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21話~古代遺跡~
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~古代遺跡~
ちょうどシャワーから戻ってきたヴァロンタンが「ん?」と声を上げ、窓際へ駆け寄る。
その声に、室内の視線が一斉に集まった。
「え? 殿下?」
髪からしたたる水滴をタオルで拭いながら、ヴァロンタンは「アペリオ」と呪文を唱え鍵を外し、窓をぐいっとスライドさせるように持ち上げて言った。
「どうしたんですか?」
「セレスを呼んでくれ」
聞こえているし、見えている。
俺は靴を履いて寝台から立ち上がり、皆の注目を一身に受けつつ窓辺へと歩み寄る。
「何してるんですか、リシャール?」
「ちょっと、外に出れないか」
声は真剣だが、急いているようにも感じられる。
「外出禁止ですよ」
「知っている」
「見つかったら、今度こそ謹慎食らいます。俺は嫌です」
「そんなものは黙らせる。まあ、来る途中、ここの隊士たち何人かとすれ違い声をかけられたが、私のことは見なかったことにしてくれと言うと見逃してくれたぞ?」
おいおい、お立場乱用かよ。全く。
……ていうか、
どうして殿下の顔が、窓から見えているんだ?
この部屋は一階だが、砦の構造上、地面から床までが高く造られているため、外からだと窓の位置は人の背丈より上にある。脚立か竹馬にでも乗ってんのかよ、この王太子は……、と考えながら、胸の内で微かな不安が跳ね回るのを感じつつ、窓外へ、そっと顔を出してみると――、
月明かりの下、黒々とした大きな影が待っていた。ヴァルカリオン。その逞しい背に跨り、金の髪を風に揺らす殿下が俺を見ている。
「どっから、この馬、持って来た!?」
「セレス、声が大きいぞ」
「びっくりしたら、声も大きくなるでしょう!」
「今回の課外授業に参加している騎士のヴァルカリオンだ。厩舎に居たので、乗って来た」
「答えになってません! 勝手に持ち出して来ちゃダメです」
「名はカザンという。普段はとても大人しく人懐っこい個体だから、儀式にも頻繁に重用され、何度も乗ったことがある。ところで、馬に対しても知り合いだとか、顔見知りとか言うのかな、セレス?」
「知りませんよ!」
リシャールは微かに口元を緩め小首を傾げる。
「だから、セレスも落ち着いて乗れるはずだ。来い。少し話がしたい」
この男、人の言うこと、聞いちゃいねぇ!
「ああ、もう。全然、引かないんだから、あなたは!」仕方なく、俺は窓枠に足をかけ、そっと体を持ち上げる。「直接、ここからヴァルカリオンに飛び乗ると負担になるので、一旦、地面に飛び降ります」
「ヴァルカリオンは、それほど軟ではない。人の言葉もある程度、理解する。下手に遠慮した扱いをすれば、かえって不興を買うぞ。自身の強さにプライドを持つ騎獸だ」
月明かりに照らされるヴァルカリオンの背を見下ろす。リシャールは、タンデムサドルの後ろに腰を下ろし、前の鞍を俺にすすめてきた。
「なんで俺が前なんですか」
「ルクレールのときも、そうやって乗っていただろう」
なに、ムスッとした顔して頬を膨らませてんだよ。受け殿下のときは可愛かったけど、攻め殿下がやっても可愛く……、まあ、可愛いか。神レベルで顔が良いって、凄いな。
「彼と一緒に乗ったのは、訓練ですから……」
「乗れ」
手を差し伸べてくるリシャールに、俺は少しためらったあと、諦めた。
「分かりました」
「よし」
「話が終わったら、馬、ちゃんと返しに行きますからね。あと、直ぐ部屋に戻してくださいよ」
「善処する」
リシャールに支えられ、俺はヴァルカリオンの背に腰を下ろす。
そのとき、ヴァロンタンが窓から少し身を乗り出して言った。
「枕で人型作って、セレスが寝ているみたいに見せておくよ」
思わず苦笑する。けれど、そんな気遣いにどこか心がほっとした。
