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第13章船内戦

船内戦#11

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次の朝、物音で目が覚めた。

「なんだいなんだい!騒がしいねぇ」

日に日に優の人格が、破綻していくのが自分でも分かったが、気にしなかった。

「あら!起こしちゃったかしら、ごめんね!これを見て頂戴!」

それは、なんの変哲も無い防弾ジョッキだった。

「なんだい!それは、何か秘密が隠されているのかい?」

「ふふっ、それはトーナメントで披露してあげるわ、優君なんかに負けるものですか」

辺りに散らばってる物を見ると、何となく想像出来たが、優は見なかった事にした。

「皆様!おはようございます!長い長い準備期間、皆様は何をなさっていたでしょうか?本日最終試験を行います、ルールは簡単!制限時間は1時間、相手を試行錯誤し、黙らせるだけです!沈黙が10秒続いたら、それで勝ちなのです!ただし相手を死に至らしめた場合は失格と見做し、永久凍結されますのでお気をつけくださいまし、それでは、集会所に皆様が集まり次第、試験開始致しますのでお急ぎ下さい」

細かいルールが今になって知らされ、2人はあたふたした。

「相手を黙らせればいいのね、ならアレが効きそうねふふっ」

「花子さん何独り言、言ってるの?早く行くよ」

遂に始まる最終試験、この試験に合格した者だけが火星へ降り立つ事が出来るんだ…続く
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