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第14話 魔結界の秘密
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翌朝。
俺は家族が起きる前にベビーとともに家を出た。
当然向かうのは公園にある俺所有のダンジョン、その名も白金の大迷宮だ。
道すがらコンビニで食料を買い込むと、それらをベビーと食べながら公園へとたどり着く。
するとダンジョンの入り口の前に人影は一切なかった。
やはり朝早くに家を出て正解だったようだ。
「残りはダンジョンの中で食べるとしよう」
『うん、わかった』
俺は背中にかけたワンショルダーバッグにパンや飲み物を詰め込むと、ベビーを連れてダンジョンの中へと下りていく。
◆ ◆ ◆
ダンジョンに下り立った俺たちの目の前にはすやすやと眠っているスライムがいた。
よく見るとそのスライムの下には薬草があって、スライムはその薬草をまるでベッド代わりにしているようだった。
『マスター、スライムがいるよっ』
「ああ、そうだな」
『気持ちよさそうに眠ってるね。あのスライム倒すの?』
俺のレベルは164。
今さらスライム1匹倒したところで俺のレベルに変化はない。
降りかかる火の粉は全力で払うが、俺にメリットがないのならばあえて倒す必要もないだろう。
俺だって鬼ではない。
そう考え、俺は、「いや、そっとしておこう」と小さく返す。
『マスターは優しいね』
「ふん、でもゴールドメタルスライムをみつけたら、そいつは倒すからな」
『うん、それはおいらに任せてよっ』
ベビーは胸を張るかのように、少しだけ体を膨らませた。
薬草の買い取り価格は一枚5000円。
正直言うと、スライムを起こして薬草だけいただきたいところではあったが、ベビーに優しいと褒められた手前、俺はそれもスルーすることにした。
自分の見栄っ張りな性格がやや恨めしい。
「さて、行くか」
『うんっ』
俺とベビーは、寝ているスライムを起こすことなくその場をあとにすると、ダンジョンの奥に向かっていった。
◆ ◆ ◆
ダンジョンの中には多種多様なモンスターが出現する。
それはスライムやゴブリンなどの低級のモンスターから、ホブゴブリンなどの中級モンスター、果ては俺がまだ出遭ったことのない、話でしか聞いたことのないような強力な上級モンスターまで現れる。
また、弱いモンスターは出現率が高く、強いモンスターほど出現率は低いらしい。
ちなみにこれはベビーの受け売りだ。
そうこうしていると前方できらりと光り輝く物体が見えた。
俺とベビーはそれを目にして、
「ゴールドメタルスライムだ!」
『ゴールドメタルスライムだ!』
と声をそろえる。
「ベビー、早速お前の魔結界とやらであいつの動きを封じてくれ」
俺はベビーに頼んでみた。
だが、ベビーは、『魔結界は5メートル以内じゃないと効果がないんだよね』とささやき返す。
「え、そうなの?」
少し期待外れだったものの、俺は気を取り直した。
前方のゴールドメタルスライムをじっと観察してみたところ、どうやら向こうはまだ俺たちの存在に気付いてはいないようだった。
そこで俺とベビーは、物音を立てないように気配を消して静かに近寄っていくことにした。
そして、ある程度距離を詰めた辺りで、ここなら大丈夫だろう。
俺はそう判断し、ベビーに目で合図する。
ベビーはそれを受けてこくりとうなずいた。
『魔結界っ!』
俺が見守る中、ベビーは大声を発した。
すると目の前にいたゴールドメタルスライムがびくんっと一瞬体を震わせたかと思うと、金縛りにあったかのごとく空中でぴたっと完全に停止した。
さらに近付いてゴールドメタルスライムをよく見ると、ゴールドメタルスライムの体の表面には静電気のような小さく細かい電気の膜のようなものが幾重にも張られていて、それでしびれて身動きが出来なくなっているように思えた。
『さあ、マスター。今がチャンスだよっ。おいらの魔結界は10秒間しか効き目がないから早く倒して!』
「お、おう……あのさ、一つ訊くけど、これを攻撃しても俺はしびれたりしないよな?」
『うーん、わかんない。だっておいら、その状態になったモンスターに触ったことないもん』
と急に突き放すような発言をするベビー。
『ねえ、マスター。どうでもいいけどもう時間がないよ』
「あ、ああ、わかってる」
ベビーに急かされ、俺はゴールドメタルスライムに向き直ると、大きく息を吐いてから、
「いくぞぉっ!」
自身を鼓舞するように声を大にしつつ、ゴールドメタルスライムを殴り飛ばした。
ドゴッ。
勢いよく吹っ飛び、地面を転がるゴールドメタルスライムだったが、次の瞬間、パアァッと金色の粒子となって霧散した。
直後、
『ゴールドメタルスライム撃破! レベルが231に上がりました!』
と無機質な機械音声が二日ぶりに俺の脳内に響き渡る。
「よぉしっ! さあ、この調子で今日はがんがんレベルを上げるぞっ!」
『おーっ!』
