【完結】転生しました。どうやら今世は男のようです。

潤樹 零

文字の大きさ
15 / 19

閑話 ~領主様(メディルナ様)side~

しおりを挟む



はぁ~~・・・よりにもよって、ウチの若いもんがやらかしやがった・・・。



この街の一般人の出入りは規制を掛けていて中々出来ない様になっている。

まあここに住んでるやつで移動したいなんて奴が今まで居なかったので知る人ぞ知るなルールではあるのだが。

只、この街に派遣要因として来ている文官や兵士などは順繰りで交代して貰っている。家族が別の街に住んで居る奴ばかりだからだ。

でもこの元開拓地、めちゃくちゃ発展しまくったお陰で本拠地の辺境伯爵領とは比べるまでもない程住みやすく、物品も充実しているので1度でもココを訪れた奴は大抵家族を呼びたがって結局移住しちまうんだけどな。

・・・今回そんな中の兵士の1人で独身者。何回かの入れ替え時に余計な情報を仕入れて持ち込み、あろう事かこの街の大いなる貢献者たる賢者殿に喧嘩を売りやがった!

いや、別に彼に直接喧嘩を売ったって訳じゃあなかった。

この兵士の想い人が彼の方の恋人に懸想していて相手の悪評でもって貶めて諦めさせようとした、というのがこの騒動の始まりだ。

個人的な嫉妬もあったと今は本人も十分反省しているのだがこの悪評が街中に予想外に広まってしまい、賢者殿の逆鱗に触れる事となったのだ。

開拓地時にココに居た組の中には賢者殿を侮る輩は存在しないが、ココが普通と思って育ってきた者や途中から移住した者の中には賢者殿の能力に懐疑的な者も多い。

その本人も自分が何をなしてきたのかの自覚が無く言われるがままになっていて、それが余計に相手を助長させる事になっていた事も把握はしていたんだ。

只これまで大きな問題にまでは発展していなかったのであまり良くは無い流れだとは思いつつも放置してしまっていた・・・いつかは、と後回しにしていたのは俺のミスだった。

噂話自体は驚くほど早く収束した。だが今回彼が大いにへそを曲げてしまい

「お前ら許さんっ!」

と今までは彼の好意でこの街限定で発生していなかった特許の使用料が発生。彼のレシピを使用する際は申請及びお金も払わなければならなくなった。(まあこれは今までが異常で普通は払わないといけないものだったんだけどな)

また、今後は新しいレシピも登録しないと言われてしまった・・・レシピを秘匿するのは別に悪い事じゃあ無い。実際黒い砂糖は秘匿されて高値で売られていた訳だし。

だが、彼のレシピはかなり特殊な物が多くて国も彼の動向を気にするほどの物を生み出す人物なのだ・・・

後で後でと放置してしまっていたツケが今ココで如実に回ってきてしまった・・・。


早々に今回やらかしてしまった人たちを集めて現状の話をする。件の兵士は既に処分済み・・・と言っても元の領地に戻しただけだがもうココには2度と戻って来れない。

後辺境伯当主である兄がどう処分するかだが・・・まあもう元の雇い主に丸投げしたんでオレは知らん!私利私欲で本来守るべき民を貶めているので生半可な処罰は受けないだろうとだけ言っておこう。

で、噂に踊らされて彼らに突撃して行ったこいつらだが・・・噂に踊らされたって奴と元々2人のどちらかを憎々しく思っていて攻撃したってやつとの判別が難しいんだよなぁ・・・。

特に賢者殿からの恩恵を理解してない奴らからのヘイト値が高いのが問題なんだよな。

兄と話した結果不穏分子はいっその事別の開拓地へ居を移させるという案が出た、というかほぼそれで決まりだ。


以前から

「もう神童は卒業~、情報は出し尽くしちゃいました~~」

とか嘆いていたのに親の・・・多分元傭兵だったという父親の入れ知恵か、実はダークホース的な情報が秘匿されていた事が発覚したのだ。

彼の父親曰く

「切り札は1つか2つ、持っておくものだろう?」

にやり。

との事。

・・・流石は親子・・・そっくりである。

そりゃあそんなの持てるなら持っていた方が良いに決まっているが、普通は切り札なんてもの持って無い人の方が大半なんだがなぁ~・・・。

で、その切り札ってのがマジで切り札だった訳で。


・・・塩と言ったら岩塩ってのがこの世界の常識だ。

だが賢者殿はまさかの海水から塩を生成出来るらしいのだ。

・・・何処が出涸らしなんだって!?

