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第9章 リザードマン編
903.密航者
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私は、スピアとともに、ミーヤ国の都市イキシに移動した。到着すると直ちに、隠密魔法で、姿を消した。
私は、思念伝達で、スピアに連絡をいた。
「スピア、今回も、素早く、動かないといけないの」
「うん。わかった」
「だから、私を負んぶして、移動してね」
「うん。テラ、負んぶ、素早く移動」
「ありがとう」
私は、スピアのふわふわの尻尾で、背中に押し上げられた。さあ、素早く移動だ。
私達は、まず、密入国者を探すために、地下牢を探した。スキル探索で、リザードマンを探した。
すると、ある建物の地下に7人のリザードマンが閉じ込められていた。レベルは、35とそれほど高くはないが、ソーロン帝国の普通の兵士としての最低レベルは越していた。
「スピア、あの建物の地下2階に行ってね」
「うん。行く」
地下2階の牢屋の中には、小さな空間に7人の大きな男が閉じ込められていた。座る場所もなく、立ちっぱなしの様だ。
この地下牢には、他に捕らわれている者はいなかった。牢屋の監視をする兵士も見当たらない。
「いつまで、ここに閉じもめておく気だ」
牢屋から、声が聞こえて来た。
「すぐに、出れるさ」
「お前は、のんきだな。これで、もう、3日目だぞ。水だけで、食事もなしで、そろそろ、限界だ」
「確かにな。俺も、限界だよ。こんなことなら、船に潜りこまなければ良かった」
「あのまま、アストーリア大陸にいても、今と大して、変わらないぞ」
「いや、いや、温かいだけ、ここの方がましだ。あそこでは、凍えて死んでしまう」
「そうだな。周りを氷で囲まれた大陸だ。凍えない方がおかしいぜ」
「噂では、傭兵として、働けると聞いていたが、この国には、仲間はいないようだ」
「本当だな。仲間の気配すら感じないな」
「多少、離れていても、俺たちは、仲間の気配を感じとることが出来るのに」
「本当に、先に行った仲間は、この国に居るのか?」
「アストーリア大陸からは、この国以外には、船は出ていない。だから、この国に居るはずだ」
「でも、気配を感じないのは、何故だ」
「それは、俺にもわからん」
私達は、隠密魔法を切って、姿を消した。
「ねえ。傭兵でないとだめ?」
「誰だ、兵居では、ないな」
「私達は、違うよ」
「それじゃ、何用だ」
「だから、傭兵でないとだめ?って聞いているよ。聞こえてる?」
「聞こえてるさ。それじゃ、お前が、俺たちを食わせてくれるのか?」
私は、アイテムボックスから、温かい食べ物を出して、男たちに食べさせた。
「ありがたい。生き返ったようだ」
「「助かった」」
彼らは、口々に感謝の言葉を言った。
「もっと、食べる?」
「貰ってもいいのか」
「どんどん、食べてよ。私、あなた達を食わせてあげるわ」
先ほどの倍ほどの量の食べ物を出して、あげた。
「ありがとう。これで、落ち着いて話ができる。先ほどの話は、本当か?」
「どれの事?」
「だから、傭兵でなくても良いかという話だ」
「本当に、聞いたよ。私の所で、働く?」
「良いのか。俺たちが、何が出来るか、お前は、知っているのか?」
「当然、知らないよ。初めて、会ったのだから」
「それでも、いいのか」
「いいよ。私は、話を聞けるだけで、十分よ」
「どんな、話だ」
「まあ、こんなところで話さなくてもいいんじゃない?」
「本当だな。出してくれるのか」
「スピア、この鍵を壊して」
「うん。壊す」
私達は、転移魔法で、ヤガータ国の森の近くのダンジョンに移動した。
「それじゃ、ここで、話をする?」
「俺が、こいつらのリーダーのシロッコスだ」
「私は、テラ、こっちが私の相棒のスピアよ。よろしくね」
「それじゃ、俺たちが何をしたらいいか、教えてれ」
「私が教えて欲しいの。アストーリア大陸のことを、何でもいいから」
「よし、分かった。何でも、教える。だから、話が終わっても、俺たちが食べていける様にしてくれ」
「そうでね。ところで、シロッコスは、傭兵がしたいの?」
「そんなことは、ない。でも、傭兵でも構わない。食べていけるならな」
「傭兵になって、どれぐらい、稼げるの?」
「俺の聞いた話では、月に金貨20枚ということだ。それと、住むところと食事が与えられると聞いていた」
