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冥界結界
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その後、俺達は3頭の馬に分乗してクラガシアを目指していた。
俺と同じ馬に乗っているアンテローヌが、
「フスタール同盟についてご説明しましょうか?」と言ってきたので、
「頼む」と答えた。
「フスタール同盟は、ローザリア王国が王国成立初期に併合した、沿岸部に独自の勢力を持っていた貴族達です。ローザリア王国の大貴族は20貴族家ですが、そのうちの8貴族家、王国の3分の1にもなる大勢力です」
「沿岸部に独自の勢力を持っていた貴族達か。それで、海賊とも繋がっているわけか?」
「その通りです。元々、海賊の一員でしたから、貴族となってからも海賊と繋がっており、海賊達の後ろ盾としても有名です」
「それで、同盟の構成は、どうなっている?」
「トラディション伯爵家を盟主として、北東の沿岸部にロデリア辺境伯家とアグニッサ侯爵家、ゼネーブ川北岸の中流にエルトローレ伯爵家、下流にゴーデン侯爵家、東部の沿岸部にライオット伯爵家とエズランド子爵家、南東の沿岸部にエルヴィラ伯爵家、以上がそれぞれの勢力圏です」
「トラディション伯爵家は、沿岸部の貴族じゃないだろう。何故、その貴族家が盟主なんだ?」
「トラディション伯爵家も、元は沿岸部の貴族でしたが、内陸に移封されたと聞いています。ですが、その理由は分かりません。恐らく、今となっては、関係者以外の者には分からないでしょう」
夕方になり、適当な場所を野営地と決めて馬を降りた。
ここで冥界結界を試すことにした。
「ちょっとした実験をするから、このまま待っていてくれ」
俺は皆にそう伝えると、スキルの冥界結界を意識した。すると、ステータスボードにサブ画面が現れた。
冥界結界
可動or固定
と表示されている。そこで、冥界結界と念じると、俺を中心に半径5メートル位の透明のドームが現れて、俺達を包み込んだ。ドームの半径は5メートルから2メートルの範囲で自由に出来るが、2メートルより小さくならなかった。
俺がドームを見上げていると、
「何を見ているんですか?空に何か?」とアリシアが聞いてきた。
「えっ?このドームが見えないのか?」と聞くと、
「何も見えませんけど」とアンテローヌ。
俺が皆の顔を見ると、
「私達にも何も見えないけどね」と、オーリアとクレラインとルビーも首を横に振った。
「何が見えているんですか?」と、シモーヌが不満そうに口を尖らせる。
どうやら、このドームが見えるのは俺だけのようだ。
「ドームって何のことですか?」
「いったい、何をしているんですか?」
と、皆が口々に聞いてくるので、
「冥界結界というスキルが生えたから試しているんだ」
「結界のスキルが生えたんですか?」とシモーヌ。
「でも、見えないんですね」とアンテローヌ。
サブ画面では、移動と固定が選択でき、今は移動が点滅しており、俺が数歩移動すると、俺を中心にドームも移動した。
次に、固定を選択すると、俺が動いてもドームは移動せず、ドームの外へ出ることも出来た。ドームから出てもドームの位置は固定した位置で維持されていた。
俺自身は自由に出入り出来たが、俺以外の者は、最初から入っていた者はそのまま出ることが出来ても、入るときには、俺がいちいち許可をしないと入れないことが分かった。
そして、外からどう見えるかということだが、俺以外には、見ることも触れることも出来ないということが分かった。
試しに俺だけがドームに入ると、俺の姿は、ドームに入った時点で空中に搔き消えたように見えるということだった。
ドームの外から石を投げたり、魔法で攻撃したりしても、そこにはドームが無いように石や魔法攻撃が、そのまま飛んで行く。逆に、内部から矢を射たり、魔法を撃ったりして、内側に居ながら、ドームの外を攻撃することが出来た。