部屋の中から俺を見送る水属性の仲間たちの視線は、決して軽薄に冷やかすようなものではなく、どちらかと言えば、気の毒そうな……、寧ろ、可哀そうな子を見るような目だった。
そりゃ、今のやり取り聞いていたら、誰も逢瀬だとか、ランデブーとは思わないもんな。
「ここの鍵は開けておくから」
ヴァロンタンの言葉に、俺は無言で頷く。
リシャールが軽く右手で手綱を引き、踵を馬体に当てると、ヴァルカリオンは方向を変えて静かにどこかへと向かって歩き出した。
「こっちに薬草畑がある」
殿下が耳元で静かに囁く。
父王と共に、彼は何度も砦を視察したことがあるはずだ。そんなリシャールにしてみれば、ここは馴染みの深い場所なのだろう。
月明かりの下、石畳の道を進むと、低い生垣がぼんやりと浮かぶ。
その先に目を向けると、薬草畑が広がり、奥に小さなガゼボが見えた。
「着いたぞ、セレス」
ヴァルカリオンが歩みを止めると、リシャールは先に降りてから軽く俺の腰に手を添え、鞍から降ろしてくれた。
「カザン、待っていてくれ」とヴァルカリオンに声をかけてから、「セレス、あそこに座ろう」とリシャールが俺の手を取り、ゆっくりと歩を進める。
それから俺たちはガゼボの中に入り、隣合わせに腰を下ろした。未だ肌寒い夜気に混じって、青い草の匂いが鼻をくすぐる。
リシャールは少し息を整えるように目を伏せ、やがて低く言った。
「先ずは、謝罪させてほしい」
「……謝罪?」
何のことかと、俺は眉を寄せる。
殿下は横顔をわずかに固くし、ゆっくりと口を開いた。
「ルクレールが、セレスに興味を持ったのは……私のせいだ」
唐突な言葉に、思わず眉を顰める。
「……どういうことですか?」
俺の問いに、リシャールは淡々と続けた。
聞けば、彼は、かつてルクレールの指導を受けていた子供の頃、剣や勉学の話題を俺――というか、セレスタン本体と結びつけ、ルクレールに語って聞かせていたのだという。
「セレスはもうこの本を読んで知っていた、セレスは未だ加護を受けていないのに氷が作れる……、と、ことあるごとにお前のことを話していた」
俺は、苦笑に似た声を漏らした。
そんなこと、「別に謝ることではないでしょう」と俺が言うと、リシャールはかたくなに首を横に振る。
「でも、ルクレールが俺に興味を持ったとしたら、……俺の『光属性』のせいだと思いますが?」
「それは、結果にすぎない。きっかけを作ったのは私だ」
大げさな……と、俺は思ったが、リシャール本人は至極真剣だった。
「子供の頃だけじゃなく、最近も……、今まで、私は君よりほんの少し背が低く、華奢で、並んで立つとどうしても劣って見えた。それがずっと、私の中で引っかかっていた。学院に入学する前、短期間だったが、剣と弓を含めた武術の指導をルクレールから集中的に受けた。ガーゴイルの件は想定外だが、学院では、今回のように危険を伴う行事も少なくない。私は、……大切な友人を守れる男になりたかった」
その『友人』という響きに、胸の奥が妙にざわめく。
月明かりに揺れるリシャールの眼差しは、ただの友情と呼ぶには、どこか熱を帯びすぎている。
「私は、セレスから見て、王子としてではなく、また、友以上の……頼られる存在になりたかったんだ」
リシャールは声を荒げるでもなく、ただ淡々と告げる。
けれど――殿下、あなたは気付いていないのかもしれないが、それってもう告白と同じじゃないか。
真っ直ぐな眼差しに射抜かれて、なにも言えず、俺はうつむくことしか出来なかった。
「だからこそ、この半年、背が伸びたことを機に、武道を極めようとした。君と並んでも、引けを取らない男になりたかった。それを全て彼に伝え、協力してもらった」
俺はその言葉に驚き、思わず顔を上げてまじまじと殿下を見た。
……いや、ちょっと待って。
華奢で、はかなげで、麗しい『受け殿下』を『攻め殿下』へと変えた張本人って……、
ルクレール、お前だったのか。
物語の基礎が崩壊しちまったじゃないかよ!
