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誘拐
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執務室から出たラディウスは、そのまま城を出ると、領都トラディションのスラム街に向かった。
スラム街にはいくつかの闇ギルドがあるが、その全てを束ねる男に会うためだ。
ラディウスが歩いていると、いつの間にか、その後ろにアライザが続いていた。さらに歩くと、次はベララが、そして、リヴァイ、ブルドが次々と現れて、後に続いた。
スラムのある通りに来ると、道の両側の家の柱や壁に凭れていた数人の男達が、手に手に武器を持って動き出して、ラディウス達の前に立ち塞がった。
先頭の1人が、ラディウスに剣を向けて、
「ここから先は通れねぇぜ」と脅しに掛かるが、2メートル近いこの大男でも、ラディウスの肩に届かないほどラディウスが大きいので、少しおよび腰だ。
ラディウスはニヤニヤしながら、
「お前、新米か?俺が誰だか知らねえのか?」と、嘲笑った。
そのとき、道沿いの家のドアが開いて、
「おい、止めろ。そのお方は、ナザニエールのギルマスだ。お前が手を出したら、俺達にまで火の粉が降り掛かる。さっさと道を開けて、お通ししろ」と、男が怒鳴った。
ラディウスは、声がした方を見て、
「話が分かる奴がいて、良かったな。もう少しで、頭を握り潰すところだっだぜ」と言ったときには、大きな手で、目の前に立つ大男の頭を掴んでいた。その動きが速すぎて、誰にも動きが見えなかった。しかも、その大きな手で掴まれた頭の骨は、既にひびが入り、男は立ったまま、泡を吹いて気を失っていた。
ラディウスは、手に掴んだゴミを捨てるようにその男を脇に捨てると、道を進み始めた。
流石に、もう道を塞ぐ者は現れず、ラディウス達は、スラムの奥に進んで行った。
その大きな家の前では、5~6人の柄の悪そうな男達が入口を塞ぐように立っていたが、ラディウスのことを知っているのか、黙って場所を空けた。
ラディウスは、そんな用心棒などいないような軽い足取りでドアの前に立ち、ドアの取っ手を待つと、そのまま握りつぶした。
「あっ、悪いな。取っ手が潰れちまったぜ」と言いながら、むしり取った取っ手の残骸を、入口の横の植え込みに捨てた。そして、取っ手の無くなったドアを軽く押すと、ドアは枠から外れて、部屋の中に飛んでいった。ドアの後ろで剣を構えていた3人の用心棒も、そのドアに突き飛ばされて、反対側の壁に激突した。
そのまま部屋に踏み込んだラディウスは、
「出て来いや。野良犬」と大声を上げながら、腰の大剣を抜いて、上から下へと一文字に斬り落とした。
同時に、3階の奥の部屋からガタンと、何かが倒れる大きな音がした。
3階の奥の部屋にいたボスは、目の前の大きな机が、いきなり真っ二つになって倒れたことに驚いて、声も出せなかった。
「早く降りてこねえと、次は、股にぶら下がってるやつを、真っ二つに、ぶった斬るぞ」と、ラディウスが再び大声を上げた。
直ぐに、
「まっ、待ってくれ。い、今、降りていく。早まらないでくれ」と、悲鳴を上げながら、上の方でドタバタする音が聞こえると、1人の男が階段を駆け降りて来た。
その男は、転がるようにしてラディウスの前まで来ると、
「ラディウスの旦那、ひでえじゃないですか。俺の体面も考えてやって下さいよ」
と、息を切らしながら懇願する。
ラディウスは、
「お前の体面なぞ、知ったことか」と、手に持つ大剣をその男の頬に突きつけ、
「身寄りのないガキを集めてこい。100人だ。足りなけりゃ、攫ってでも数を揃えろ」
「へっ、攫ってもいいんですかい」とボスが驚いていると、
「足りなけりゃと言っただろう。死にたいのか」と、ギャングのお株を奪うような脅しを掛ける。
「わ、分かりましたから剣を退けてくだせえ」とボスが下手に出る。
ラディウスは、ここで、ようやく剣を腰に納めた。
「おい、野良犬。椅子を持って来させろ」とボスに命令する。
「ラディウスの旦那。野良犬は酷いですぜ。せめてガルムと呼んで下せえ」
「お前なんざ、野良犬で充分なんだよ。早く椅子を持ってこい」
「分かりやした」
ガルムと名乗ったスラムのボスは、手下に向かって、
「おい、この旦那方に椅子を用意して差し上げろ。ボヤボヤするな」と怒鳴った。
ギャングの手下が運んで来た椅子に、ラディウス達は腰を下した。
「おい、酒を持ってこい」とガルムが手下に命令し、手下達は、小型のテーブルと酒や食べ物を運んで来て、ラディウス達の前に並べ始めた。
しかし、ラディウス達は、誰も酒に肴にも手を出さない。
「毒は入ってねえですよ」とガルムが勧めるが、無視された。
気不味い沈黙が支配したまま時間が過ぎ、ボスの家の前に子供達が集められつつあった。
「今、何人だ?」とガルムが外に出て来て確認する。
「80と、ちょっとです」
「もうちょっとか。他の地区からも集めろ」
ガルムは、そのまま家の中には戻らずに、外で待ち始めた。
家の外に集められた子供達は、荷台が大きな木箱のようになっている荷馬車に、次々と詰め込まれていく。
さらに子供が20~30人集められて、全員が4台の荷馬車に押し込まれていく。