ガッツポーズを取った俺は、このあとベビーとともに、ゴールドメタルスライム狩りを本格的に開始するのだった。
俺は家族が起きる前にベビーとともに家を出た。
当然向かうのは公園にある俺所有のダンジョン、その名も白金の大迷宮だ。
道すがらコンビニで食料を買い込むと、それらをベビーと食べながら公園へとたどり着く。
するとダンジョンの入り口の前に人影は一切なかった。
やはり朝早くに家を出て正解だったようだ。
「残りはダンジョンの中で食べるとしよう」
『うん、わかった』
俺は背中にかけたワンショルダーバッグにパンや飲み物を詰め込むと、ベビーを連れてダンジョンの中へと下りていく。
◆ ◆ ◆
ダンジョンに下り立った俺たちの目の前にはすやすやと眠っているスライムがいた。
よく見るとそのスライムの下には薬草があって、スライムはその薬草をまるでベッド代わりにしているようだった。
『マスター、スライムがいるよっ』
「ああ、そうだな」
『気持ちよさそうに眠ってるね。あのスライム倒すの?』
俺のレベルは164。
今さらスライム1匹倒したところで俺のレベルに変化はない。
降りかかる火の粉は全力で払うが、俺にメリットがないのならばあえて倒す必要もないだろう。
俺だって鬼ではない。
そう考え、俺は、「いや、そっとしておこう」と小さく返す。
『マスターは優しいね』
「ふん、でもゴールドメタルスライムをみつけたら、そいつは倒すからな」
『うん、それはおいらに任せてよっ』
ベビーは胸を張るかのように、少しだけ体を膨らませた。
薬草の買い取り価格は一枚5000円。
正直言うと、スライムを起こして薬草だけいただきたいところではあったが、ベビーに優しいと褒められた手前、俺はそれもスルーすることにした。
自分の見栄っ張りな性格がやや恨めしい。
「さて、行くか」
『うんっ』
俺とベビーは、寝ているスライムを起こすことなくその場をあとにすると、ダンジョンの奥に向かっていった。
◆ ◆ ◆
ダンジョンの中には多種多様なモンスターが出現する。
それはスライムやゴブリンなどの低級のモンスターから、ホブゴブリンなどの中級モンスター、果ては俺がまだ出遭ったことのない、話でしか聞いたことのないような強力な上級モンスターまで現れる。
また、弱いモンスターは出現率が高く、強いモンスターほど出現率は低いらしい。
ちなみにこれはベビーの受け売りだ。
そうこうしていると前方できらりと光り輝く物体が見えた。
俺とベビーはそれを目にして、
「ゴールドメタルスライムだ!」
『ゴールドメタルスライムだ!』
と声をそろえる。
「ベビー、早速お前の魔結界とやらであいつの動きを封じてくれ」
俺はベビーに頼んでみた。
だが、ベビーは、『魔結界は5メートル以内じゃないと効果がないんだよね』とささやき返す。
「え、そうなの?」
少し期待外れだったものの、俺は気を取り直した。
前方のゴールドメタルスライムをじっと観察してみたところ、どうやら向こうはまだ俺たちの存在に気付いてはいないようだった。
そこで俺とベビーは、物音を立てないように気配を消して静かに近寄っていくことにした。
そして、ある程度距離を詰めた辺りで、ここなら大丈夫だろう。
俺はそう判断し、ベビーに目で合図する。
ベビーはそれを受けてこくりとうなずいた。
『魔結界っ!』
俺が見守る中、ベビーは大声を発した。
すると目の前にいたゴールドメタルスライムがびくんっと一瞬体を震わせたかと思うと、金縛りにあったかのごとく空中でぴたっと完全に停止した。
さらに近付いてゴールドメタルスライムをよく見ると、ゴールドメタルスライムの体の表面には静電気のような小さく細かい電気の膜のようなものが幾重にも張られていて、それでしびれて身動きが出来なくなっているように思えた。
『さあ、マスター。今がチャンスだよっ。おいらの魔結界は10秒間しか効き目がないから早く倒して!』
「お、おう……あのさ、一つ訊くけど、これを攻撃しても俺はしびれたりしないよな?」
『うーん、わかんない。だっておいら、その状態になったモンスターに触ったことないもん』
と急に突き放すような発言をするベビー。
『ねえ、マスター。どうでもいいけどもう時間がないよ』
「あ、ああ、わかってる」
ベビーに急かされ、俺はゴールドメタルスライムに向き直ると、大きく息を吐いてから、
「いくぞぉっ!」
自身を鼓舞するように声を大にしつつ、ゴールドメタルスライムを殴り飛ばした。
ドゴッ。
勢いよく吹っ飛び、地面を転がるゴールドメタルスライムだったが、次の瞬間、パアァッと金色の粒子となって霧散した。
直後、
『ゴールドメタルスライム撃破! レベルが231に上がりました!』
と無機質な機械音声が二日ぶりに俺の脳内に響き渡る。
「よぉしっ! さあ、この調子で今日はがんがんレベルを上げるぞっ!」
『おーっ!』
ガッツポーズを取った俺は、このあとベビーとともに、ゴールドメタルスライム狩りを本格的に開始するのだった。
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