水道 実 異世界で悩み行動する

斉藤 太郎

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哲学の道

恋の綱引き

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恋の綱引き


高宮 卓美という男性がいます

彼の家はある会社の後継でその跡継ぎです

二人の女性が何か怖い顔をして話し合っています

なにやら決着が付かないようです、仕舞にじゃんけんが始まりました

何を賭けてじゃんけんをしているのでしょう

何度も延び延びになって繰り返しじゃんけんをやっています





終わりません、口論が始まりました

女A

「あんたが譲りなさいよ、私のほうがよっぽど卓美を愛しているのよ!」


女B

「私の方が先に出会っているのよ、今のうちに譲るのはあんたよ」


女A

「何言ってるのよたった数時間の違いじゃないの、私のほうが相応しいわよ」

また再開したようです





長い口論が終わりました

「「今のうちに謝れって言ってるじゃないの」」


二人同時に言うとなんと髪を二人が引き合い始めました

女A

「痛い痛い早く辞めなさいよ」

女B

「あんたこそ辞めなさいよ、私のほうが相応しいのよ!」

決着が付きませんでした



高宮 卓美君が連れてこられました


二人で引き合いました


高宮 卓美が痛い痛いと我慢しきれず遂に叫びました


その時ハッと女性Aが離してしまいました

それを見た見届け人が女性Aのほうに駆け寄りました


しかし女性Aは帰ろうとしています、負けたと思ったのでしょう

見届け人は引き止めました

「ちょっと待ってくださいまだ用事があります」

女性A

「何の用事があるんですか、もう用事なんか無いでしょうに」


「良いから待っていてください」と引止めに成功しました


女性B

「そうよもうあんな女に用事なんか無いでしょう」


それでも規則だからと二人を並ばせて、結果を告げました


見届け人

「二人の結果を言います、女性Aの勝利です、理由は男性が痛いといったとき
いち早く手を離したのが女性Aだからです、それだけそちらのほうが愛情が
深いということです」


女性B

「どうしてよ、あいつが負けたから手を離したんじゃないの!」

違うのおかしいわよ」


叫んでいましたが審判が決まった以上負けは負けです

悔しそうに女性Bが帰っていきます


宥められているようです、泣いているのでしょうかハンカチを取り出しました




回想しています

春のようです、銀座ジュエリーマキへ男性と二人でと言っても行儀見習いが付いていますが

二人だけの世界に入り込んで付き人には全く気を使っているようには見えません

二人で仲良く数十万円の指輪を予約しています、嬌声をあげて女性が喜んでいます

男性も満更でもなさそうですが、時折暗い顔になります

それと言うのも女性Aと女性Bとどちらにしても問題が無いので、問題が無いため
役員会でも結婚相手が決めきれないのです

結局女性Aと女性B二人共に指輪の購入予約をしてしまいました


夏になりました


行儀見習いを引き連れた全4名が出会いました

女性Aの見習いがさっと携帯電話を取り出して連絡しています

二人で話し合いが始まりましたが、また喧嘩になりました


「あんたが身を引けばいいのよ、私に寄越しなさいよあんたなんかより
彼を100倍幸せにしてあげるわ!」

「何ですって!、私の方がよっぽど相応しいわよあんたなんかと一緒になったら
彼がかわいそうになるわね、きっと不幸で毎日泣いてるんじゃないかしら」


「まあなんて事言うわけ、あたしのほうがよっぽど幸福にしてあげるんだから!」


どちらからともなく

きーっという声が聞こえたと思ったら引っかき合いをしています

二人とも首周りに垂れた血がぽつぽつと付いています

片方は白い服のためより沢山血が付いているように見えます

もう一人はピンクの服のため白ほどは目立ちませんが

同じぐらい血が付いているようです、見習いが呼んだ女性警備員が

やっと追いつきました、「二人とも止めなさい!!」

怒鳴りつけられ仕方なく二人は離れました、しかし睨み合いは続いています

「あんたが諦めなさいよ」

「何言ってるのよ、あんたこそ諦めなさいよ」

またつかみ合いになりそうになりました





「いい加減にしなさーーい!」




女性警備員に叱られ二人のお嬢様は反対方向に歩き出しました


行儀見習いは女性警備員に感謝の言葉を言っています

「度々のご苦労ありがとうございます、これからも宜しく
お願いします」


「いえこれも仕事ですから」そういってなんでも無さそうに
歩き去っていきました


「あんな良い人渡すもんですか!」
そう決心していますが、見習いがいるのを知らないのか
聞かれているとも知らず、口に出しています



帰りに女性Aは自棄食いをして帰りました







回想終わり



女性Bは泣いて帰りました、1年後新しい彼を見つけようと
結婚相談所に登録しました

気が抜けて抜け殻のようだった彼女が息を吹き返し
その父が喜びました









女性Aは行儀見習いの女性と一緒に結婚して(見習いは出席したという意味)

幸福になったそうです。

数年後女性Aの赤ちゃんが生まれたそうです、可愛い赤ちゃんです
先祖帰りで両性具有だそうです、けれども健康にすくすくと育っています、
病気をしても直ぐに治るそうです




その後彼女の見習いは普通のサラリーマンと結婚したそうです


彼女達全員に幸福と平安がありますように





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