ほんの一瞬、俺の胸に、ルクレール・シャルル・ヴァロワ騎士に対する黒い殺意が芽生えた。
リシャールは視線を落とし、俺の驚きをよそにゆっくりと言葉を探すように続けた。
「君がどれほど美しくても……、それを私が彼にどれほど伝えても、……ルクレールがお前に心を寄せるはずがないと、ずっと信じていた。我々王族に、公務ではなく私的に近付く者の多くは、子供でさえ親の思惑に操られ打算を抱えている。だがセレスは違った。純粋に、真摯に向き合ってくれる……心までも美しい。それを彼に話しても、そんなお前でも、ルクレールがセレスに惹かれる理由は見当たらないと思っていたのだ。
――あの男は……本当に、女性にしか興味を示さないから」
リシャールは視線を上げ、ためらいのない声音で言い切った。
「そこに何か理由でも?」
「それは……、少し話は長くなるが、実は、彼は魔眼のせいで、生まれてすぐの頃から顔に半面をかぶせられ塔の中で育った」
「え……?」
その言葉に俺の心臓が大きく跳ねた。
塔に閉じ込められた少年。
……まさか。
原作に出てきたあの名を、思わず心の奥で呼んでしまう。
やはり、ルクレールが――赤い髪のルークなのか。
リシャールの声が、夜気に沈む。
「左目に宿ったその魔眼を抑え込むため、面には強力な封印の術式が刻まれていたが……魔眼ゆえに完全に押さえ込むことはできなかった。その面には、右目の部分だけ穴が開けられ、わずかに外が見られるようになっていた」
俺は思わず息を呑む。
面を付けられ、閉じ込められ、狭い窓から世界を見続けた幼少期――想像するだけで、胸が冷たくなる。
「当初、彼に接することを許されたのは、ルクレールを溺愛していた母親と、盲目の侍従――彼は、元々は騎士だった。仲間を庇って大怪我を負い、失明と共に退官したが、あまりにも勘が鋭かったので、一年も経たないうちに視力を失っても身の回りのことを一通りこなせるようになっていた。しかも、今まで読んだ本は一字一句忘れず、音読できるという特異な記憶力を持っている――ある種の天才なのだろう。その才を惜しんだ当時の近衛騎士団長が、ヴァロア家に推薦した」
「つまり、魔眼の影響を受けない人物を教育係にしたということですか?」
「そうだ。彼は視力を失いながらも文武に通じ、礼儀も武術も申し分なく教え込んだ」
なるほど。
もとよりヴァロア家は武官の名門。歴史上、武の天才を幾人も輩出してきた血筋。さらに、まるで武のために生を受けたかのような、あの恵まれた体格の良さ――察するところ、
「ルクレールが、魔眼を自ら制御できるようになり、塔を出る頃には既に並の剣士を凌ぐほどの腕前になっていた」
だろうな。
頭の中で、剣を持って彼の前に立つ場面を想像しても、打ち込める隙が、ほぼない。
「それから学院に入る前、人との接し方を学ぶために、頻繁に外に連れ出されるようになり、その時、彼は近衛騎士団長に武道の腕を買われて、私の家庭教師としても迎えられた。幸い、私は始祖の血を引いているため、魔眼に耐性がある――ああ、近衛騎士団長は外縁の王家直系男子で、彼も耐性がある。早い段階でヴァロア家に許可を貰い、忙しい立場の中、時間を作ってはルクレールの様子を見に訪れてくれていた。彼が弓の技術を叩き込んだ。……やがては、侍従と二人で杯を傾けるほどの親交を結ぶまでになったらしい」
「……リシャールも……、その侍従に会ったことが?」
「ある。ボンシャン寮監とオベール警備官と同期か……一つ下か上だったはず……。サロンで月の女神と謳われていたカナードの母方の親戚だ。面差しがよく似ていて……男でありながら、どこか目を惹くものを持っていた」
「ジャン・ピエール・カナード寮監の?」
「そうだ。何も見えていないのに堂々とした立ち居振る舞いで、目を合わせずとも心を見透かされるような人物だ」
リシャールの声には敬意が滲んでいた。
「今は?」
「元近衛騎士団長で現騎士養成所教官の屋敷に執事と言う名目で一緒に住んでいる」
あっ……、これ、"尊い"やつだ……。
「あの閉ざされた塔の中で、彼にとっての救いは母と侍従の存在だったはずだ。母は常に傍らに寄り添い、侍従は武と知を惜しみなく与え、孤独に押し潰されそうな日々を支えていた。だが、その母を失ってから……ルクレールはずっと面影を追い続けている。だからこそ、女性の温もりに異様なまでに傾倒しているのだろう……と、私は思っていた」
リシャールはしばし口を閉ざし、深い沈黙が流れる。
次の瞬間、温かな掌がそっと俺の頬に触れた。思わず瞬きをした俺の瞳を、殿下は逸らさずに真っ直ぐ見つめてくる。
「これが、私がセレスに謝罪しなければならない理由だ」
「何も、謝ってもらうようなことでは……」
「では、私が後悔している理由だ。余計なことを言わなければよかった」リシャールが眉尻を下げ、口元に苦い笑みを浮かべる。「……セレスのことになると、私はどうにも弱いらしい。今、こんなに近くにいるのに、今日、ずっと離れていたときよりも不安になる」
「殿下……」
