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第3章 結婚
第37話 やつれたユイカ
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今朝は、ヤーロンが、ピアの事を話してくれたの。
「今朝、テルース様が来られて、これから、ピア様もこの城に済むから、部屋を用意するように言われました」
「ピアは、私も知っているわ」
「ピア様の部屋は、外から直ぐに分かるようにしています」
「ヤーロン、分かったわ」
テルースは、ピアと仲良しで、いつも、ピアの背に乗って走り回っているの。仲が良すぎて、嫉妬してしまいそう。
城にも慣れて来て、少し落ち着いてきたと思った時なの。なんだか、おかしいと思いながら、その内に来るわって、思っていたけど、何時まで経っても来ないの。それで、心配になって、テルースに相談することにしたの。
私は、朝になると直ぐに、ドアをノックもせずにテルースの部屋の中に飛び込んで行ったわ。
「テルース、私、変なの」
「どうしたの? いつものものが遅れているの」
急なことで、テルースもビックリしているみたい。
「それで、気分でも悪いの?」
そうじゃないの。テルースったら、鈍感なんだから。
「そうじゃなくて、少し、不安なの。こんなことって、今までなかったの」
「そういうことも、あるのじゃない? 疲れているとか」
「私、疲れていないよ。テルース、私の身体を調べてくれる?」
「わかった。ベッドで、横になってごらん」
テルースは、スキル鑑定で、私カの健康状態を調べてくれたわ。
「ユイカ、心配ないよ。病気には、なっていないよ。もし、そうであっても、僕が治すよ。だから、心配しないで、しっかり、食べるんだよ。もし、吐き気がしたら、すぐに、僕を呼んでね」
「そう、病気じゃないのね。よかった。あれが来なかったら、どうしよって、思ってたの」
「ユイカは、何を心配しているの? なんでも、僕に言ってね」
「これは、あの、出来たのかなって。いえ、そんなことあるはずないのに、だって、テルースは、私といっしょでしょ」
「何を心配しているのか、分からないけど。何も心配ないよ。ただ、周りの人が変に思うかもしれないから、相談は、僕だけにしてね。他の人には、話したらだめだよ」
「うん。こんなこと、他の人には、話せないよ。変なことを噂されそうだから」
「なんだい、変な事って、気になるよ。教えて」
「こんなこと、テルースにも、言えないよ。言ったら、嫌われる。そんなの嫌よ。本当に、わたし、何もしていないのよ」
「どうしたの。落ち着いてよ」
テルースは、私を強く抱きしめてくれたの。そして、背中を撫でてくれたわ。それから、私を抱き上げて、そのまま、ベッドに連れて行き、慰めてくれたの。
暫く、テルースと一緒にベッドで横になっていると、安心した為か、いつの間にか眠ってしまったの。
「あっ、テルース。もう、起きていたの」
「ユイカ、気分は、どう?」
「うん、もう、大丈夫よ。気分もいいわ」
「それなら、良かった。少し、相談したいんだ」
「何?」
「僕は、ユイカの事が心配なんだ。だから、今日からは、一緒に過ごさないか?」
「今も、一緒に住んでいるよ。それとも、どこかへ行くの?」
「そうだね。それでも、いいかも」
「テルースは、どこか、旅行でも行きたいの?」
「ただ、ユイカと本当に一緒に居たいと思っただけだよ。余り、旅行って、気分ではないよ」
「そうね。私も、テルースと二人だけになりたい」
「そうか。それなら、少し、待っていてね」
テルースは、誰かと思念伝達で連絡を取っているようだったわ。
「それじゃ、いっしょに行こう」
テルースは、私を抱いて、転送魔法で移動した。そして、到着すると急いで、2階建ての小さな家を建てたの。そして、何か結界みたいなものを張り巡らせているようだったわ。
