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閑話 ~ラティルド(レティー)side~
しおりを挟む~ラティルド(レティー)side~
「わぁ~、白雪姫みたいっ!」
きゃっきゃっと思ったよりも近くで聞こえたその声に吃驚しながら振り返る。
「えっと・・・?」
生まれてからこの方、そんなキラキラと輝く様な瞳で見られた事が無かったので思わずたじろいだ。
――・・・僕の生まれ育った場所は獣国の中でも田舎中の田舎な上、他の獣人族から忌み嫌われてこの場所に追いやられた過去持ちの黒狼族の末裔だった。
只でさえ他種族を刺激しない様にひっそりと隠れ住んでいるというのに、生まれ落ちた僕は先祖返りが強く出た真っ黒い毛色に赤い瞳の出で立ちで村中から殺せと声高に叫ばれる位には疎まれていた。
殺されなかったのは父と母が必死に庇ってくれた事と生れ落ちただけの何の罪も無い赤子を殺すのは流石に憚られたからだったという・・・でも、何かしたら直ぐに殺せるように監視は四六時中されれ事が決定された。
僕の所為で父と母は親兄弟達から縁を切られて家も村の外れに移された。
なるべく家から出ないように息を殺して生きる毎日。
只でさえ貧しい環境なのに誰も助けてくれないどころかたまに石を投げつけられる日々に限界を感じ、3人で思い切って国自体から逃げ出す事に。
走って、走って、走って・・・逃げた先でも黒狼族は悪い意味で有名過ぎて定住出来なくて点々と各地を移動する中偶々父が酒場で辺境の田舎で開拓民を募集しているという噂を拾ってきたのでソコに一縷の望みを掛けてやって来た先で僕は運命と出会ったんだ。
「しらゆきひめ??」
知らない言葉だったけど彼の表情から多分良い例えなんだろうと予測して意味を尋ねてみた・・・ら。
「うん!黒檀の様に美しい髪の毛に、透き通る様な白い肌、そこに映える真っ赤なバラのような唇の世界で一番美しいとされてる物語の御姫様に君って凄くそっくりだったから吃驚しちゃった~!!」
「「「「「・・・・・・・・・」」」」」
さも皆も知ってて当然!みたいな顔でこれ以上言う事無い程のプロポーズ染みた言葉に、それまで微笑ましそうに周りで見守っていた大人達の顔が真っ赤に染まる。
当然僕も真っ赤っかだ・・・顔から火が出そうだよ・・・
「わぁ――・・・」
「無自覚に凄い事言いなさったぁ~」
その子の両親が遠い目で呟く言葉に
無自覚なのっっっ!?
・・・と思ったのは僕だけじゃ無い筈である。
ううう・・・余計に恥ずかしいよっ!
「家の子が本当にスミマセンっ!!」
とぺこぺこ頭を下げる2人を横目に
「僕、ラティルド。君は?」
ぎゅっと彼の手を握る。
「・・・ティ・・・ド??」
上手くラが発音出来ない彼に
「レティーって呼んで」
どうせだからさり気なく愛称呼びに誘導する。
「れてぃー・・・ん、レティーね!僕はメティス。名前ちょっと似てるね」
にこっと微笑む彼に可愛いなぁ~、とひとりごちる。
「本当だね!・・・メティスも開拓地希望の人?」
「うん!レティーも?わぁ~、嬉しいなぁ!!」
頬をピンク色に染め上げてその場でぴょんぴょんと飛び跳ねるメティスに
うん。もう逃がしてあげられないかな。
僕は密かに彼を運命の人に定めた。。
その決意が僕の両親にも伝わったみたいで、苦笑いでぺこぺこ返しを行っている。
初めての友達だ~!とはしゃぐ彼に、まあまだ今はそれで良いかとひとりごちる。
開拓地は土地は貰えるけど一から自分達で全て立ち上げていかなければならないからかなり厳しい環境下に置かれる事になる。
だから立ち上がるまでは税金が無料で最低限生きて行く為にご飯も配られるんだ。
それでもキツイから子連れで参加は僕ら2組だけ・・・ライバルは居ない。
ゆっくりじっくり時間を掛けて彼を落としに掛かろうと出発前に色々画策してひっそりとほくそ笑んでいたラティルドだったが、メティスは良い意味で規格外過ぎてそんな余裕が跡形も無く吹き飛ぶ事を彼はまだ露程も知らない。
―――――――――――――――――――――――――――
振り回される未来しか見えない(笑)
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