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 第5章 ソーロン帝国編

502.帝国との接点

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 私達は、サルビアに思念伝達で、近況を報告した。

 「サルビア、元気にしてる?」

 「はい、元気です。店の方もいつも通り、開いています」
 
 「何か、変わったことはない?」

 「特に、ありません。今、どこにいるの?」

 「今は、コベーサにいるよ。ここに、支店を出す用意をしているところ」

 「コベーサですか。大きな街と聞いています。私も、行きたかった」

 「次の機会には、一緒に来ようね」

 「はい、約束ですよ」

 「そうだ、サルビア、商品の方は、順調に作れている?」

 「順調です。余裕があります」

 「少し、お願いがあるんだけど、聞いてくれる?」

 「はい、テラの役に立つのなら、何でも言って下さい」

 「それじゃ、その店に出す商品を同じものを、10日分、急いで送ってくれるかな?」

 「作るのは、いいのですが、どうやって、送ればいいですか」

 「こちらに、受取用の魔法陣んを描いておくから、それを利用してね」

 「分かりました。明日には、用意しておきます」

 「ありがとう、無理は、しないでね」

 「はい、大丈夫です」

 私達は、思念伝達を終えて、商業ギルドに向かった。

 「おはようございます。セーロンに用があるのですが、居られますか?」

 「はい、ただいま」

 「一つ、お願いが、あるのですが、無人販売用の機械を借りたいのですが、いいですか?」

 「何だい、ご利用ですか?」

 「取り合えず、4台を半年借ります」

 「今日、配達できますが、どうしますか?」

 「今日は、出かけているので、設定をしておいてください」

 「はい、わかりました。それで、配達はどうしましょうか?」

 「自分で、持っていきます。だから、ここに置いててください」

 「はい、わかりました。直ぐに用意しておきますので、いつでも、取りに来てください」

 「はい、よろしく」

 私達は、商業ギルドを出ると、街の道具屋に顔を出した。

 「こんにちは、商品を見てもいいですか?」

 「もちろん、構いませんとも」

 「ちょっと、高価な品を見たいのですが、いいですか?」

 「どのような物をお探しですか?」

 「何でもいいので、高い物を見せてください」

 「それでは、お持ちしますので、こちらで、お座りになって、お待ちください」

 「はい、お願いがいします」

 暫くすると、店員が、複数の品を持って来た。

 「こちらは、この商店で一番高価なものです。
 この左の物は、帝国性ですが、余り流通がしない陶器です。細工が細かいので、人気の品の一つです。
 次の品は、某子爵が愛用していた物で、オルゴールで、人形が出て来て歌を歌います。
 最後の品は、特別なアイテムボックスです。従来の物は、荷車1台分ぐらいしか入らなかったのですが、これは、小さな屋敷分収納できます。国宝級の品です。どうでしょうか。お気に行ったものは、ありますでしょうか」

 「私が、欲しいのは、この店にしかないものだが、これらは、他の店でも買えるのではないか?」

 「いいえ、とんでもありません。最後の品は、私どもが独占的に売っているもので、他の店では絶対に扱えません。保証します」

 「そうか。では、3つとも頂こう。いくらかな?」

 「えぇ、3つとも、お買い上げして頂けるのですか」

 「そうだ。包んで貰おうか」

 「金額を聞かないのですか?」

 「今後とも、取引ができると思うなら、適切な金額を付けるだろ」

 「それは、もちろんです」

 「陶器が、金貨300枚です。オルゴールは、カラクリが特殊なので、金貨600枚です。最後のアイテムボックスは、金貨1000枚になります。よろしいでしょうか」

 「大丈夫だ。この商業IDで、清算してください」

 「分かりました。お借りします」

 暫くして、商品を丁寧に包んで、持って来た。私は、商業IDと共に預かった。

 ここでは、アイテムボックスに入れないで、スピアに持ってもらった。

 「そうか、このような商品が高価な物なんだな。アイテムボックスは、だめだけど、それ以外は、私の店で、売ってもいいね」

 「うん。売れるよ」

 私達は、店に戻って、地下室に降りた。ちょっと、変わった装飾だが、そのままにしておいた。

 地下室の一番奥に土魔法で、螺旋階段を作り、地下5階まで、作った。地下1階で、サルビアからの商品を受け取ることにした。

 私達は、店を出て、商業ギルドに向かった。

 「すみません。セーロンは、居ますか?」

 「はい、ただいま。テラ様、用意できております」

 「それじゃ、頂きます」

 私は、無人販売用の機械を4台、アイテムボックスに入れて行った。

 「テラ様は、凄いアイテムボックスをお持ちですね。それをどこから入手されましたか?」

 「それは、言えないね。内緒と言われているんだ」

 「左様でございますか。いえ、帝国が特級のアイテムボックスを大量に買い付けに来ているので、聞いてみたわけです」
 
 「セーロン、それは、ソーロン帝国ではないのか?」

 「よく、御存じで。その通りです。相場は、1個金貨1000枚ですが、大量に必要ということで、もし、1000個揃えられるなら、倍の金額ですべて買い上げると言っています」

 「ほぉ、セーロンは、ソーロン帝国と面識があるのか?」

 「多少は、口利きができます」

 「そのアイテムボックスなら、1000個入手できないこともないが、期限はどうなっている?」

 「テラ様、用意できるのですか?」

 「だから、期限が問題だ。数は、揃えることはできるが、時間が必要だ」

 「確認しておきますが、おそらく、1月後には納品しないといけないと思います」

 「そうか、それなら、できそうだな。それで、商品の確認は、どのように行うのだ」

 「おそらく、帝国の役人が、スキル鑑定で、商品の確認を行うと思います」

 「1000個も確認するとなると、時間が掛かりそうだな」

 「いえ、そんなに掛からないと思います。多分、長くても1日でしょう」

 「そんに早く確認できる者がいるのか。帝国は凄いな」

 「いえいえ、テラ様、何を仰っているのですか。まさか、一人で確認するとでも、お思いですか?」

 「そうじゃないのか」

 「はい、おそらく、5人は来れられるでしょう」

 「なんだ、5人か。そうすると、一人200個か、まあ、普通だな」
 
 「またまた、何を仰っているのですか。1日に200回もの鑑定が出来る者など、それほどいませんよ。普通、50回が限界ですよ。 」

 私には、普通がよく分からなかった。ちょっと、気が引けるが、帝国と顔繋ぎをしたいので、この取引を引き受けることにした。
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