無意識に口をついて出た呼び方は、どこか一線を引く響きを帯びていた。リシャールの瞳に、かすかな寂しさが揺れる。
「リシャールと呼んでくれないのか」
その声音は、どこか縋るように響いていた。
彼の手を取り、名を呼びたい――一瞬、そんな衝動に胸を突かれた。
だが、それは許されない。
リシャールが想い続けてきたのは、俺が転生してくる前のセレスタンであり、俺の中にあるこの温かな彼に対する感情もまた、本来のセレスタンが抱いていたものだ。
「――突然、入学直後に現れたアルチュールの存在だけでも、私には十分すぎるほどの悩みの種だというのに………」
リシャールの口からその名が告げられた瞬間、俺の身体がわずかに強張る。
頬に触れてたリシャールの掌が、その微細な反応を逃すことなく感じ取っていた。
「セレス、私はナタンほど物わかりが良いわけではない」
「なんの……、ことでしょうか?」
「ナタンは、セレスが幸せであれば、セレスの横に、自分以外の誰か他の者が立つことも受け入れられるらしい」
「……ナタンが、そんなことを?」
思わず俺は問い返していた。
リシャールが小さくうなずく。
「頭の切れる男だ。多分、私たちの中で、一番セレスのことを想っている。……勝てる気がしない。アルチュールにも、ナタンにも、……ルクレールにも」
リシャールは視線を伏せかけて――すぐに俺を射抜くように見返した。
「だが、私はナタンのように潔くはなれない。……セレスが幸せであっても、その隣に他の誰かが立つことを、そう簡単に受け入れられる性格ではない」
その声音は静かだが、抑え込んだ熱を帯びていた。
掌がまだ頬に触れたまま。鼓動が妙に速くなる。
「セレス」
呼びかけとともに、わずかに指先に力がこもる。
「ひとつ、聞かねばならないことがある」
俺は、ごくりと唾を飲んだ。
「――アルチュールと、何があった?」
思わず心臓が跳ねる。
なんてストレートな質問だ。
「アルチュールが今、髪を結んでいるあの紐は、セレスのものだろう?」
夕食のとき、火属性の席と背中合わせに座っていたリシャールの目は、アルチュールの後ろ姿をとらえていたはずだ。俺が使っていた髪紐で、彼が髪を結んでいたことに気づかないはずがない。
殿下の視線がふと俺の髪に移る。
「そして……今、セレスが結んでいるその組紐は、見たことのないものだ。青と銀――贈り物か?」
言葉が出ない。否定すれば嘘になる。肯定すれば、リシャールの瞳の奥に燃えているものに、さらに火を注ぐことになる。
「濃い青……、アルチュールの瞳……、深い碧を帯びた黒だ。そして銀は……セレスの髪。互いの色を編み込んだものだろう。……ガーゴイル討伐のあと、アルチュールが剣の鍛錬に遅れて来た日があったな。学院には、定められた日に街の外商がやって来る。校内の納品所で注文を取り、後日そこへ品を届ける――あのとき、アルチュールは組紐を頼んだのではないか」低く落とされた声。「交換でもしたのか?」
殿下の眼差しが鋭さを増し、熱と不安が滲んでいた。
「――セレス、お前は、アルチュールをどう思っている?」
刃のように鋭い問い。
嘘はつけない。彼は包み隠さず心情を吐露してくれた。
喉の奥がひりつくように乾いて言葉がなかなか出てこないけれど、それでも、リシャールの真剣さに応えなければならないと思った。
「……惹かれていることは、確かです」
吐き出した声は、自分でも驚くほど小さく震えていた。
胸の奥が痛んだのは、その瞬間、あの男の影が頭をかすめたからだ。
なんてやつだ。まだ出会って間もないというのに、人の中にこれほど鮮やかに爪痕を残しやがって。忘れたくても、意識したくなくても、勝手に思い出してしまう。それが苛立たしくて、苦しくて……それでも抗えない。
けれど、その名を口にすることはできなかった。
それを言ってしまえば、何か自分の中の大切なものを取り返しのつかないほど壊してしまう気がしたから。
殿下の掌が、わずかに強く頬を包み込む。
その熱が、心臓の鼓動と同じ速さで脈打っているように思えた――。
ちょうどシャワーから戻ってきたヴァロンタンが「ん?」と声を上げ、窓際へ駆け寄る。
その声に、室内の視線が一斉に集まった。
「え? 殿下?」
髪からしたたる水滴をタオルで拭いながら、ヴァロンタンは「アペリオ」と呪文を唱え鍵を外し、窓をぐいっとスライドさせるように持ち上げて言った。
「どうしたんですか?」
「セレスを呼んでくれ」
聞こえているし、見えている。
俺は靴を履いて寝台から立ち上がり、皆の注目を一身に受けつつ窓辺へと歩み寄る。
「何してるんですか、リシャール?」
「ちょっと、外に出れないか」
声は真剣だが、急いているようにも感じられる。
「外出禁止ですよ」
「知っている」
「見つかったら、今度こそ謹慎食らいます。俺は嫌です」
「そんなものは黙らせる。まあ、来る途中、ここの隊士たち何人かとすれ違い声をかけられたが、私のことは見なかったことにしてくれと言うと見逃してくれたぞ?」
おいおい、お立場乱用かよ。全く。
……ていうか、
どうして殿下の顔が、窓から見えているんだ?