どうやら、ドームはそこに存在しているのではなく、俺自身が別の次元に転移しているのを、ドーム状の結界と認識できるように調整されたスキルのようだ。内側から攻撃も、おそらく転移しているのだろう。
一度結界を呼び出すと、消去するまで消えないが、内部に物を置いておくと、消去したときに消失してしまう。ラノベに出てくるアイテムボックスやマイルームのような使い方は出来なかった。
ただし、夜は、結界の中でキャンプを張れば、魔物や盗賊を警戒せずに眠ることが出来るので嬉しかった。
改めて皆で結界に入り、食事をした後、現状について相談した。
「皆、聞いてくれ。尾根下の戦場跡で、アンデッドを消した後、俺は冥界に行っていた。いや、行ったというより、召喚されたという感じかな」
「冥界に、ですか?」とアンテローヌ。
「そこで、穢れの女王が冥界に戻る前に、この世界に8つの穢れを撒いていったと聞かされた。そして、その穢れの根が冥界にあるから、それを倒せと言われて、5つ迄は倒した。今回の内戦が、フスタール同盟の反乱だとしたら、8貴族家と8つの穢れで、数がぴったり合う。反乱の原因は、間違いなく8つの穢れだろう。穢れの5つは冥界で倒したから、5つの脅威は消えたと考えていい。残りは、倒せなかった3つの穢れだ。それが、どの貴族家に憑りついているのか、それを調べなければならない」
「王国の内戦の様子は、既に使い魔を放っていますので、数日のうちに様子が知れると思いますよ」とアンテローヌ。
「私達の使い魔も、様子を報せて来る筈です」とアリシア。
「使い魔なんて、いつ放ったんだ?」と聞くと、
「今度、教えて差し上げます」と、アンテローヌにもアリシアにも、はぐらかされた。
さすがに彼女達は貴族だから、俺の知らない奥の手をいろいろ持っているのだろう。彼女達は俺の味方だと宣言している以上、それを信じることにして、詮索するのは止めた。
「穢れは人間には止められないから、3つの貴族家は勝ち進むはずだ。俺が、その貴族家を潰さないといけないな」と気を引き締めた。
俺と同じ馬に乗っているアンテローヌが、
「フスタール同盟についてご説明しましょうか?」と言ってきたので、
「頼む」と答えた。
「フスタール同盟は、ローザリア王国が王国成立初期に併合した、沿岸部に独自の勢力を持っていた貴族達です。ローザリア王国の大貴族は20貴族家ですが、そのうちの8貴族家、王国の3分の1にもなる大勢力です」
「沿岸部に独自の勢力を持っていた貴族達か。それで、海賊とも繋がっているわけか?」
「その通りです。元々、海賊の一員でしたから、貴族となってからも海賊と繋がっており、海賊達の後ろ盾としても有名です」
「それで、同盟の構成は、どうなっている?」
「トラディション伯爵家を盟主として、北東の沿岸部にロデリア辺境伯家とアグニッサ侯爵家、ゼネーブ川北岸の中流にエルトローレ伯爵家、下流にゴーデン侯爵家、東部の沿岸部にライオット伯爵家とエズランド子爵家、南東の沿岸部にエルヴィラ伯爵家、以上がそれぞれの勢力圏です」
「トラディション伯爵家は、沿岸部の貴族じゃないだろう。何故、その貴族家が盟主なんだ?」
「トラディション伯爵家も、元は沿岸部の貴族でしたが、内陸に移封されたと聞いています。ですが、その理由は分かりません。恐らく、今となっては、関係者以外の者には分からないでしょう」
夕方になり、適当な場所を野営地と決めて馬を降りた。
ここで冥界結界を試すことにした。
「ちょっとした実験をするから、このまま待っていてくれ」
俺は皆にそう伝えると、スキルの冥界結界を意識した。すると、ステータスボードにサブ画面が現れた。
冥界結界
可動or固定
と表示されている。そこで、冥界結界と念じると、俺を中心に半径5メートル位の透明のドームが現れて、俺達を包み込んだ。ドームの半径は5メートルから2メートルの範囲で自由に出来るが、2メートルより小さくならなかった。
