キリの異世界探検( Kiri's Otherworldly Exploration)

無似死可

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第1章 貴族編

6.領主として

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 無事に社交界デビューは、終わった。思った以上に評判が良く、ミユへのアプローチも非常に多かった。

 領主としては、これからだけど、幸先はいいみたい。

 無事に宴会が終了してから、私は、ミユの部屋に行き、ゆっくりとお茶を楽しんだ。

 「ミユ、綺麗だったわ」

 「キリも、綺麗よ」

 「ありがとう」

 「何を言っているの?」

 「ミユが居たから、社交界デビューが成功したのよ。だから、感謝しているの」

 「でも、準備をしたのは、すべて、キリの指示でしょ。だったら、キリのお陰よ。だから、感謝しないといけないのは、私の方だわ」

 私は、うれしくなって、立ち上がって、ミユに抱き付いた。

 「うれしい」

 「私も」

 ミユも、私を抱きしめてくれた。ずっと、このままで、居たかったけど、領主としての仕事が山積みになっているのを思い出してしまった。

 「次は、領民に、いい領主だと認めて貰うわよ」

 私は、ミユに言うと同時に、自分にも、言い聞かせていた。

 「えぇ、私も、頑張るわ」

 最初の2年間は、納税の義務を免除していた。しかし、収穫できた穀物などは、買い取ることにしている。

 漸く、領地での収穫が始まった。住む場所や肥料や水源など、あらゆるものを無料で、提供してきた。但し、それらの情報は、他の領地に漏れないように領民にはくぎを刺しておいた。今の所、それは、守られているようだ。

 「ミユ、初めての買取ね」

 「思ったより、収穫量があったみたい。この調子で収穫していければ、領土からの納税で、何とか、領地を維持できると思うわ」

 「それは良かった。キリ商店も順調だから、特に、お金に困ることはないけど、赤字経営するよりいいわね」

 「ポーチアの報告では、農地は、ほぼ埋まったようよ」

 「そう。後、1年半ね。すぐよ。それと、今は、北の端に向けて、領土を広げているの。既に、海岸にまで達したわ」

 「そんなに広げて、どうするの?」

 「ミユ、領土は広い方がいいに決まっているわ。領土の広さで、力の大きさを示せるのよ」

 「そうなの? でも、力を持っても、それをどう使うの?」

 「このウディーア王国で、皆が暮らしやすいようにしたいの」
 
 「キリ、そんなこと考えていたの? 知らなかったわ。私も、何か、手伝うわ」

 「ミユは、私の傍に居て。それで、私は、満足よ」

 「厭よ。そんな、お飾りみたいなのは」

 「それじゃ、貴族として、皆に認めて貰えるように、活動して欲しいわ」

 「それじゃ、何か、ボランティアみたいなことをやっていくの?」

 「ミユが、いいと思ったことなら、何でもいいわ。やって行ってくれる」

 「いいわ。直ぐに、何か、考えるわね」

 「慌てて考える必要はないわ。ゆっくり、考えて」

 「そうだ。海にも領地があるって、言っていたわね」

 「そうよ。北の端まで、領地を広げているわ」

 「それなら、塩はどうかしら?」

 「いいわね。塩なら、保存が効くし、どの国も、必要ね。それに、この城の近くには、海がないから、必ず、買うわね」

 「キリ、手伝ってくれる?」

 「もちろんよ。まずは、海まで、見に行きましょう」

 「はい」

 私達は、海まで、転移魔法で移動した。既に、海の近くに、基地が造られていたので、そこに移動した。

 「それじゃ、塩を作る工場が必要ね」

 私は、ミユの指示した場所に、塩作りの工場、造った。そして、海水をくみ上げてプールに入れる神具や水分を蒸発させる神具も設置した。最後に、完成した塩を袋に詰めて、保管する倉庫も作っておいた。

 「これでいいはずね。動かしてみるよ」

 私は、ミユの前で、塩作りの工場を動かした。海水がどんどん最初のプールに入って行った。そして、そのプールが一杯になると、底から次にプールに海水が運ばれていく。その時に、フィルターによって、不純物が取り除かれる。次のプールでも同様に、一杯になると更に次にプールに移動していく。ここでも、フィルターによって、不純物が取り除かれるが、先ほどより、目が細かいフィルターを使っている。

 ここから先は、水分を蒸発させる神具で、一気に海水が濃縮される。プールの底に溜まったどろどろの海水が、袋詰め用の施設に運ばれていく。ここでは、マナドールに運搬を任せている。そして、更に水分が蒸発させられて、粉末状の塩が袋に詰められて、倉庫に運ばれていった。

 「ミユ、これでいいかしら」

 「凄いね。こんなに短時間で、塩が造れるとは思っていなかったわ」

 「取り敢えず、私達の城に塩を送っておくね。余分な塩は、キリ商店で、売って貰うわ」

 「ありがとう。キリ」

 「これで、ミユの手伝いが出来たわ」

 「この塩を、農民に配ってあげるわね」

 「いいの? 売らなくても」

 「塩ぐらい、いいじゃない」

 「私は、ミユが良ければ、いいわ」

 私達は、転移魔法で城に移動した。そして、ミユは、早速、塩を農民に配り始めた。農民は、貴重な塩を無料で配って貰い、ミユに感謝した。

 ミユは、領民の前に立って、良き領主としての位置を確立して行った。それを見て、私は、うれしかった。私の大好きなミユが、皆から愛されている。そう思ったら、自分も、同じように愛されているように感じたわ。
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