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第3章 従魔編
302.従魔契約
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私は、スピアを連れて、冒険者ギルドに向かった。今日は、スピアの従魔登録をするつもりだ。
冒険者ギルドに入ると、中は冒険者で溢れていた。依頼書の取り合いをしているようだ。
できるだけ、効率の良い依頼を受けたいので、依頼書を張っているボードの前は、特に混雑している。
「ボードの前は、非常に混雑しています。
パーティーで来ている人は、代表者だけにしてください」
ローララが、珍しく大きな声を出していた。受付はまだ、それほど、並んでいない。
「ローララ、従魔登録したいんだけど」
「はい、テラ。ワーキャットね。よく、従魔にできたわね」
「うん。頑張ったよ」
「それじゃ、これにサインしてね。それから、冒険者IDを貸してくれる」
「はい、どうぞ」
「次に、従魔の呼び名を書いてね。それから、従魔の血を取って、ここに押してね」
どうやら、血判を押す様だ。私は、スピアの指を少しダガーで切って、出て来た血を書類に落とした。
「これで、完成よ。それじゃ、従魔にこのIDをぶら下げておいてね」
「ありがとう」
ローララから貰ったIDをスピアの首にぶら下げてあげた。
それから、スピアの装備を買いに出かけた。
まずは、鍛冶屋に行って、武器を買う。私達は、近くの鍛冶屋に入っていった。
「すみません」
「はい、何でしょうか」
「この、ワーキャット用の武器を買いたいのですが、お薦めはありませんか?」
「そうですね。ワーキャットは、動きが素早いのが利点なので、重い武器は避けた方がいいですね。それに、強力な爪を持っているので、普通の剣も避けた方がいいですね」
「それでは、何がいいですか?」
「何がいいですかね?」
「えーっと、お薦めは?」
「だから、難しいね。何にする?
逆に、ワーキャットに何をして欲しい?」
「そうですね。素早く、証拠品やドロップアイテムを集めて貰いたいですね。
それから、野生の感があるので、遠方からの攻撃ですかね」
「それなら、装備は革の物を選ぶといいですね。武器は、短弓ですね。長いと動きの邪魔になるので」
「それなら、そこの短弓とそれに合った弓を下さい」
「はい、これでいいですか?」
「これで、清算してください」
私は、冒険者IDを渡して、清算した。
「近くに、革の装備を売っている所はありませんか?」
「ここの通りの外れに、革細工師の店がある」
「ありがとう」
私達は、鍛冶屋を出て、通りの外れにある寂れた家に入っていった。
「すみません。革の装備を買いに来ました」
「好きな物を持っていけ」
「えっ、お金は?」
「適当に置いとけ」
「いいんですか?」
「うるさい。黙っていろ」
店の中はごちゃごちゃしていて、どれが商品か、よく分からない。
スキル鑑定で、ましな物を探した。すると、机の下に掘り出し物があった。
革で作った防具一式だ。しかも、特級品だ。どうして、こんな高価な物がここにあるのか、不思議だ。しかし、その防具一式は、薄汚れていて、どう見ても、特級品に見えなかった。そのせいだろう、誰も買おうとしなかったのだと思った。
「この机の下の防具一式を貰っていくね。お金は、金貨20枚置いとくよ」
「おい、お前、今なんて言った」
「金貨20枚じゃ足らないの?」
「金なんか、どうでもいい。何故、その汚い防具を選んだんだ」
「何故って、これが気に入っただけだよ」
「だから、何故、気に入ったんだ」
「理由なんて、ないよ」
「この野郎。俺が酔っていると思っているな」
「えっ、酔っていないの」
「酔っているよ。酔わずにいられるか」