俺がドームを見上げていると、
「何を見ているんですか?空に何か?」とアリシアが聞いてきた。
「えっ?このドームが見えないのか?」と聞くと、
「何も見えませんけど」とアンテローヌ。
俺が皆の顔を見ると、
「私達にも何も見えないけどね」と、オーリアとクレラインとルビーも首を横に振った。
「何が見えているんですか?」と、シモーヌが不満そうに口を尖らせる。
どうやら、このドームが見えるのは俺だけのようだ。
「ドームって何のことですか?」
「いったい、何をしているんですか?」
と、皆が口々に聞いてくるので、
「冥界結界というスキルが生えたから試しているんだ」
「結界のスキルが生えたんですか?」とシモーヌ。
「でも、見えないんですね」とアンテローヌ。
サブ画面では、移動と固定が選択でき、今は移動が点滅しており、俺が数歩移動すると、俺を中心にドームも移動した。
次に、固定を選択すると、俺が動いてもドームは移動せず、ドームの外へ出ることも出来た。ドームから出てもドームの位置は固定した位置で維持されていた。
俺自身は自由に出入り出来たが、俺以外の者は、最初から入っていた者はそのまま出ることが出来ても、入るときには、俺がいちいち許可をしないと入れないことが分かった。
そして、外からどう見えるかということだが、俺以外には、見ることも触れることも出来ないということが分かった。
試しに俺だけがドームに入ると、俺の姿は、ドームに入った時点で空中に搔き消えたように見えるということだった。
ドームの外から石を投げたり、魔法で攻撃したりしても、そこにはドームが無いように石や魔法攻撃が、そのまま飛んで行く。逆に、内部から矢を射たり、魔法を撃ったりして、内側に居ながら、ドームの外を攻撃することが出来た。
どうやら、ドームはそこに存在しているのではなく、俺自身が別の次元に転移しているのを、ドーム状の結界と認識できるように調整されたスキルのようだ。内側から攻撃も、おそらく転移しているのだろう。
一度結界を呼び出すと、消去するまで消えないが、内部に物を置いておくと、消去したときに消失してしまう。ラノベに出てくるアイテムボックスやマイルームのような使い方は出来なかった。
ただし、夜は、結界の中でキャンプを張れば、魔物や盗賊を警戒せずに眠ることが出来るので嬉しかった。
改めて皆で結界に入り、食事をした後、現状について相談した。
「皆、聞いてくれ。尾根下の戦場跡で、アンデッドを消した後、俺は冥界に行っていた。いや、行ったというより、召喚されたという感じかな」
「冥界に、ですか?」とアンテローヌ。
「そこで、穢れの女王が冥界に戻る前に、この世界に8つの穢れを撒いていったと聞かされた。そして、その穢れの根が冥界にあるから、それを倒せと言われて、5つ迄は倒した。今回の内戦が、フスタール同盟の反乱だとしたら、8貴族家と8つの穢れで、数がぴったり合う。反乱の原因は、間違いなく8つの穢れだろう。穢れの5つは冥界で倒したから、5つの脅威は消えたと考えていい。残りは、倒せなかった3つの穢れだ。それが、どの貴族家に憑りついているのか、それを調べなければならない」
「王国の内戦の様子は、既に使い魔を放っていますので、数日のうちに様子が知れると思いますよ」とアンテローヌ。
「私達の使い魔も、様子を報せて来る筈です」とアリシア。
「使い魔なんて、いつ放ったんだ?」と聞くと、
「今度、教えて差し上げます」と、アンテローヌにもアリシアにも、はぐらかされた。
さすがに彼女達は貴族だから、俺の知らない奥の手をいろいろ持っているのだろう。彼女達は俺の味方だと宣言している以上、それを信じることにして、詮索するのは止めた。
「穢れは人間には止められないから、3つの貴族家は勝ち進むはずだ。俺が、その貴族家を潰さないといけないな」と気を引き締めた。
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