「さあ、出来たよ。ここが、僕たち2人だけの新しい家だよ」
「本当に、2人だけね。あのエイコ先生も来ないよね」
「もちろんだよ。ユイカが嫌いな人は、だれも、この家には入れないよ」
「ここで、僕だけ、見ていて欲しい」
「もちろんだよ。テルースしか、見ないよ」
私は、テルースにお姫様抱っこをされて、新しい2人だけの家に入っていった。
2階に上がり、大きなベッドに寝かせたの。ベッドの周りには、レースのカーテンで、ベッドが隠れるようにしてあったわ。
「ここで、寝ていてね。食事の用意をするよ」
「テルース、私がするよ。食事の用意は、私にさせてよ」
「分かったよ。一緒にしよう。それで、いいだろ」
「はい、旦那さま」
「急に、どうしたんだ」
「前から、一度、そう呼んでみたかったの。でも、城では他の人もいるし、特に最近は、エイコ先生が雇った従業員も多いの。その人達ったら、私のことをいちいちエイコ先生に言っているのよ」
「そうか。エイコが、新しく従業員を雇っていることは知っていたけど。ユイカを見張らせていたなんて、初めて知ったよ」
「本当に、嫌よね」
テルースは、アイテムボックスから、朝食用の皿やパンや卵を出してテーブルに並べて行った。私は、それを2人分に取り分け、それぞれの皿に盛っていったの。
テルースは、魔法でポットに水を入れ、お湯にした。そして、私に訊いて来たの。
「ユイカは、ホットがいい? アイスがいい?」
「そうね。アイスティーにしてくれる」
「いいよ」
テルースは、ガラスのコップを2つ造り、中に氷を作った。それから、濃い目の紅茶をポットから、流し込んで行ったわ。少しすると、コップの周りに、水滴が付き始めたの。
「ユイカ、ミルクと砂糖は、いる?」
「テルースは?」
「僕は、ストレートだよ。そのまま飲むよ」
「それなら、私もそのままでいい。テルースと同じがいいの」
「分かった。それじゃ、食べようか」
私達は、2人で用意した、食事を楽しく食べたわ。これからは、2人だけの生活ね。やっと、あの厭な生活から抜け出せるのね。
「今朝、テルース様が来られて、これから、ピア様もこの城に済むから、部屋を用意するように言われました」
「ピアは、私も知っているわ」
「ピア様の部屋は、外から直ぐに分かるようにしています」
「ヤーロン、分かったわ」
テルースは、ピアと仲良しで、いつも、ピアの背に乗って走り回っているの。仲が良すぎて、嫉妬してしまいそう。
城にも慣れて来て、少し落ち着いてきたと思った時なの。なんだか、おかしいと思いながら、その内に来るわって、思っていたけど、何時まで経っても来ないの。それで、心配になって、テルースに相談することにしたの。
私は、朝になると直ぐに、ドアをノックもせずにテルースの部屋の中に飛び込んで行ったわ。
「テルース、私、変なの」
「どうしたの? いつものものが遅れているの」
急なことで、テルースもビックリしているみたい。
「それで、気分でも悪いの?」
そうじゃないの。テルースったら、鈍感なんだから。
「そうじゃなくて、少し、不安なの。こんなことって、今までなかったの」
「そういうことも、あるのじゃない? 疲れているとか」
「私、疲れていないよ。テルース、私の身体を調べてくれる?」
「わかった。ベッドで、横になってごらん」
テルースは、スキル鑑定で、私カの健康状態を調べてくれたわ。
「ユイカ、心配ないよ。病気には、なっていないよ。もし、そうであっても、僕が治すよ。だから、心配しないで、しっかり、食べるんだよ。もし、吐き気がしたら、すぐに、僕を呼んでね」
「そう、病気じゃないのね。よかった。あれが来なかったら、どうしよって、思ってたの」
「ユイカは、何を心配しているの? なんでも、僕に言ってね」
「これは、あの、出来たのかなって。いえ、そんなことあるはずないのに、だって、テルースは、私といっしょでしょ」