「それはどうも、それで、この防具は買ってもいいの。ダメなの。どっち?」
「だから、金の問題じゃないって言っているだろう」
「だったら、何が問題なの?」
「お前、時間はあるか?」
「酔っぱらいの相手をするほど、暇じゃないけどね。少しぐらいなら、付き合うよ」
「実は、わしも、以前は、立派な店で働いていたんだ。その店では一番の職人だったんだ」
「へぇー、さっきの防具は、酔っぱらいが創ったの?」
「酔っぱらいと言うな、コプトという名がある」
「それで、こんな立派な防具を創れる革細工師がどうして、昼間から、酔っぱらっているの?」
「その店の店主がまがい物を高値で貴族に売っていたから、意見したんだ」
「そうなんだ。りっぱだよ」
「でも、それで、店を追い出されて、挙句の果てが、おれの商売の邪魔をしたんだ」
「どんなにいい物を作っても、俺の物をまがい物だと言い張る貴族がいて、だれも、俺の物を買わなくなってしまった」
「いくら、俺が良い物だと説明しても、無駄だった。誰も、本物を見抜くことができない。
諦めて、俺は、昼間から、酒を飲む、酔っぱらいになってしまった」
「そうか、大変だったね。でも、お酒を飲んで、良くなるの?」
「わかっているよ。よくなんか、なるわけないよ。分かっちゃいるんだよ」
「それなら、もう一度、頑張ったら?」
「そうだね。って、お前、子供だろう、偉そうに」
「でも、酔っぱらいのコプトより、偉いと思うよ。これでも、冒険者だよ」
「そうだな。お前の言うとおりだな。ところで、お前の横にいるのは、お前のお母さんか?」
「そんなわけないでしょ。目も悪いの? スピアは、私の従魔よ」
「そうか、大したものだな。りっぱだよ。
お前と話せて、すっきりしたよ。もう一度、頑張ってみるよ」
「それじゃ、これ、貰っていくね。また、来るよ。バイバイ」
革細工職人の家を出て、また、店の地下に転移魔法で移動した。
買って来た装備一式を光魔法で、クリーンにしてから、スピアに着せてみた。
「スピア、似合っているよ。かわいいよ!」
「うん。スピア、かわいい」
色んな店に行って、今日は疲れてしまった。
私は、スピアに添い寝をしてもらい、ベッドで寝てしまった。スピアのふさふさの尻尾が気持ちいい。
冒険者ギルドに入ると、中は冒険者で溢れていた。依頼書の取り合いをしているようだ。
できるだけ、効率の良い依頼を受けたいので、依頼書を張っているボードの前は、特に混雑している。
「ボードの前は、非常に混雑しています。
パーティーで来ている人は、代表者だけにしてください」
ローララが、珍しく大きな声を出していた。受付はまだ、それほど、並んでいない。
「ローララ、従魔登録したいんだけど」
「はい、テラ。ワーキャットね。よく、従魔にできたわね」
「うん。頑張ったよ」
「それじゃ、これにサインしてね。それから、冒険者IDを貸してくれる」
「はい、どうぞ」
「次に、従魔の呼び名を書いてね。それから、従魔の血を取って、ここに押してね」
どうやら、血判を押す様だ。私は、スピアの指を少しダガーで切って、出て来た血を書類に落とした。
「これで、完成よ。それじゃ、従魔にこのIDをぶら下げておいてね」
「ありがとう」
ローララから貰ったIDをスピアの首にぶら下げてあげた。
それから、スピアの装備を買いに出かけた。
まずは、鍛冶屋に行って、武器を買う。私達は、近くの鍛冶屋に入っていった。
「すみません」
「はい、何でしょうか」
「この、ワーキャット用の武器を買いたいのですが、お薦めはありませんか?」
「そうですね。ワーキャットは、動きが素早いのが利点なので、重い武器は避けた方がいいですね。それに、強力な爪を持っているので、普通の剣も避けた方がいいですね」
「それでは、何がいいですか?」
「何がいいですかね?」
「えーっと、お薦めは?」
「だから、難しいね。何にする?
