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プロローグ
とあるサラリーマンの突然死
しおりを挟む仙山 富士夫(センザン フジオ)
は今残業真っただ中であった、彼は入社20年を数え大ベテランの域にあったが
妻はいるものの地方を転々と飛ばされいつも別居状態、男兄弟に末娘の写真を
見るのがたった一つの楽しみであった
どうしてベテランなのに地方回りなのかと言うと
気が付いたことはすぐにやらないと気が済まない体質で
周囲と衝突してばかりいるからである
上司も悪いのだ
ベテランになれば、お前のアイデアを全面的に採用すると
言ったはずである
しかし、現状を見る限り会社上層部はそういったつもりは全くなさそうである
仙山 富士夫はこう思う
いや日本が平和になったから、ベテラン認定が遅れているだけだ
後2年もすればきっとわかってくれるはずと、今日もモーレツぶりを
発揮していたのである
そうしたらあれもこれも出来るはずだと、月給は普通並みぐらいは
もらっていたが、時々奥さんが強制的に受診させて彼の命を救っていた
しかしその時困ったことに丁度年に一度の受診期間に奥さんの親戚で
不幸や葬儀が立てこみ、しかも精密検査が必要な病気が見逃されていたのに
妻が来ないため仕事に没頭して、急性心不全であっと言う間に
息を引き取ってしまうのだった
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