「何を心配しているのか、分からないけど。何も心配ないよ。ただ、周りの人が変に思うかもしれないから、相談は、僕だけにしてね。他の人には、話したらだめだよ」
「うん。こんなこと、他の人には、話せないよ。変なことを噂されそうだから」
「なんだい、変な事って、気になるよ。教えて」
「こんなこと、テルースにも、言えないよ。言ったら、嫌われる。そんなの嫌よ。本当に、わたし、何もしていないのよ」
「どうしたの。落ち着いてよ」
テルースは、私を強く抱きしめてくれたの。そして、背中を撫でてくれたわ。それから、私を抱き上げて、そのまま、ベッドに連れて行き、慰めてくれたの。
暫く、テルースと一緒にベッドで横になっていると、安心した為か、いつの間にか眠ってしまったの。
「あっ、テルース。もう、起きていたの」
「ユイカ、気分は、どう?」
「うん、もう、大丈夫よ。気分もいいわ」
「それなら、良かった。少し、相談したいんだ」
「何?」
「僕は、ユイカの事が心配なんだ。だから、今日からは、一緒に過ごさないか?」
「今も、一緒に住んでいるよ。それとも、どこかへ行くの?」
「そうだね。それでも、いいかも」
「テルースは、どこか、旅行でも行きたいの?」
「ただ、ユイカと本当に一緒に居たいと思っただけだよ。余り、旅行って、気分ではないよ」
「そうね。私も、テルースと二人だけになりたい」
「そうか。それなら、少し、待っていてね」
テルースは、誰かと思念伝達で連絡を取っているようだったわ。
「それじゃ、いっしょに行こう」
テルースは、私を抱いて、転送魔法で移動した。そして、到着すると急いで、2階建ての小さな家を建てたの。そして、何か結界みたいなものを張り巡らせているようだったわ。
「さあ、出来たよ。ここが、僕たち2人だけの新しい家だよ」
「本当に、2人だけね。あのエイコ先生も来ないよね」
「もちろんだよ。ユイカが嫌いな人は、だれも、この家には入れないよ」
「ここで、僕だけ、見ていて欲しい」
「もちろんだよ。テルースしか、見ないよ」
私は、テルースにお姫様抱っこをされて、新しい2人だけの家に入っていった。
2階に上がり、大きなベッドに寝かせたの。ベッドの周りには、レースのカーテンで、ベッドが隠れるようにしてあったわ。
「ここで、寝ていてね。食事の用意をするよ」
「テルース、私がするよ。食事の用意は、私にさせてよ」
「分かったよ。一緒にしよう。それで、いいだろ」
「はい、旦那さま」
「急に、どうしたんだ」
「前から、一度、そう呼んでみたかったの。でも、城では他の人もいるし、特に最近は、エイコ先生が雇った従業員も多いの。その人達ったら、私のことをいちいちエイコ先生に言っているのよ」
「そうか。エイコが、新しく従業員を雇っていることは知っていたけど。ユイカを見張らせていたなんて、初めて知ったよ」
「本当に、嫌よね」
テルースは、アイテムボックスから、朝食用の皿やパンや卵を出してテーブルに並べて行った。私は、それを2人分に取り分け、それぞれの皿に盛っていったの。
テルースは、魔法でポットに水を入れ、お湯にした。そして、私に訊いて来たの。
「ユイカは、ホットがいい? アイスがいい?」
「そうね。アイスティーにしてくれる」
「いいよ」
テルースは、ガラスのコップを2つ造り、中に氷を作った。それから、濃い目の紅茶をポットから、流し込んで行ったわ。少しすると、コップの周りに、水滴が付き始めたの。
「ユイカ、ミルクと砂糖は、いる?」
「テルースは?」
「僕は、ストレートだよ。そのまま飲むよ」
「それなら、私もそのままでいい。テルースと同じがいいの」
「分かった。それじゃ、食べようか」
私達は、2人で用意した、食事を楽しく食べたわ。これからは、2人だけの生活ね。やっと、あの厭な生活から抜け出せるのね。
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