キリの異世界探検( Kiri's Otherworldly Exploration)

無似死可

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第2章 領主編

23.新たな人材

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 冒険者ギルドの中は、以前とは、全く異なっていた。私が昔訪れた時は、もっと、親しみが持てたのだが、今は、なんだか、機械的で、冷たい感じがする。

 冒険者ギルド内の冒険者達も、皆無言で、事務的な感じだ。

 私は、厭な雰囲気の中で、必要なことは直ぐにすませようと、受付に向かった。知っている顔でもあるかと思ったが、皆、初めての顔で、誰に声を掛けていいのか、少し迷ったが、一番年齢が若そうな係に声を掛けることにした。

 「すみません。依頼をしたいのですが、いいですか?」

 「はい、私が伺います」

 私は、胸の名札を確認した。その受付は、「見習い ミーチェ」と名札に書いてあった。

 「少し、変わった依頼なのですが、いいですか?」

 「はい、構いません。取り敢えず、聞かせてください」

 「軍隊経験のある戦士を探しています」

 「それで、どのような仕事の依頼ですか?」

 「私の私兵の育生です」

 私は、当初思っていた仕事を言うのは、少し憚れたので、少しはましな依頼に変えて言うことにした。

 「軍隊の育生ですか?」

 「そうです」

 「確か、最近軍隊を辞めて冒険者になった人が居ました。その人を紹介しましょうか?」

 「お願いします」

 「あっ、ちょうど、ここに居ます。呼んできますから、暫くお待ちください」

 「はい」

 係のミーチェは、私を待たせて、どこかに消えて行った。

 暫くして、巨体の男と共に、戻って来た。

 「この人です」

 「あれ、カルロスじゃない?」

 「えっ、どこかであったかなぁ?」

 「昔、ダンジョンの中で、出会ったよ」

 「うーん、思い出せないなぁ」

 「ヤングリーブズにいた戦士でしょ」

 「おう、そうだ。ところで、お前は?」

 「私は、キリよ。妹の方よ」

 「えっ、キリだって。久しぶりだな。綺麗になったな」

 「そう。うれしい」

 「あの、私は、もう、いいですか?」

 係のミーチェが、照れくさそうに小さな声で、私に言った。

 「あっ、すみません。この人に依頼します」
 
 私は、ミーチェに手数料を払って、カルロスと共に、冒険者ギルドを後にした。

 「カルロス、何か、食べながら話さない?」

 「いいぜ」

 私達は、近くの居酒屋に入って、飲み物と食べ物を頼んだ。

 「実は、今、私貴族になったの」

 「そうか、結婚したのか」

 「そうじゃなくて、貴族の養子になったの」

 「そうか。それで、何故、軍隊経験者を探していたんだ?」

 「これでも、領土を持っているのよ。それを守るために軍隊が必要なの。それで、その軍隊を指揮できる人を探していたの」

 「軍隊か。それで、どの程度の規模にするつもりだ」

 「そうね。取り敢えず、1万人かな?」

 「へぇ、本格的だな。それで、それだけの兵士を集められるのか?」

 「実は、大半の兵士はゴーレムで代用するつもりなの」

 「ゴーレムを造れるのか?」

 「造れるよ」

 「分かった。俺で良ければ、手伝うよ。だけど、本格的な指揮者は、探した方がいいな」

 「カルロスに心当たりがあるの?」

 「あるけど、その人に依頼する前に、私が、どの程度の兵士かを確認したい」

 「それは、いいわ。それで、どの程度、支払ったらいい?」

 「俺は、食べていければいいよ」

 「普通の兵士は、どの程度貰っているの?」

 「そうだな。月に金貨30枚ぐらいかな」

 「えっ、そんなに安いの。死ぬこともあるのに?」

 「仕方なしに兵士になっている者がほとんどだよ。食べていけたらいいって言う者ばかりだよ」

 「分かった。それじゃ、月に金貨100枚で、雇うわ。いい?」

 「勿論、言うことはないよ」

 私は、カルロスを連れて、海岸近くの基地に連れて行った。

 「ここが、軍港よ」

 「すごいな。大型船が10隻か」

 「これが、さっき言っていたゴーレムよ」

 「ほお、でかいな」

 「少しは、戦えるよ」

 「試してもいいか?」

 「良いわよ。模擬戦でもやってみて」

 カルロスは、近くにいたゴーレム(マナドールの兵士)を相手に模擬戦を始めた。

 暫く、打ち合って、終了した。カルロスは、少し、汗をかいたようだ。

 「なかなかのものだな」

 「どう? 少しは、戦えるでしょ」

 「確かに、単体としては申し分ないが、集団行動ができるかどうかだな」

 「それを教えてあげて」

 「覚えられるのか?」

 「勿論よ。少し、時間が掛かるかもしれないけど、覚えるよ。それに、会話もできるよ」

 「えっ、このゴーレムは、喋れるのか?」

 「日常会話なら、大丈夫よ」

 「分かった。それじゃ、暫くは、俺一人で、鍛えていくよ」

 「お願いします」

 私は、頭を下げて、笑いかけた。良かった。いい人が見つかって。カルロスなら、気兼ねせずに何でも頼めそう。

 でも、一人では大変ね。

 「カルロス、知り合いが居たら、月金貨50枚で、雇うわ。連れてきていいわよ」

 「分かった。知り合いに声を掛けてみるよ」

 「それから、実際の軍隊から、引き抜いて貰ってもいいわ。その時は、特別に支払うわ。それと、カルロスの月給もアップするわよ」

 「そうか、頑張ってみるよ」

 私は、後をカルロスに任せて、城に戻る事にした。

 城に戻って、ミユにカルロスの事を話した。マナドールの兵士は、極秘の事だから、色んな人に知られないようにした方がいいって、ミユに心配された。

 でも、何時までも、秘密にしておくことは出来ないわ。これからは、もっと、積極的に打って出なくては。
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