この部屋は一階だが、砦の構造上、地面から床までが高く造られているため、外からだと窓の位置は人の背丈より上にある。脚立か竹馬にでも乗ってんのかよ、この王太子は……、と考えながら、胸の内で微かな不安が跳ね回るのを感じつつ、窓外へ、そっと顔を出してみると――、
月明かりの下、黒々とした大きな影が待っていた。ヴァルカリオン。その逞しい背に跨り、金の髪を風に揺らす殿下が俺を見ている。
「どっから、この馬、持って来た!?」
「セレス、声が大きいぞ」
「びっくりしたら、声も大きくなるでしょう!」
「今回の課外授業に参加している騎士のヴァルカリオンだ。厩舎に居たので、乗って来た」
「答えになってません! 勝手に持ち出して来ちゃダメです」
「名はカザンという。普段はとても大人しく人懐っこい個体だから、儀式にも頻繁に重用され、何度も乗ったことがある。ところで、馬に対しても知り合いだとか、顔見知りとか言うのかな、セレス?」
「知りませんよ!」
リシャールは微かに口元を緩め小首を傾げる。
「だから、セレスも落ち着いて乗れるはずだ。来い。少し話がしたい」
この男、人の言うこと、聞いちゃいねぇ!
「ああ、もう。全然、引かないんだから、あなたは!」仕方なく、俺は窓枠に足をかけ、そっと体を持ち上げる。「直接、ここからヴァルカリオンに飛び乗ると負担になるので、一旦、地面に飛び降ります」
「ヴァルカリオンは、それほど軟ではない。人の言葉もある程度、理解する。下手に遠慮した扱いをすれば、かえって不興を買うぞ。自身の強さにプライドを持つ騎獸だ」
月明かりに照らされるヴァルカリオンの背を見下ろす。リシャールは、タンデムサドルの後ろに腰を下ろし、前の鞍を俺にすすめてきた。
「なんで俺が前なんですか」
「ルクレールのときも、そうやって乗っていただろう」
なに、ムスッとした顔して頬を膨らませてんだよ。受け殿下のときは可愛かったけど、攻め殿下がやっても可愛く……、まあ、可愛いか。神レベルで顔が良いって、凄いな。
「彼と一緒に乗ったのは、訓練ですから……」
「乗れ」
手を差し伸べてくるリシャールに、俺は少しためらったあと、諦めた。
「分かりました」
「よし」
「話が終わったら、馬、ちゃんと返しに行きますからね。あと、直ぐ部屋に戻してくださいよ」
「善処する」
リシャールに支えられ、俺はヴァルカリオンの背に腰を下ろす。
そのとき、ヴァロンタンが窓から少し身を乗り出して言った。
「枕で人型作って、セレスが寝ているみたいに見せておくよ」
思わず苦笑する。けれど、そんな気遣いにどこか心がほっとした。
部屋の中から俺を見送る水属性の仲間たちの視線は、決して軽薄に冷やかすようなものではなく、どちらかと言えば、気の毒そうな……、寧ろ、可哀そうな子を見るような目だった。
そりゃ、今のやり取り聞いていたら、誰も逢瀬だとか、ランデブーとは思わないもんな。
「ここの鍵は開けておくから」
ヴァロンタンの言葉に、俺は無言で頷く。
リシャールが軽く右手で手綱を引き、踵を馬体に当てると、ヴァルカリオンは方向を変えて静かにどこかへと向かって歩き出した。
「こっちに薬草畑がある」
殿下が耳元で静かに囁く。
父王と共に、彼は何度も砦を視察したことがあるはずだ。そんなリシャールにしてみれば、ここは馴染みの深い場所なのだろう。
