錬金術師の召喚魔法 ゴーレム擬きで世界征服?

無似死可

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 第27章 ソーロン帝国の秘密編

2716.魔大陸へのゲートの異常

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 ついに、ソーロン帝国の神殿内から異常が発生したようだ。魔大陸に繋がるゲートから、大量のマナが放出され始めたようだ。神殿内の神官達は、どうしていいか分からず、神官長に相談した。しかし、神官長も、事態を把握できないでいた。

 魔王軍に関する内容は、国王と神殿長だけが知るソーロン帝国の秘密だからだ。国王は、軍隊を派遣して、魔大陸から、魔族が溢れ出さないように、準備を始めた。

 神殿長は、神官達を退避させて、厳しいかん口令を敷いた。どうも、世界が不安定になると大気の魔力濃度が高くなるようだ。そのため、魔大陸へも高濃度の魔力が流れ込んで行ったのだろう。

 今でも、魔大陸のゲートは、大気の魔力を自然と吸収して、魔火山に蓄積しているのだろう。これは、推測だが、今回の黒死病での死者が多さが、影響しているのではないだろうか? また、周りの人々が死ぬことで、多くの民が不安になったのではないだろうか?

 このまま、魔力濃度が高まると魔火山の噴火や魔王の完全復活につながる。そして、それは、いつ起こっても不思議でない。取り敢えず、現状報告を兼ねて、ガーベラに思念伝達で、連絡を取った。

 「ガーベラ、ムーンだけど、少し、悪い報告だ」

 「どうしたの、やけに暗い声ね」

 「実は、ソーロン帝国の神殿内にある魔大陸へのゲートに異常が発生したようだ。神殿内がパニックになっているようだ」

 「それって、魔火山が噴火したってこと?」

 「いいや、それは、まだだよ。でも、いつ噴火してもおかしくない状態になってきているってことなんだ」 

 「私は、何をしたらいいの?」

 「今の所は、現状を知って貰っているだけでいい」

 「私に、出来ることがあれば、直ぐに言ってね」

 「分かった」

 私は、ガーベラとの思念伝達を切った。まだ、最悪の状態になったわけではない。私は、自分に言い聞かせて、今、出来ることを一つずつ仕上げていくことにした。まずは、このミヤーコ王国の黒死病だ。幸いにも、サルビア達の活躍で、ミヤーコ王国での黒死病対応は、一応の成果を見せた。そこで、サルビア達は、後の事は、ミヤーコ王国の神殿の神官達に任せることにして、一度、光魔法治療学院に戻る事にした。

 「ムーン、私、一度戻る事にするわ」

 「分かった。これまで、ありがとう。君が連れて来てくれた教師や生徒は、本当によく働いくれたよ」

 「ムーンは、どうするの?」

 「私は、最後まで、見届けるつもりだよ」

 「身体の方は、大丈夫? 無理しているのではないの?」

 「大丈夫だよ。こう見えて、結構丈夫なんだよ」

 「そう、それならいいけど。本当に、無理をしないでね」

 「わかっているよ」

 「それじゃ、行くね」

 「後かたずけが終わったら、会いに行くよ」

 「うん。うれしいわ」

 サルビアと一部の教師と生徒は、テラ・ワールドの支店にある魔法陣を利用して、転移魔法で、光魔法治療学院に移動した。残りの生徒達も、引率の教師に連れられて、戻る準備を始めていた。

 ミヤーコ王国でのペストによる感染者は、収束している。そして、死亡者がほぼなくなった。十分に管理できている。ただ、神官達に後を任せることができるかというと、少し、疑問だ。

 サルビアの適格な指示があったから、曲りなりでも、組織的に動けていたが、そのリーダ的な存在が居なくなった今、神官達が組織的に動けるとは、到底思えない。そして、私は、サルビアの代わりをするほど、お人好しではない。特に、神殿に対しては、素直に手伝おうとは、思えない。いつの間にか、神殿を敵対視するようになっていた。

 だが、ペストに感染して苦しんでいるミヤーコ王国の民に恨みはない。だから、出来ることは、やって来たつもりだ。もうすぐ、ガーベラが派遣してくれた下水道工事の専門家チームがやってくる。後は、彼らに任せることにした。

 私は、マリーに思念伝達で、連絡を取った。

 「マリー、ムーンだ。赤の竜人ルーブロマ・ドラコは、どうしている?」

 「テラ・ワールドの武器などが届いたようで、魔王軍を討伐するための準備をしています。既に多くの部下をソーロン帝国に移動しています」

 「そうか。それで、何時攻撃を開始する予定だ」

 「それは、分りませんが、今の様子では、あと1週間か、2週間後だと思われます」

 「わかった。引き続き、監視をしてくれ」

 「了解しました」

 私は、マリーとの思念伝達を切った。いよいよ、竜人達が進行するのか。

 私は、久しぶりにスピアに思念伝達で、連絡を取った。

 「スピア、ムーンだ。元気かな?」

 「ムーン、どうしたの?」

 「実は、魔王が完全復活しそうなんだ」

 「スピア、手伝うよ」

 「テラjrは、どんな様子だ」

 「一度、見に来てよ。以前のテラにそっくりよ」
 
 「もう、10才だったかな?」

 「11才になったわ。もうすぐ、成人よ」

 「そうか、社交界デビューもすぐだね」

 「そうよ。そして、テラに似て、凄い魔力量よ」

 「そうか。それなら、安泰だね。たとえ、魔王軍が攻めて来ても、負けることはないね」

 「ムーンは、魔王軍を倒しに行くの? もし、行くのなら、私も、行くわ」

 「私は、様子を見ている。私達に危害を加えるようなら、戦うよ」

 「もうすぐ、竜人達が、攻撃を仕掛けるようなんだ。少なくとも、その結果を見てからだね。でも、何が起こるかわからないから、念のためにスピアの友達をスピアの城に集めておいてくれるかな」

 「いいわ。直ぐに、連絡を入れるわ」

 「ありがとう。また、連絡するよ」

 私は、スピアとの思念伝達を切った。そうか。もう、11才になるのか。この数年は、カタリナの傍で生活していたので、ルナjrにも長らくあっていなかったな。今後の事について、考えないといけない時期になったようだ。

 スピアとレイカには、テラjrが、そして、ガーベラには、ルナjrがいる。カタリナには、私、ムーンだけだ。

 一度、カタリナの望みを聞いておく必要がありそうだ。 
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