錬金術師の召喚魔法 ゴーレム擬きで世界征服?

無似死可

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 第2章 商人編

201.テラの初めの一歩(1)

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 まず、名前を決めないといけないね。そうだ、以前の名前がはかま 天羅てらだから、「テラ ハツネ」にしよう。せっかく作った工房なので、利用することにした。転移魔法で、地下牢の前に移動した。
 
 近くに転がっていた親指大の土人形ゴーレムに乗り移って、地下牢の中に入った。そして、床に転移魔法用の魔法陣を描いた。また、魔法陣を闇魔法のバリアで隠しておいた。
 
 作業を終えた私は、廊下に出てから、賢者サビオに貰った身体に移った。

 地下牢は、誰かに見られても困るので、土魔法で金属の壁を塞いだ。更に、闇魔法のバリアで、結界を張った。これで、少しは、見つかり難いだろう。

 更に、私は、工房の中にも転移魔法用の魔法陣を描き、工房の出入口も地下牢と同じように塞いだ。
 
 転移魔法で、廊下に出た私は、階段を上がり、地下牢と工房の間の廊下を土魔法で埋めつくした。
 更に、階段の部分も見つかり難いように、土魔法で整備した。

 階段以外は、一面薬草が生えている。何かの役に立つかも知れないので、すべて刈り取って、アイテムボックスの中に入れておいた。

 さて、これから、この異世界での冒険開始だ。取り敢えず、ステータスを確認しておこう。

【ステータス】

 種族:土人形ゴーレム
 職業:無職
 LVレベル:35
 HP(最大体力量):2000
 MP(最大魔力量):5000
 魔法:土魔法(LV16)、火魔法(LV10)、水魔法(LV12)、風魔法(LV10)、
    光魔法(LV13)、陰魔法(LV14)
 スキル:採取(LV14)、鑑定(LV15)、思念伝達(LV15)、探索(LV12)、格闘(LV12)、
     弓(LV30)
    :毒耐性(LV10)
 称号:小鬼英雄殺し

 「あぁ、失敗だわ」

 私は、思わず、声を出してしまった。金貨はどこだ! 前のIDに入れたままで、現金としては持っていなかった。
 
 「えぇっと、どこで、前の身体を捨てたんだろう? ボケたのかなぁ、私は?」

 何が、何かわからない。落ち着いて思い出そう。

 賢者サビオが、地下牢から抜け出して、今の私の身体を創った。すると、地上で新しい身体に入れ替わったわけだ。あれ? 何か変だな。

 (慌てない、慌てない、ここは、少しスクロールさせればいいだけだ。内緒だよ。)

 思いだした! 地下牢の前の廊下で、入れ替わったんだ。私は、せっかく作った階段のカモフラージュを取り除き、せっかく埋めた土を取り除き、地下牢の前の廊下を元に戻した。
 
 「あった! やった!」

 急いで、前の身体を抱えると、すぐに転移魔法で、工房の中に移動した。前の身体を工房の中に置き、地下牢の前の廊下と階段に、前と同じ処置をした。階段のカモフラージュも確認してから、工房の中に転移魔法で、移動した。

 私は、前の身体を抱えて、工房の隣の部屋に行き、ガラスのケースを2つ造った。縦1m×横1m×高さ2mのケースだ。

 以前の身体の汚れを取り除き、1つのケースの中に入れた。もう一つのケースの中に入ってから、私は、今の身体から、以前の身体へと魂を定着させた。

 もう一度、ステータスを確認したが、変化はなかった。ステータスは、当然だが、土人形ゴーレムの身体には影響しない。ステータスは、魂と連動していることが分かった。

 私は、以前の身体になっていることと、冒険者IDを持っていることを確認してから、転移魔法で冒険者ギルドの裏手に移動した。

 冒険者ギルドに入ると、空いている受付に向かった。

 「すみません。お願いします」

 大きな声で、受付の女性に声を掛けた。彼女は、リンダで、猫耳族の女性だった。

 「はい、お待たせ」

 「金貨を引き出したいの」

 「それでは、冒険者IDを出してください」

 私は、冒険者IDをリンダに渡した。

 リンダは、渡された冒険者IDを暫く見てから、私に言った。

 「いくら出しますか? 金貨で、213枚あります」

 「すべて、出します」

 「わかりました」

 リンダは、私の冒険者IDを持って、奥の部屋へ入っていった。暫くしてから、袋を持ったリンダが現れた。

 「はい、金貨213枚になります」

 「ありがとう」

 金貨の入った袋と、冒険者IDを持って、急いで、冒険者ギルドを後にした。人目を避けて、転移魔法で工房の中に移動した。

 あいているガラスのケースの中に入ると、隣の賢者サビオに作ってもらった土人形ゴーレムに移った。

 「やれやれ。これで、やっと新しい人生のスタートがきれるわ」
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