月明かりの下、石畳の道を進むと、低い生垣がぼんやりと浮かぶ。
その先に目を向けると、薬草畑が広がり、奥に小さなガゼボが見えた。
「着いたぞ、セレス」
ヴァルカリオンが歩みを止めると、リシャールは先に降りてから軽く俺の腰に手を添え、鞍から降ろしてくれた。
「カザン、待っていてくれ」とヴァルカリオンに声をかけてから、「セレス、あそこに座ろう」とリシャールが俺の手を取り、ゆっくりと歩を進める。
それから俺たちはガゼボの中に入り、隣合わせに腰を下ろした。未だ肌寒い夜気に混じって、青い草の匂いが鼻をくすぐる。
リシャールは少し息を整えるように目を伏せ、やがて低く言った。
「先ずは、謝罪させてほしい」
「……謝罪?」
何のことかと、俺は眉を寄せる。
殿下は横顔をわずかに固くし、ゆっくりと口を開いた。
「ルクレールが、セレスに興味を持ったのは……私のせいだ」
唐突な言葉に、思わず眉を顰める。
「……どういうことですか?」
俺の問いに、リシャールは淡々と続けた。
聞けば、彼は、かつてルクレールの指導を受けていた子供の頃、剣や勉学の話題を俺――というか、セレスタン本体と結びつけ、ルクレールに語って聞かせていたのだという。
「セレスはもうこの本を読んで知っていた、セレスは未だ加護を受けていないのに氷が作れる……、と、ことあるごとにお前のことを話していた」
俺は、苦笑に似た声を漏らした。
そんなこと、「別に謝ることではないでしょう」と俺が言うと、リシャールはかたくなに首を横に振る。
「でも、ルクレールが俺に興味を持ったとしたら、……俺の『光属性』のせいだと思いますが?」
「それは、結果にすぎない。きっかけを作ったのは私だ」
大げさな……と、俺は思ったが、リシャール本人は至極真剣だった。
「子供の頃だけじゃなく、最近も……、今まで、私は君よりほんの少し背が低く、華奢で、並んで立つとどうしても劣って見えた。それがずっと、私の中で引っかかっていた。学院に入学する前、短期間だったが、剣と弓を含めた武術の指導をルクレールから集中的に受けた。ガーゴイルの件は想定外だが、学院では、今回のように危険を伴う行事も少なくない。私は、……大切な友人を守れる男になりたかった」
その『友人』という響きに、胸の奥が妙にざわめく。
月明かりに揺れるリシャールの眼差しは、ただの友情と呼ぶには、どこか熱を帯びすぎている。
「私は、セレスから見て、王子としてではなく、また、友以上の……頼られる存在になりたかったんだ」
リシャールは声を荒げるでもなく、ただ淡々と告げる。
けれど――殿下、あなたは気付いていないのかもしれないが、それってもう告白と同じじゃないか。
真っ直ぐな眼差しに射抜かれて、なにも言えず、俺はうつむくことしか出来なかった。
「だからこそ、この半年、背が伸びたことを機に、武道を極めようとした。君と並んでも、引けを取らない男になりたかった。それを全て彼に伝え、協力してもらった」
俺はその言葉に驚き、思わず顔を上げてまじまじと殿下を見た。
……いや、ちょっと待って。
華奢で、はかなげで、麗しい『受け殿下』を『攻め殿下』へと変えた張本人って……、
ルクレール、お前だったのか。
物語の基礎が崩壊しちまったじゃないかよ!