どの子も、怯えて泣き顔になり、中には引き付けを起こしている子もいる。泣き始めた子供もたくさんいたが、無情にも木箱の扉が閉じられた。
そこに、ラディウス達が出て来た。
スラム街にはいくつかの闇ギルドがあるが、その全てを束ねる男に会うためだ。
ラディウスが歩いていると、いつの間にか、その後ろにアライザが続いていた。さらに歩くと、次はベララが、そして、リヴァイ、ブルドが次々と現れて、後に続いた。
スラムのある通りに来ると、道の両側の家の柱や壁に凭れていた数人の男達が、手に手に武器を持って動き出して、ラディウス達の前に立ち塞がった。
先頭の1人が、ラディウスに剣を向けて、
「ここから先は通れねぇぜ」と脅しに掛かるが、2メートル近いこの大男でも、ラディウスの肩に届かないほどラディウスが大きいので、少しおよび腰だ。
ラディウスはニヤニヤしながら、
「お前、新米か?俺が誰だか知らねえのか?」と、嘲笑った。
そのとき、道沿いの家のドアが開いて、
「おい、止めろ。そのお方は、ナザニエールのギルマスだ。お前が手を出したら、俺達にまで火の粉が降り掛かる。さっさと道を開けて、お通ししろ」と、男が怒鳴った。
ラディウスは、声がした方を見て、
「話が分かる奴がいて、良かったな。もう少しで、頭を握り潰すところだっだぜ」と言ったときには、大きな手で、目の前に立つ大男の頭を掴んでいた。その動きが速すぎて、誰にも動きが見えなかった。しかも、その大きな手で掴まれた頭の骨は、既にひびが入り、男は立ったまま、泡を吹いて気を失っていた。
ラディウスは、手に掴んだゴミを捨てるようにその男を脇に捨てると、道を進み始めた。
流石に、もう道を塞ぐ者は現れず、ラディウス達は、スラムの奥に進んで行った。
その大きな家の前では、5~6人の柄の悪そうな男達が入口を塞ぐように立っていたが、ラディウスのことを知っているのか、黙って場所を空けた。
ラディウスは、そんな用心棒などいないような軽い足取りでドアの前に立ち、ドアの取っ手を待つと、そのまま握りつぶした。
「あっ、悪いな。取っ手が潰れちまったぜ」と言いながら、むしり取った取っ手の残骸を、入口の横の植え込みに捨てた。そして、取っ手の無くなったドアを軽く押すと、ドアは枠から外れて、部屋の中に飛んでいった。ドアの後ろで剣を構えていた3人の用心棒も、そのドアに突き飛ばされて、反対側の壁に激突した。
そのまま部屋に踏み込んだラディウスは、
「出て来いや。野良犬」と大声を上げながら、腰の大剣を抜いて、上から下へと一文字に斬り落とした。
同時に、3階の奥の部屋からガタンと、何かが倒れる大きな音がした。
3階の奥の部屋にいたボスは、目の前の大きな机が、いきなり真っ二つになって倒れたことに驚いて、声も出せなかった。
「早く降りてこねえと、次は、股にぶら下がってるやつを、真っ二つに、ぶった斬るぞ」と、ラディウスが再び大声を上げた。
直ぐに、
「まっ、待ってくれ。い、今、降りていく。早まらないでくれ」と、悲鳴を上げながら、上の方でドタバタする音が聞こえると、1人の男が階段を駆け降りて来た。
その男は、転がるようにしてラディウスの前まで来ると、
「ラディウスの旦那、ひでえじゃないですか。俺の体面も考えてやって下さいよ」
と、息を切らしながら懇願する。
ラディウスは、
「お前の体面なぞ、知ったことか」と、手に持つ大剣をその男の頬に突きつけ、
「身寄りのないガキを集めてこい。100人だ。足りなけりゃ、攫ってでも数を揃えろ」
「へっ、攫ってもいいんですかい」とボスが驚いていると、
「足りなけりゃと言っただろう。死にたいのか」と、ギャングのお株を奪うような脅しを掛ける。
「わ、分かりましたから剣を退けてくだせえ」とボスが下手に出る。
ラディウスは、ここで、ようやく剣を腰に納めた。
「おい、野良犬。椅子を持って来させろ」とボスに命令する。
「ラディウスの旦那。野良犬は酷いですぜ。せめてガルムと呼んで下せえ」
「お前なんざ、野良犬で充分なんだよ。早く椅子を持ってこい」
「分かりやした」
ガルムと名乗ったスラムのボスは、手下に向かって、
「おい、この旦那方に椅子を用意して差し上げろ。ボヤボヤするな」と怒鳴った。
ギャングの手下が運んで来た椅子に、ラディウス達は腰を下した。
「おい、酒を持ってこい」とガルムが手下に命令し、手下達は、小型のテーブルと酒や食べ物を運んで来て、ラディウス達の前に並べ始めた。
しかし、ラディウス達は、誰も酒に肴にも手を出さない。
「毒は入ってねえですよ」とガルムが勧めるが、無視された。
気不味い沈黙が支配したまま時間が過ぎ、ボスの家の前に子供達が集められつつあった。
「今、何人だ?」とガルムが外に出て来て確認する。
「80と、ちょっとです」
「もうちょっとか。他の地区からも集めろ」
ガルムは、そのまま家の中には戻らずに、外で待ち始めた。
家の外に集められた子供達は、荷台が大きな木箱のようになっている荷馬車に、次々と詰め込まれていく。
さらに子供が20~30人集められて、全員が4台の荷馬車に押し込まれていく。
どの子も、怯えて泣き顔になり、中には引き付けを起こしている子もいる。泣き始めた子供もたくさんいたが、無情にも木箱の扉が閉じられた。
そこに、ラディウス達が出て来た。
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