「そうか、その金貨は、どうするつもりだったの?」
「ある程度貯まったら、家族を呼び寄せるつもりだった」
「そうか、家族がいるのか」
「俺たちは、大家族だ。皆一緒に暮らすのが普通だ。だから、出来るだけ早く。家族と暮らしたい。その為なら、何でもやるよ」
「先に来ている仲間のことを言っていたけど。何人ぐらい、来ているの?」
「かれこれ、3年になるから、1000人は、居るだろう。でも、誰からも、音信がないんだ」
「とこれで、あなた達は、密航者だよね」
「違うぞ。俺たちは、船で働きながら、ここまで、やって来たんだ。密航なんて、やっていない」
「それなら、どうして、地下牢に入っていたの」
「あそこが、牢屋とは、思っていなかった。傭兵になるために、ここで、待っておけと言われただけだ」
「でも、鍵が掛かっていたよ」
「だから、中に入ったら、いきなり、鍵を閉められたんだ」
「そうか。騙されたんだね」
「そうだな。騙されたな。だが、古郷では、死ぬだけだったから、騙されても、ここに来れただけで、良かったよ」
「そうか、ここで、私の指示に従ってくれたら、1月に金貨50枚と、食事付きの宿を無料で提供するよ」
「本当か、俺たちは、テラの指示に従う。何でも言ってくれ」
「それじゃ、少し待ってね」
私は、今いる所に、小さな小屋を作った。その地下に大きな空間を作って、その空間の中に、住宅を1000個と円形闘技場を作った。
「それじゃ、シロッコス、この地下に住居があるよ。あなたが、どのように使うかを手配してね」
「ありがとう。俺たちは、テラに従うよ」
「それじゃ、今から、あなた達は、テラの一員よ。しっかり、仕事をしてね」
「でも、まだ、何も聞いていないよ。どんな、仕事だ?」
「これから、考えるから、取り敢えず、部屋を見てね。必要な物は行ってくれる。それから、シロッコスは、料理できる?」
「できるよ。どうしてだ?」
「暫くは、自炊してね。食材は、このアイテムボックスに入ってるから」
私は、アイテムボックスを1個、シロッコスに渡して、使い方を説明した。
「それじゃ、また、来るね」
「分かった。ありがとう、テラ」
「シロッコス、バイバイ」
私は、シロッコス達と別れて、これからの事を考えながら、スピアの背中で寝てしまった。ふかふかだ。
私は、思念伝達で、スピアに連絡をいた。
「スピア、今回も、素早く、動かないといけないの」
「うん。わかった」
「だから、私を負んぶして、移動してね」
「うん。テラ、負んぶ、素早く移動」
「ありがとう」
私は、スピアのふわふわの尻尾で、背中に押し上げられた。さあ、素早く移動だ。
私達は、まず、密入国者を探すために、地下牢を探した。スキル探索で、リザードマンを探した。
すると、ある建物の地下に7人のリザードマンが閉じ込められていた。レベルは、35とそれほど高くはないが、ソーロン帝国の普通の兵士としての最低レベルは越していた。
「スピア、あの建物の地下2階に行ってね」
「うん。行く」
地下2階の牢屋の中には、小さな空間に7人の大きな男が閉じ込められていた。座る場所もなく、立ちっぱなしの様だ。
この地下牢には、他に捕らわれている者はいなかった。牢屋の監視をする兵士も見当たらない。
「いつまで、ここに閉じもめておく気だ」
牢屋から、声が聞こえて来た。
「すぐに、出れるさ」
「お前は、のんきだな。これで、もう、3日目だぞ。水だけで、食事もなしで、そろそろ、限界だ」
「確かにな。俺も、限界だよ。こんなことなら、船に潜りこまなければ良かった」
「あのまま、アストーリア大陸にいても、今と大して、変わらないぞ」
「いや、いや、温かいだけ、ここの方がましだ。あそこでは、凍えて死んでしまう」
「そうだな。周りを氷で囲まれた大陸だ。凍えない方がおかしいぜ」
「噂では、傭兵として、働けると聞いていたが、この国には、仲間はいないようだ」
「本当だな。仲間の気配すら感じないな」
「多少、離れていても、俺たちは、仲間の気配を感じとることが出来るのに」
「本当に、先に行った仲間は、この国に居るのか?」
「アストーリア大陸からは、この国以外には、船は出ていない。だから、この国に居るはずだ」
「でも、気配を感じないのは、何故だ」
「それは、俺にもわからん」
私達は、隠密魔法を切って、姿を消した。
「ねえ。傭兵でないとだめ?」
