片想い

桜不知火

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片想い

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こんなにこんなに好きなのに

伝えるのはこわくて、でも誰かに取られてしまうのも怖くて

一緒にいれることがうれしくて、一緒に笑ってくれると安心して

そうしてすぐ調子にのっちゃって、きっと君はそんな気ないのにね

片想いは暴走して、大好きで目が眩んで

君が他の人にも同じ笑顔で笑うのを知らないふりして苦しくて

今日もわたしは片想い、一緒にいれる時間にすがる弱虫な片想い


嘘つきって言葉を飲み込んだ
一緒にいてくれるって言ったのに

でも君を困らせたくないから
いっておいで、楽しんでねって

背中を押す、振り向いてほしいって思いながら

君はいってしまう、ひとりぼっちで手元の灯りをみる
君の楽しそうなつぶやきを見る

よかったねって笑顔を返しながら、手元の灯りはにじんでいる

君にとってわたしはきっとみんなと一緒
その子が特別ってこともきっとないんだってわかっている

でもわたしといるって言ってほしかった
言ったら君は困りながら、でもわたしを選んでくれたかな?

後悔ばかり、いつだって
君に嫌われたくないからいい人でいようって

そんな怖がりの片想い



君にとってわたしはなんだろう
他の人より少し仲のいい友達なのかな

悩みを聞くのがすき、わたしにだけ話してくれるのが嬉しいから

一緒に遊ぶのが好き、わたしの隣で
笑ってくれるから

でも君にとってそれは特別じゃないのかな
わたしにとって特別な日々は



今日もわたしは君に笑いかける
いつかわたしにだけ微笑んでほしくて

君は笑ってくれる
他の子と同じ笑みで、わたしにとって特別な笑みで

今日もひとりぼっちな片想い
きっと叶わない哀しい片想い
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