逆に、ワーキャットに何をして欲しい?」
「そうですね。素早く、証拠品やドロップアイテムを集めて貰いたいですね。
それから、野生の感があるので、遠方からの攻撃ですかね」
「それなら、装備は革の物を選ぶといいですね。武器は、短弓ですね。長いと動きの邪魔になるので」
「それなら、そこの短弓とそれに合った弓を下さい」
「はい、これでいいですか?」
「これで、清算してください」
私は、冒険者IDを渡して、清算した。
「近くに、革の装備を売っている所はありませんか?」
「ここの通りの外れに、革細工師の店がある」
「ありがとう」
私達は、鍛冶屋を出て、通りの外れにある寂れた家に入っていった。
「すみません。革の装備を買いに来ました」
「好きな物を持っていけ」
「えっ、お金は?」
「適当に置いとけ」
「いいんですか?」
「うるさい。黙っていろ」
店の中はごちゃごちゃしていて、どれが商品か、よく分からない。
スキル鑑定で、ましな物を探した。すると、机の下に掘り出し物があった。
革で作った防具一式だ。しかも、特級品だ。どうして、こんな高価な物がここにあるのか、不思議だ。しかし、その防具一式は、薄汚れていて、どう見ても、特級品に見えなかった。そのせいだろう、誰も買おうとしなかったのだと思った。
「この机の下の防具一式を貰っていくね。お金は、金貨20枚置いとくよ」
「おい、お前、今なんて言った」
「金貨20枚じゃ足らないの?」
「金なんか、どうでもいい。何故、その汚い防具を選んだんだ」
「何故って、これが気に入っただけだよ」
「だから、何故、気に入ったんだ」
「理由なんて、ないよ」
「この野郎。俺が酔っていると思っているな」
「えっ、酔っていないの」
「酔っているよ。酔わずにいられるか」
「それはどうも、それで、この防具は買ってもいいの。ダメなの。どっち?」
「だから、金の問題じゃないって言っているだろう」
「だったら、何が問題なの?」
「お前、時間はあるか?」
「酔っぱらいの相手をするほど、暇じゃないけどね。少しぐらいなら、付き合うよ」
「実は、わしも、以前は、立派な店で働いていたんだ。その店では一番の職人だったんだ」
「へぇー、さっきの防具は、酔っぱらいが創ったの?」
「酔っぱらいと言うな、コプトという名がある」
「それで、こんな立派な防具を創れる革細工師がどうして、昼間から、酔っぱらっているの?」
「その店の店主がまがい物を高値で貴族に売っていたから、意見したんだ」
「そうなんだ。りっぱだよ」
「でも、それで、店を追い出されて、挙句の果てが、おれの商売の邪魔をしたんだ」
「どんなにいい物を作っても、俺の物をまがい物だと言い張る貴族がいて、だれも、俺の物を買わなくなってしまった」
「いくら、俺が良い物だと説明しても、無駄だった。誰も、本物を見抜くことができない。
諦めて、俺は、昼間から、酒を飲む、酔っぱらいになってしまった」
「そうか、大変だったね。でも、お酒を飲んで、良くなるの?」
「わかっているよ。よくなんか、なるわけないよ。分かっちゃいるんだよ」
「それなら、もう一度、頑張ったら?」
「そうだね。って、お前、子供だろう、偉そうに」
「でも、酔っぱらいのコプトより、偉いと思うよ。これでも、冒険者だよ」
「そうだな。お前の言うとおりだな。ところで、お前の横にいるのは、お前のお母さんか?」
「そんなわけないでしょ。目も悪いの? スピアは、私の従魔よ」
「そうか、大したものだな。りっぱだよ。
お前と話せて、すっきりしたよ。もう一度、頑張ってみるよ」
「それじゃ、これ、貰っていくね。また、来るよ。バイバイ」
革細工職人の家を出て、また、店の地下に転移魔法で移動した。
買って来た装備一式を光魔法で、クリーンにしてから、スピアに着せてみた。
「スピア、似合っているよ。かわいいよ!」
「うん。スピア、かわいい」
色んな店に行って、今日は疲れてしまった。
私は、スピアに添い寝をしてもらい、ベッドで寝てしまった。スピアのふさふさの尻尾が気持ちいい。
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