上 下
104 / 341
第13章船内戦

船内戦#19

しおりを挟む
控え室に戻った2人は、次の試合に備えてウォーミングアップしていた。

「さっ!次は私の出番よ、応援頼むわよ優君!」

試合を終えた選手達は、特別室が用意され、控え室は寂しい感じが広がっている。

「さぁ!一回戦最後の試合になります!観客席の皆んな盛り上がってますかー?」

「わぁぁ!ピーピー!ちょっと触んないでよ!」

「只今より第5試合売れない女優花子選手対ニット帽のカロン選手の試合を開始します!両者前へ!お互い握手を交わしてファイティングだ!」

「さぁ始まりました、前回のゴットハンドのムート選手は凄かったですねぇ、最後まで縺れて残念な結果でした」

「相手選手の意表を突いたあの攻撃は、ヤバスでしたね、さてこの試合ですが、プロフィール見ると売れない女優とニット帽ですか、ほぅ言葉を失うほどノーマルな試合ですね!これもまた良しとした所ですか」

「両者睨み合い、一歩も動けなぁい!さぁ初手は、どちらになるでしょうか?」

会場が静まるほどの沈黙が5秒ほど続き、両者失格かと思われたその時、試合が動き始めた。

「おっと!カロン選手動いたぁぁ!」

「わいは、この日の為に山で修行したで、わすの動きについてこれるガヤ」

独特の口調で話すカロンは、その身軽さで花子を困惑させた。

「うひょひょ!見よこの動きよ、山で10年、川で5年わすに敵う奴なぞおらんガヤ」

だが花子は冷静だった、おちょくるカロンに対し微動だにしない花子を見てカロンは、少し焦りを覚えた。

「なんじゃい御主は、わちゃの動きに怖気付いたのガヤ?」

花子はニタァと笑うと一言呟いて会場を後にした。

「貴方、もう負けてるわよ」って

次の瞬間、カロンは倒れ込み気絶した、審査員、観客は、何が起こったか分からず、只々唖然とするしか無かった。

「何が起きたのでしょう!花子選手、一切手を汚さず勝利を勝ち取りました!準決勝は、明日行います!勝ち抜いた選手の皆様、身体を休め試合に望んでください!」

こうして一回戦が終わった、勝ち抜いた選手は優、デトー、ギール、花子、個性溢れるメンツが是揃った!果たして決勝に進出するのは誰になるのだろうか…続く
しおりを挟む

処理中です...