ほんの一瞬、俺の胸に、ルクレール・シャルル・ヴァロワ騎士に対する黒い殺意が芽生えた。
リシャールは視線を落とし、俺の驚きをよそにゆっくりと言葉を探すように続けた。
「君がどれほど美しくても……、それを私が彼にどれほど伝えても、……ルクレールがお前に心を寄せるはずがないと、ずっと信じていた。我々王族に、公務ではなく私的に近付く者の多くは、子供でさえ親の思惑に操られ打算を抱えている。だがセレスは違った。純粋に、真摯に向き合ってくれる……心までも美しい。それを彼に話しても、そんなお前でも、ルクレールがセレスに惹かれる理由は見当たらないと思っていたのだ。
――あの男は……本当に、女性にしか興味を示さないから」
リシャールは視線を上げ、ためらいのない声音で言い切った。
「そこに何か理由でも?」
「それは……、少し話は長くなるが、実は、彼は魔眼のせいで、生まれてすぐの頃から顔に半面をかぶせられ塔の中で育った」
「え……?」
その言葉に俺の心臓が大きく跳ねた。
塔に閉じ込められた少年。
……まさか。
原作に出てきたあの名を、思わず心の奥で呼んでしまう。
やはり、ルクレールが――赤い髪のルークなのか。
リシャールの声が、夜気に沈む。
「左目に宿ったその魔眼を抑え込むため、面には強力な封印の術式が刻まれていたが……魔眼ゆえに完全に押さえ込むことはできなかった。その面には、右目の部分だけ穴が開けられ、わずかに外が見られるようになっていた」
俺は思わず息を呑む。
面を付けられ、閉じ込められ、狭い窓から世界を見続けた幼少期――想像するだけで、胸が冷たくなる。
「当初、彼に接することを許されたのは、ルクレールを溺愛していた母親と、盲目の侍従――彼は、元々は騎士だった。仲間を庇って大怪我を負い、失明と共に退官したが、あまりにも勘が鋭かったので、一年も経たないうちに視力を失っても身の回りのことを一通りこなせるようになっていた。しかも、今まで読んだ本は一字一句忘れず、音読できるという特異な記憶力を持っている――ある種の天才なのだろう。その才を惜しんだ当時の近衛騎士団長が、ヴァロア家に推薦した」
「つまり、魔眼の影響を受けない人物を教育係にしたということですか?」
「そうだ。彼は視力を失いながらも文武に通じ、礼儀も武術も申し分なく教え込んだ」
なるほど。
もとよりヴァロア家は武官の名門。歴史上、武の天才を幾人も輩出してきた血筋。さらに、まるで武のために生を受けたかのような、あの恵まれた体格の良さ――察するところ、
「ルクレールが、魔眼を自ら制御できるようになり、塔を出る頃には既に並の剣士を凌ぐほどの腕前になっていた」
だろうな。
頭の中で、剣を持って彼の前に立つ場面を想像しても、打ち込める隙が、ほぼない。
「それから学院に入る前、人との接し方を学ぶために、頻繁に外に連れ出されるようになり、その時、彼は近衛騎士団長に武道の腕を買われて、私の家庭教師としても迎えられた。幸い、私は始祖の血を引いているため、魔眼に耐性がある――ああ、近衛騎士団長は外縁の王家直系男子で、彼も耐性がある。早い段階でヴァロア家に許可を貰い、忙しい立場の中、時間を作ってはルクレールの様子を見に訪れてくれていた。彼が弓の技術を叩き込んだ。……やがては、侍従と二人で杯を傾けるほどの親交を結ぶまでになったらしい」
「……リシャールも……、その侍従に会ったことが?」
「ある。ボンシャン寮監とオベール警備官と同期か……一つ下か上だったはず……。サロンで月の女神と謳われていたカナードの母方の親戚だ。面差しがよく似ていて……男でありながら、どこか目を惹くものを持っていた」
「ジャン・ピエール・カナード寮監の?」
「そうだ。何も見えていないのに堂々とした立ち居振る舞いで、目を合わせずとも心を見透かされるような人物だ」
リシャールの声には敬意が滲んでいた。
「今は?」
「元近衛騎士団長で現騎士養成所教官の屋敷に執事と言う名目で一緒に住んでいる」
あっ……、これ、"尊い"やつだ……。
「あの閉ざされた塔の中で、彼にとっての救いは母と侍従の存在だったはずだ。母は常に傍らに寄り添い、侍従は武と知を惜しみなく与え、孤独に押し潰されそうな日々を支えていた。だが、その母を失ってから……ルクレールはずっと面影を追い続けている。だからこそ、女性の温もりに異様なまでに傾倒しているのだろう……と、私は思っていた」
リシャールはしばし口を閉ざし、深い沈黙が流れる。
次の瞬間、温かな掌がそっと俺の頬に触れた。思わず瞬きをした俺の瞳を、殿下は逸らさずに真っ直ぐ見つめてくる。