「誰だ、兵居では、ないな」
「私達は、違うよ」
「それじゃ、何用だ」
「だから、傭兵でないとだめ?って聞いているよ。聞こえてる?」
「聞こえてるさ。それじゃ、お前が、俺たちを食わせてくれるのか?」
私は、アイテムボックスから、温かい食べ物を出して、男たちに食べさせた。
「ありがたい。生き返ったようだ」
「「助かった」」
彼らは、口々に感謝の言葉を言った。
「もっと、食べる?」
「貰ってもいいのか」
「どんどん、食べてよ。私、あなた達を食わせてあげるわ」
先ほどの倍ほどの量の食べ物を出して、あげた。
「ありがとう。これで、落ち着いて話ができる。先ほどの話は、本当か?」
「どれの事?」
「だから、傭兵でなくても良いかという話だ」
「本当に、聞いたよ。私の所で、働く?」
「良いのか。俺たちが、何が出来るか、お前は、知っているのか?」
「当然、知らないよ。初めて、会ったのだから」
「それでも、いいのか」
「いいよ。私は、話を聞けるだけで、十分よ」
「どんな、話だ」
「まあ、こんなところで話さなくてもいいんじゃない?」
「本当だな。出してくれるのか」
「スピア、この鍵を壊して」
「うん。壊す」
私達は、転移魔法で、ヤガータ国の森の近くのダンジョンに移動した。
「それじゃ、ここで、話をする?」
「俺が、こいつらのリーダーのシロッコスだ」
「私は、テラ、こっちが私の相棒のスピアよ。よろしくね」
「それじゃ、俺たちが何をしたらいいか、教えてれ」
「私が教えて欲しいの。アストーリア大陸のことを、何でもいいから」
「よし、分かった。何でも、教える。だから、話が終わっても、俺たちが食べていける様にしてくれ」
「そうでね。ところで、シロッコスは、傭兵がしたいの?」
「そんなことは、ない。でも、傭兵でも構わない。食べていけるならな」
「傭兵になって、どれぐらい、稼げるの?」
「俺の聞いた話では、月に金貨20枚ということだ。それと、住むところと食事が与えられると聞いていた」
「そうか、その金貨は、どうするつもりだったの?」
「ある程度貯まったら、家族を呼び寄せるつもりだった」
「そうか、家族がいるのか」
「俺たちは、大家族だ。皆一緒に暮らすのが普通だ。だから、出来るだけ早く。家族と暮らしたい。その為なら、何でもやるよ」
「先に来ている仲間のことを言っていたけど。何人ぐらい、来ているの?」
「かれこれ、3年になるから、1000人は、居るだろう。でも、誰からも、音信がないんだ」
「とこれで、あなた達は、密航者だよね」
「違うぞ。俺たちは、船で働きながら、ここまで、やって来たんだ。密航なんて、やっていない」
「それなら、どうして、地下牢に入っていたの」
「あそこが、牢屋とは、思っていなかった。傭兵になるために、ここで、待っておけと言われただけだ」
「でも、鍵が掛かっていたよ」
「だから、中に入ったら、いきなり、鍵を閉められたんだ」
「そうか。騙されたんだね」
「そうだな。騙されたな。だが、古郷では、死ぬだけだったから、騙されても、ここに来れただけで、良かったよ」
「そうか、ここで、私の指示に従ってくれたら、1月に金貨50枚と、食事付きの宿を無料で提供するよ」
「本当か、俺たちは、テラの指示に従う。何でも言ってくれ」
「それじゃ、少し待ってね」
私は、今いる所に、小さな小屋を作った。その地下に大きな空間を作って、その空間の中に、住宅を1000個と円形闘技場を作った。
「それじゃ、シロッコス、この地下に住居があるよ。あなたが、どのように使うかを手配してね」
「ありがとう。俺たちは、テラに従うよ」
「それじゃ、今から、あなた達は、テラの一員よ。しっかり、仕事をしてね」
「でも、まだ、何も聞いていないよ。どんな、仕事だ?」
「これから、考えるから、取り敢えず、部屋を見てね。必要な物は行ってくれる。それから、シロッコスは、料理できる?」
「できるよ。どうしてだ?」
「暫くは、自炊してね。食材は、このアイテムボックスに入ってるから」
私は、アイテムボックスを1個、シロッコスに渡して、使い方を説明した。
「それじゃ、また、来るね」
「分かった。ありがとう、テラ」
「シロッコス、バイバイ」
私は、シロッコス達と別れて、これからの事を考えながら、スピアの背中で寝てしまった。ふかふかだ。
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