欲しいな。何とかならないか」とルビー。
「ルージュにアンデッドにしてもらって聞き出すか」
そのとき
『もうアンデッドにしているよ。今、トンネルの中をこっちに向かわせているから、入り口を開けとくれ』
とルージュから念話があった、
「ルージュがアンデッドにしてくれたそうだ、トンネルから来るらしい」
仲間達にそう伝えて、土魔法で、トンネルの入り口の土を取り除いた。
暫く待っていると、俺が倒した男が、アンデッドになってやって来た。
上半身を護っている金属のハーフプレートアーマーの胸部が、俺の無双剣で切断されていた。もちろん、その下の肉体も肩から肺まで斬り裂かれていた。
トンネルから這い上がって来たアンデッドを取り囲んで尋問を始めた。ただし、この話はサイツには聞かせることが出来ないので、サイツには精神干渉を掛けて眠らせた。
「お前は何者だ?」
「トラディション伯爵家の分家の者だ」
「何故、俺を狙った」
「この鉱山を探りに来る奴がいると、伯爵家の影から知らされた。砦に入った者を感知する魔道具でお前の動きが分かっていたので、人払いをして待ち伏せた」
「俺達がつけられた訳じゃないんだな」
「つけていない」
「俺の潜入がバレたのは、その魔道具のせいか?」
「そうだ」
「俺は、昨日の夜に潜入したぞ。何故、朝まで待った?」
「人目の多いところは避けたからだ」
「待ち伏せをしたとき、人払いをしたのも、人目を避ける為か?何故、人目を避ける」
「お前を誰かに見られると、王家が介入してきかねないからだ」
「王家が介入?」
「王家は、お前を表の影として動かしている。影の仕事を、お前のように表立って、堂々とされたら誰にも止められない。だから、誰にも知られずにお前を消す必要があった」
「俺が王家の仕事をしているというのはどういうことだ?」
「王都第3騎士団の団長は、女王の従姉妹だ。騎士団というのは表の顔で、実際は、王家の影だ」
思わぬところで、テレナリーサの正体を聞かされた。そうか、これは王家の影の仕事なのか。そうと分かると思い当たることが幾つもある。
子供の誘拐犯の手掛かりを掴む為に、王都からゼネーブ川を下って、エルトローレの街まで調査したこと。このとき、謎の協力者が、欲しかった情報をくれている。
そして、今回は、伯爵家の領地への潜入調査。
どちらも、王都騎士団の仕事ではない。王国の全土に権限を持つ者、つまり、王家からの命令がなくては辻褄が合わない内容の仕事だ。
さらに、俺自身がテレナと同衾しているが、どこからも横槍が入らないこと。
今はルビーになっている女海賊の元の名前を消して、俺の配下に付けたこと。
これらも、テレナが異常な強権を持っていることの現れだ。
「あの女の正体を聞いて、驚いたかい?」とルビー。
「だから、あの女は、恐ろしい奴だって言っただろう。心を奪われても、魂まで奪われないようにしてくれよ。ご主人様は、眷属になった私達の命を握ってるんだから」
軽い口調だったが、重い内容の言葉に思わずルビーを見ると、生真面目な顔で俺を見詰め返してきた。
そして、オーリアとクレラインを見ると、2人も緊張した面持ちで、俺を見詰め返してきた。
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