「これが、私がセレスに謝罪しなければならない理由だ」
「何も、謝ってもらうようなことでは……」
「では、私が後悔している理由だ。余計なことを言わなければよかった」リシャールが眉尻を下げ、口元に苦い笑みを浮かべる。「……セレスのことになると、私はどうにも弱いらしい。今、こんなに近くにいるのに、今日、ずっと離れていたときよりも不安になる」
「殿下……」
無意識に口をついて出た呼び方は、どこか一線を引く響きを帯びていた。リシャールの瞳に、かすかな寂しさが揺れる。
「リシャールと呼んでくれないのか」
その声音は、どこか縋るように響いていた。
彼の手を取り、名を呼びたい――一瞬、そんな衝動に胸を突かれた。
だが、それは許されない。
リシャールが想い続けてきたのは、俺が転生してくる前のセレスタンであり、俺の中にあるこの温かな彼に対する感情もまた、本来のセレスタンが抱いていたものだ。
「――突然、入学直後に現れたアルチュールの存在だけでも、私には十分すぎるほどの悩みの種だというのに………」
リシャールの口からその名が告げられた瞬間、俺の身体がわずかに強張る。
頬に触れてたリシャールの掌が、その微細な反応を逃すことなく感じ取っていた。
「セレス、私はナタンほど物わかりが良いわけではない」
「なんの……、ことでしょうか?」
「ナタンは、セレスが幸せであれば、セレスの横に、自分以外の誰か他の者が立つことも受け入れられるらしい」
「……ナタンが、そんなことを?」
思わず俺は問い返していた。
リシャールが小さくうなずく。
「頭の切れる男だ。多分、私たちの中で、一番セレスのことを想っている。……勝てる気がしない。アルチュールにも、ナタンにも、……ルクレールにも」
リシャールは視線を伏せかけて――すぐに俺を射抜くように見返した。
「だが、私はナタンのように潔くはなれない。……セレスが幸せであっても、その隣に他の誰かが立つことを、そう簡単に受け入れられる性格ではない」
その声音は静かだが、抑え込んだ熱を帯びていた。
掌がまだ頬に触れたまま。鼓動が妙に速くなる。
「セレス」
呼びかけとともに、わずかに指先に力がこもる。
「ひとつ、聞かねばならないことがある」
俺は、ごくりと唾を飲んだ。
「――アルチュールと、何があった?」
思わず心臓が跳ねる。
なんてストレートな質問だ。
「アルチュールが今、髪を結んでいるあの紐は、セレスのものだろう?」
夕食のとき、火属性の席と背中合わせに座っていたリシャールの目は、アルチュールの後ろ姿をとらえていたはずだ。俺が使っていた髪紐で、彼が髪を結んでいたことに気づかないはずがない。
殿下の視線がふと俺の髪に移る。
「そして……今、セレスが結んでいるその組紐は、見たことのないものだ。青と銀――贈り物か?」
言葉が出ない。否定すれば嘘になる。肯定すれば、リシャールの瞳の奥に燃えているものに、さらに火を注ぐことになる。
「濃い青……、アルチュールの瞳……、深い碧を帯びた黒だ。そして銀は……セレスの髪。互いの色を編み込んだものだろう。……ガーゴイル討伐のあと、アルチュールが剣の鍛錬に遅れて来た日があったな。学院には、定められた日に街の外商がやって来る。校内の納品所で注文を取り、後日そこへ品を届ける――あのとき、アルチュールは組紐を頼んだのではないか」低く落とされた声。「交換でもしたのか?」
殿下の眼差しが鋭さを増し、熱と不安が滲んでいた。
「――セレス、お前は、アルチュールをどう思っている?」
刃のように鋭い問い。
嘘はつけない。彼は包み隠さず心情を吐露してくれた。
喉の奥がひりつくように乾いて言葉がなかなか出てこないけれど、それでも、リシャールの真剣さに応えなければならないと思った。
「……惹かれていることは、確かです」
吐き出した声は、自分でも驚くほど小さく震えていた。
胸の奥が痛んだのは、その瞬間、あの男の影が頭をかすめたからだ。
なんてやつだ。まだ出会って間もないというのに、人の中にこれほど鮮やかに爪痕を残しやがって。忘れたくても、意識したくなくても、勝手に思い出してしまう。それが苛立たしくて、苦しくて……それでも抗えない。
けれど、その名を口にすることはできなかった。
それを言ってしまえば、何か自分の中の大切なものを取り返しのつかないほど壊してしまう気がしたから。
殿下の掌が、わずかに強く頬を包み込む。
その熱が、心臓の鼓動と同じ速さで脈打っているように思えた――。
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