322 / 341
最終章帰還
帰還#12
しおりを挟む
カーテンの隙間から差す木漏れ日が、優を照らし影が現れる、その影は見る見る内に実体化し動き出す。
「うーん狭っ苦しい、お前の影は実につまらん、前の影は実に良かった、今日もアレやるか?お前好きだもんなアレ…」
仲良さげに話すもう1人の僕だったが、その気持ちとは裏腹に、優は影が怖かった、逆らえば自分が影にされてしまうからだ。
「早く手を出せ、これが欲しいんだろ?馬鹿だよ本当に…」
手渡したのは、兎の糞の様に丸い物だった。
「あはは、いつもありがとう、これがないと震えが止まらないんだ…あはは」
幼い優には、それが何かなど分かるはずがなかった、影はベッドに座り、その様子を不敵な笑みで見つめている。
「どうだ美味いか?今日のは調合を少し変えて見たんだ、よりハイになれる様にな…」
こんな生活がしばらく続きある日、予期せぬ事態が起きる。
階段を駆け上がる音「ドドドッ!」
お勤めが思いのほか早く終わった母は、久しぶりに優と話そうと、急いで帰って来たんだ。
「ザッ!優!はや…え?」
母は目を疑った、其処に居たのは母の思い描く光景とは全く違うものだった、言葉を失った母は、何も言わず扉を閉めてしまったそうな…続く
「うーん狭っ苦しい、お前の影は実につまらん、前の影は実に良かった、今日もアレやるか?お前好きだもんなアレ…」
仲良さげに話すもう1人の僕だったが、その気持ちとは裏腹に、優は影が怖かった、逆らえば自分が影にされてしまうからだ。
「早く手を出せ、これが欲しいんだろ?馬鹿だよ本当に…」
手渡したのは、兎の糞の様に丸い物だった。
「あはは、いつもありがとう、これがないと震えが止まらないんだ…あはは」
幼い優には、それが何かなど分かるはずがなかった、影はベッドに座り、その様子を不敵な笑みで見つめている。
「どうだ美味いか?今日のは調合を少し変えて見たんだ、よりハイになれる様にな…」
こんな生活がしばらく続きある日、予期せぬ事態が起きる。
階段を駆け上がる音「ドドドッ!」
お勤めが思いのほか早く終わった母は、久しぶりに優と話そうと、急いで帰って来たんだ。
「ザッ!優!はや…え?」
母は目を疑った、其処に居たのは母の思い描く光景とは全く違うものだった、言葉を失った母は、何も言わず扉を閉めてしまったそうな…続く
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
5
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる