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第28章 魔大陸編
2804.魔王討伐の準備
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偽の魔王モリーロと共に、ミヤーコ王国とアータキ国で、それぞれ、聖盾と聖防具を手に入れることが出来た。しかし、肝心の聖剣については、何の情報も得ることができなかった。
これだけ、探しても聖剣についての情報が得られないということは、おそらく、フラン連合国内には、無いということだろう。それなら、他の国は、どうだろうか?
考えられるのは、竜人族や魔人族などだが、これは、無駄だろう。もし、竜人族が隠し持っているなら、聖剣を使える人物を探してから、魔王軍に侵攻するはずだ。だが、竜人族は、もう、既に、魔王軍に対して、侵攻している。
そして、魔人族は、竜人族以上に、可能性がないだろう。そうすると、未だに、探していない場所は、アストーリア大陸しかないではないか。
あの奇妙な大陸は、非常に強い磁場によって、守られていた。もしかすると、勇者は、あの高濃度の磁場に耐えられるのかもしれない。それ故、勇者にしか、聖剣が渡らないようになっているのかもしれない。
そう考えると、聖剣に関しては、国王が守る必要もないということになる。それ故、聖剣に関する情報が一切集まらないのだろう。
私は、モリーロを解放して、アストーリア大陸へ向かうことにした。以前、天然の磁石が取れなくなっていると進言されていたのに、それっきりにしていたことを、少し、後悔した。
私は、レンゲーに思念伝達で、連絡を取った。
「レンゲーか? 今、アストーリア大陸の基地にいる。現在の状況を教えてくれないか?」
「はい、以前報告したときと、大差はないです。でも、指示されたように、自然磁石に代わる金属の探索をしていたのですが、旨く見つかったようです。カーリンから、報告はありませんか?」
「私は、聞いていないが、順調ならそれでいい。それなら、自然磁石が取れなくなっても構わないか?」
「はい、大丈夫だと思います。ムーン様、どうするのですか?」
「アストーリア大陸の磁場の最も強い場所を掘り出してしまうつもりだ」
「分かりました。カーリンに人口磁石の大量生産を急がせます」
「よろしく頼む」
「了解しました」
私は、レンゲーとの思念伝達を切って、アストーリア大陸の中心に向かって行った。少しずつ、磁場が強くなるのを感じながら、最も、磁場が強い場所を目指して、進んで行った。
「そろそろ、磁場が強すぎて、ふらふらしてきたな」
私は、闇魔法で、身体全体にバリアーを張って、磁場の影響を最小限にした。そして、土魔法で、地下を掘り進めて行った。
暫くすると、もっとも、磁場が強い場所まで、到達することができた。
「ここ辺りが、もっとも磁場が強い場所だな。闇魔法のバリアーも、何とか持った」
私は、土魔法で、磁場のコアと言うべき場所を中心に半径3mの球体を切り取って、地上に運んだ。
そして、地上に置かれた球体を土魔法で、削り取り、コアの部分がむき出しになるようにした。
やがて、コアの部分から、強い光が放射されていることが分かった。更に削り取ると、その光は、次第に明るさを増して、夜の平面を昼間の様に照らし始めた。
私は、眩しさを堪えながら、更に削り取って行った。すると、青白く光り輝く聖剣が現れた。
「これが、聖剣か」
私は、その聖剣を両手で握りしめた。すると、先ほどまで、眩しかった聖剣の光が和らぎ、ついには、消えた。
「やっと、手に入れた。しかし、私は、勇者ではないが、この聖剣は効果を発揮してくれるだろうか?」
私は、賢者サビオによって、召喚された。決して、勇者ではない。しかし、私も、賢者のはしくれだ。勇者の手助けぐらいは、出来るはずだ。本当の勇者が召喚されるまで、私が、守って行く。
「本来なら、女王カタリナが、勇者を召喚するはずだ。だが、まだ、何の兆候もない。本当に、そうなのか?」
私は、少し、不安になった。最近、忙しくてカタリナとゆっくりと話をしていない。一度、戻って、確認すべきだろう。
私は、これまでの状況を思念伝達で、ガーベラに伝えておくことにした。そして、スペアにも、伝えておくことにした。
「ガーベラ、ムーンだ。今、話をしてもいいか?」
「こんな夜中にどうしたの? 何か、起こったの?」
「そうでは、ないが、これまで、単独で行動してきた結果を伝えておくよ」
「えっ、聖剣が見つかったの?」
「そうだよ。よくわかったね」
「あれだけ、情報を得ようとしていたのだから、当然よ」
「そうだね。これまで、ガーベラには、色々と手数を掛けたね」
「そんなこと、当り前よ。遠慮せずに、何でも言ってね」
「分かった。これで、聖剣・聖盾・聖防具が私の手にある。だが、私は、勇者ではない」
「そうね。それで、どうするの?」
「勇者が、召喚されるのかを確認する。もし、召喚されるなら、それまで、私がこれらの物を保管しておく」
「もし、召喚されないのなら、どうするの?」
「うーん、どうしようか?」
「無理は、しないでね」
「それは、分っているのだけどね」
「まさか、魔王討伐に行くのではないよね」
「うーん、どうしようか?」
「迷うことはないわ。勇者召喚の手助けをすればいいのよ」
「そうだね。直ぐに、会いにいくよ」
「待っているわ。もう、これ以上、勝手な行動はやめてよ。必ず、先に相談してね」
「分かった」
私は、ガーベラとの思念伝達を切って、スピアに思念伝達で、連絡を取った。そして、ガーベラとの思念伝達と同様に、これまでの経緯を話した。
これだけ、探しても聖剣についての情報が得られないということは、おそらく、フラン連合国内には、無いということだろう。それなら、他の国は、どうだろうか?
考えられるのは、竜人族や魔人族などだが、これは、無駄だろう。もし、竜人族が隠し持っているなら、聖剣を使える人物を探してから、魔王軍に侵攻するはずだ。だが、竜人族は、もう、既に、魔王軍に対して、侵攻している。
そして、魔人族は、竜人族以上に、可能性がないだろう。そうすると、未だに、探していない場所は、アストーリア大陸しかないではないか。
あの奇妙な大陸は、非常に強い磁場によって、守られていた。もしかすると、勇者は、あの高濃度の磁場に耐えられるのかもしれない。それ故、勇者にしか、聖剣が渡らないようになっているのかもしれない。
そう考えると、聖剣に関しては、国王が守る必要もないということになる。それ故、聖剣に関する情報が一切集まらないのだろう。
私は、モリーロを解放して、アストーリア大陸へ向かうことにした。以前、天然の磁石が取れなくなっていると進言されていたのに、それっきりにしていたことを、少し、後悔した。
私は、レンゲーに思念伝達で、連絡を取った。
「レンゲーか? 今、アストーリア大陸の基地にいる。現在の状況を教えてくれないか?」
「はい、以前報告したときと、大差はないです。でも、指示されたように、自然磁石に代わる金属の探索をしていたのですが、旨く見つかったようです。カーリンから、報告はありませんか?」
「私は、聞いていないが、順調ならそれでいい。それなら、自然磁石が取れなくなっても構わないか?」
「はい、大丈夫だと思います。ムーン様、どうするのですか?」
「アストーリア大陸の磁場の最も強い場所を掘り出してしまうつもりだ」
「分かりました。カーリンに人口磁石の大量生産を急がせます」
「よろしく頼む」
「了解しました」
私は、レンゲーとの思念伝達を切って、アストーリア大陸の中心に向かって行った。少しずつ、磁場が強くなるのを感じながら、最も、磁場が強い場所を目指して、進んで行った。
「そろそろ、磁場が強すぎて、ふらふらしてきたな」
私は、闇魔法で、身体全体にバリアーを張って、磁場の影響を最小限にした。そして、土魔法で、地下を掘り進めて行った。
暫くすると、もっとも、磁場が強い場所まで、到達することができた。
「ここ辺りが、もっとも磁場が強い場所だな。闇魔法のバリアーも、何とか持った」
私は、土魔法で、磁場のコアと言うべき場所を中心に半径3mの球体を切り取って、地上に運んだ。
そして、地上に置かれた球体を土魔法で、削り取り、コアの部分がむき出しになるようにした。
やがて、コアの部分から、強い光が放射されていることが分かった。更に削り取ると、その光は、次第に明るさを増して、夜の平面を昼間の様に照らし始めた。
私は、眩しさを堪えながら、更に削り取って行った。すると、青白く光り輝く聖剣が現れた。
「これが、聖剣か」
私は、その聖剣を両手で握りしめた。すると、先ほどまで、眩しかった聖剣の光が和らぎ、ついには、消えた。
「やっと、手に入れた。しかし、私は、勇者ではないが、この聖剣は効果を発揮してくれるだろうか?」
私は、賢者サビオによって、召喚された。決して、勇者ではない。しかし、私も、賢者のはしくれだ。勇者の手助けぐらいは、出来るはずだ。本当の勇者が召喚されるまで、私が、守って行く。
「本来なら、女王カタリナが、勇者を召喚するはずだ。だが、まだ、何の兆候もない。本当に、そうなのか?」
私は、少し、不安になった。最近、忙しくてカタリナとゆっくりと話をしていない。一度、戻って、確認すべきだろう。
私は、これまでの状況を思念伝達で、ガーベラに伝えておくことにした。そして、スペアにも、伝えておくことにした。
「ガーベラ、ムーンだ。今、話をしてもいいか?」
「こんな夜中にどうしたの? 何か、起こったの?」
「そうでは、ないが、これまで、単独で行動してきた結果を伝えておくよ」
「えっ、聖剣が見つかったの?」
「そうだよ。よくわかったね」
「あれだけ、情報を得ようとしていたのだから、当然よ」
「そうだね。これまで、ガーベラには、色々と手数を掛けたね」
「そんなこと、当り前よ。遠慮せずに、何でも言ってね」
「分かった。これで、聖剣・聖盾・聖防具が私の手にある。だが、私は、勇者ではない」
「そうね。それで、どうするの?」
「勇者が、召喚されるのかを確認する。もし、召喚されるなら、それまで、私がこれらの物を保管しておく」
「もし、召喚されないのなら、どうするの?」
「うーん、どうしようか?」
「無理は、しないでね」
「それは、分っているのだけどね」
「まさか、魔王討伐に行くのではないよね」
「うーん、どうしようか?」
「迷うことはないわ。勇者召喚の手助けをすればいいのよ」
「そうだね。直ぐに、会いにいくよ」
「待っているわ。もう、これ以上、勝手な行動はやめてよ。必ず、先に相談してね」
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