とつっこみたい気持ちでいっぱいである。


人間には必ず塩が必要不可欠だが、岩塩が採れる場所は限定的で見つけるのも困難。

かと言って育てるなんて事は出来ないし希少では無いものの値段もそれなりに高く、買ったものには混ぜ物(大抵砂)で嵩増しが普通の代物である。

だがもし海水で生成が可能であるのならば、それこそ世界の常識が書き換えられるほどの革命的発見であると言える情報である。

彼がチート魔法と呼んでいるあれは本人が思うほど万能では無い。

1度、実際に出来るところを見ていないと使えないので海水から塩が出来るという情報だけで塩を精製なんて出来ないのだ・・・実際物は試しとやってみたが塩モドキが出来た・・・めちゃくちゃ苦くてエグみのある物体だった・・・。

それに仮に魔法が出来たとしても彼には到底叶わないのを蔑んで他奴らは理解できて無い。

例えばこの街の基礎となっている彼が上下水道と呼ぶもの。この街の基礎部分を作る際、彼に習って配管と呼ばれる水を通す道具は皆で協力して作成をしたのだが俺らは必要な道具を作り彼に言われるままその指示で順次配管を組み合わせて土に埋めていっただけである。

故に上下水道がどういったものかは朧気ながらには理解できているが、どうやってそれらを配置したら使えるかなどの知識が皆無で再現は不可能であると断言出来る。

・・・移動する予定の者たちの中に、この事を理解できている者はいないんだろう。特に文句も抵抗する者も出ずに移動はすんなり完了したのだから。

・・・まあ今回やらかした奴らには新天地にて如何に自分達が無力で考えなしだったかを反省して貰って(反省した所で帰って来れないんだが)後悔しながら生活していけば良いんじゃないかと思っている。


いらん苦労を掛けやがって・・・オレこそ絶対許さんわ!



今は如何に賢者殿に機嫌を直して頂くかの協議で国と兄に睨まれながら連日頭を悩ませる毎日だ。




・・・強者からの催促に心労で禿げそうである今日この頃。(吐血)

しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

捨てられた生贄オメガ、魔王城で極上の『巣作り』始めます!~不眠症の魔王様、私のクッションで爆睡して溺愛モードに突入~

水凪しおん
BL
「役立たずのオメガ」として冷遇され、血も涙もない魔王への生贄として捨てられたリノ。 死を覚悟して連れてこられた魔王城は、寒くて硬くて、居住性最悪のブラック環境だった!? 「こんなところで寝られるか!」 極限状態で発動したオメガ特有の『巣作り本能』と、神業レベルの裁縫スキルが火を噴く! ゴミ同然の布切れをフカフカのクッションに、冷たい石床を極上のラグマットにリフォーム。 すると、不眠症で常にイライラしていた魔王ザルドリスが、リノの作った「巣」のあまりの快適さに陥落してしまい……? 「……貴様、私を堕落させる気か」 (※いいえ、ただ快適に寝たいだけです) 殺されるどころか、魔王様に気に入られ、気付けば城中がリノの虜に。 捨てられた生贄オメガが、裁縫一つで魔王城を「世界一のマイホーム」に変える、ほのぼの逆転溺愛ファンタジー!

身代わり召喚された俺は四人の支配者に溺愛される〜囲い込まれて逃げられません〜

たら昆布
BL
間違って異世界召喚された青年が4人の男に愛される話

人族は一人で生きられないらしい――獣人公爵に拾われ、溺愛されて家族になりました

よっちゃん
BL
人族がほとんど存在しない世界に、 前世の記憶を持ったまま転生した少年・レオン。 獣人が支配する貴族社会。 魔力こそが価値とされ、 「弱い人族」は守られるべき存在として扱われる世界で、 レオンは常識の違いに戸惑いながらも必死に生きようとする。 そんな彼を拾ったのは、 辺境を治める獣人公爵アルト。 寡黙で冷静、しかし一度守ると決めたものは決して手放さない男だった。 溺愛され、守られ、育てられる日々。 だが、レオンはただ守られるだけの存在で終わることを選ばない。 学院での出会い。 貴族社会に潜む差別と陰謀。 そして「番」という、深く重い絆。 レオンは学び、考え、 自分にしかできない魔法理論を武器に、 少しずつ“並び立つ覚悟”を身につけていく。 獣人と人族。 価値観も、立場も、すべてが違う二人が、 それでも選び合い、家族になるまでの物語。 溺愛×成長×異世界BL。 読後に残るのは、 「ここに居場所があっていい」と思える、あたたかな幸福。

