銀の旋律

福澤賢二郎

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葵が諦めて席を立つ。
「翔平、どうぞ」
あまりに可哀想だ。
「葵、僕の中に入れる?」
「えっ、う~ん、わからない。人の中に入った事ないから」
「やってみる?」
「うん」
葵と僕は向き合う。
「どうすれば良いだろう」
「私だってわからない。翔平がリードしてよ。男の子なんだから」
「えっ?関係ある?」
「関係ある。早く」
葵を抱き寄せる。
僕は葵に触れた。
そのまま、葵と僕は重なった。
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