悪役令息ですが破滅回避で主人公を無視したら、高潔な態度だと勘違いされて聖人認定。なぜか溺愛ルートに入りました

水凪しおん
BL
BL小説『銀の瞳の聖者』の悪役令息ルシアンに転生してしまった俺。 原作通りなら、主人公ノエルをいじめ抜き、最後は断罪されて野垂れ死ぬ運命だ。 「そんなの絶対にお断りだ! 俺は平和に長生きしたい!」 破滅フラグを回避するため、俺は決意した。 主人公ノエルを徹底的に避け、関わらず、空気のように生きることを。 しかし、俺の「無視」や「無関心」は、なぜかノエルにポジティブに変換されていく。 「他の人のように欲望の目で見ないなんて、なんて高潔な方なんだ……!」 いじめっ子を視線だけで追い払えば「影から守ってくれた」、雨の日に「臭いから近寄るな」と上着を投げつければ「不器用な優しさ」!? 全力で嫌われようとすればするほど、主人公からの好感度が爆上がりして、聖人認定されてしまう勘違いラブコメディ! 小心者の悪役令息×健気なポジティブ主人公の、すれ違い溺愛ファンタジー、ここに開幕!

異世界で聖男と呼ばれる僕、助けた小さな君は宰相になっていた

k-ing /きんぐ★商業5作品
BL
 病院に勤めている橘湊は夜勤明けに家へ帰ると、傷ついた少年が玄関で倒れていた。  言葉も話せず、身寄りもわからない少年を一時的に保護することにした。  小さく甘えん坊な少年との穏やかな日々は、湊にとってかけがえのない時間となる。  しかし、ある日突然、少年は「ありがとう」とだけ告げて異世界へ帰ってしまう。  湊の生活は以前のような日に戻った。  一カ月後に少年は再び湊の前に現れた。  ただ、明らかに成長スピードが早い。  どうやら違う世界から来ているようで、時間軸が異なっているらしい。  弟のように可愛がっていたのに、急に成長する少年に戸惑う湊。  お互いに少しずつ気持ちに気づいた途端、少年は遊びに来なくなってしまう。  あの時、気持ちだけでも伝えれば良かった。  後悔した湊は彼が口ずさむ不思議な呪文を口にする。  気づけば少年の住む異世界に来ていた。  二つの世界を越えた、純情な淡い両片思いの恋物語。  序盤は幼い宰相との現実世界での物語、その後異世界への物語と話は続いていきます。

【土壌改良】スキルで追放された俺、辺境で奇跡の野菜を作ってたら、聖剣の呪いに苦しむ伝説の英雄がやってきて胃袋と心を掴んでしまった

水凪しおん
BL
戦闘にも魔法にも役立たない【土壌改良】スキルを授かった伯爵家三男のフィンは、実家から追放され、痩せ果てた辺境の地へと送られる。しかし、彼は全くめげていなかった。「美味しい野菜が育てばそれでいいや」と、のんびり畑を耕し始める。 そんな彼の作る野菜は、文献にしか存在しない幻の品種だったり、食べた者の体調を回復させたりと、とんでもない奇跡の作物だった。 ある嵐の夜、フィンは一人の男と出会う。彼の名はアッシュ。魔王を倒した伝説の英雄だが、聖剣の呪いに蝕まれ、死を待つ身だった。 フィンの作る野菜スープを口にし、初めて呪いの痛みから解放されたアッシュは、フィンに宣言する。「君の作る野菜が毎日食べたい。……夫もできる」と。 ハズレスキルだと思っていた力は、実は世界を浄化する『創生の力』だった!? 無自覚な追放貴族と、彼に胃袋と心を掴まれた最強の元英雄。二人の甘くて美味しい辺境開拓スローライフが、今、始まる。

処理中です...