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第22話 才川さんの実家
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「ここが才川さんの家かぁ」
翌日、俺は結衣さんとともに結衣さんの婚約者である才川さんの実家の前に立っていた。
それは思っていた以上の豪邸で、いやが応にも緊張感が増していく。
「こんにちは。結衣です」
インターホン越しに結衣さんが挨拶をした。
すると、「はーい、待ってたわ。上がってちょうだい」と上品そうな声が返ってきた。
おそらく才川さんのお母さんだろう。
「行きましょ、賢吾くん」
「は、はい」
俺は結衣さんのあとに続いて才川邸へと向かった。
「お義母さん、お邪魔します。こっちの彼が前に話した木崎賢吾くんです」
「は、はじめまして。木崎賢吾です。よろしくお願いします」
「あらあら、そんなにかしこまらないで。私は卓也の母で才川みどりです。よろしくね」
「はい、こちらこそよろしくお願いします」
玄関で才川さんのお母さんに挨拶を済ませた俺は、才川さんのお母さんにうながされ結衣さんとともに家に上がらせてもらう。
長い廊下を歩きながら、
「ごめんね、変なお願いしちゃって。しかも当の本人は自分の部屋から出てこないで賢吾さんを出迎えもしないんだもの。本当に困った人なんだから、もう」
才川さんのお母さんが悩ましげな顔で言った。
俺はそれにどう返していいかわからず、
「はぁ、いえいえ……」
としょうもない相槌を打つ。
「それに卓也も仕事で立ち会えないとか言って、本当うちの男たちは勝手なんだから」
「いえ、卓也さんのお仕事は卓也さん以外には出来ない大事なお仕事ですから。大丈夫ですよ」
「ありがとう結衣さん。そう言ってもらえると助かるわ」
才川さんのお母さんの話では、今日は才川さんは留守らしい。
そして才川さんのお父さんは、どうやら気難しそうな人のようだ。
ふぅ~、マズい。余計に緊張してきた。
「あなた、結衣さんと賢吾さんがいらっしゃったわよっ」
年季の入った扉の前で立ち止まった才川さんのお母さんが部屋の中に声をかける。
すると、
「入ってもらいなさい」
野太い声が部屋の中から聞こえてきた。
「さあ、二人とも入ってちょうだいな」
「はい、失礼します」
「は、はい」
俺たちは才川さんのお母さんと一緒に部屋の中へと入る。
そこは書斎のような造りの部屋だった。
壁一面が作り付けの書棚になっており、そこにぎっしりと本が並んでいる。
「お義父様、こんにちは。お邪魔しています」
「あなた、こちらが賢吾さんよ」
「は、はじめまして。木崎賢吾です」
「よく来たね賢吾くん。まあ、そんなところに立ってないで、こっちに来て腰かけなさい」
「は、はい」
俺と結衣さんは才川さんのお父さんの向かいのソファに並んで座ると、才川さんのお父さんの話を聞くことにした。
才川さんのお母さんは、「お飲み物を持ってくるわね」と一旦部屋を出ていく。
「では、早速だが本題に入るとしようか」
そう前置くと、才川さんのお父さんは自宅に届いたという脅迫文をテーブルの上に置き、それについて語り始めた。
翌日、俺は結衣さんとともに結衣さんの婚約者である才川さんの実家の前に立っていた。
それは思っていた以上の豪邸で、いやが応にも緊張感が増していく。
「こんにちは。結衣です」
インターホン越しに結衣さんが挨拶をした。
すると、「はーい、待ってたわ。上がってちょうだい」と上品そうな声が返ってきた。
おそらく才川さんのお母さんだろう。
「行きましょ、賢吾くん」
「は、はい」
俺は結衣さんのあとに続いて才川邸へと向かった。
「お義母さん、お邪魔します。こっちの彼が前に話した木崎賢吾くんです」
「は、はじめまして。木崎賢吾です。よろしくお願いします」
「あらあら、そんなにかしこまらないで。私は卓也の母で才川みどりです。よろしくね」
「はい、こちらこそよろしくお願いします」
玄関で才川さんのお母さんに挨拶を済ませた俺は、才川さんのお母さんにうながされ結衣さんとともに家に上がらせてもらう。
長い廊下を歩きながら、
「ごめんね、変なお願いしちゃって。しかも当の本人は自分の部屋から出てこないで賢吾さんを出迎えもしないんだもの。本当に困った人なんだから、もう」
才川さんのお母さんが悩ましげな顔で言った。
俺はそれにどう返していいかわからず、
「はぁ、いえいえ……」
としょうもない相槌を打つ。
「それに卓也も仕事で立ち会えないとか言って、本当うちの男たちは勝手なんだから」
「いえ、卓也さんのお仕事は卓也さん以外には出来ない大事なお仕事ですから。大丈夫ですよ」
「ありがとう結衣さん。そう言ってもらえると助かるわ」
才川さんのお母さんの話では、今日は才川さんは留守らしい。
そして才川さんのお父さんは、どうやら気難しそうな人のようだ。
ふぅ~、マズい。余計に緊張してきた。
「あなた、結衣さんと賢吾さんがいらっしゃったわよっ」
年季の入った扉の前で立ち止まった才川さんのお母さんが部屋の中に声をかける。
すると、
「入ってもらいなさい」
野太い声が部屋の中から聞こえてきた。
「さあ、二人とも入ってちょうだいな」
「はい、失礼します」
「は、はい」
俺たちは才川さんのお母さんと一緒に部屋の中へと入る。
そこは書斎のような造りの部屋だった。
壁一面が作り付けの書棚になっており、そこにぎっしりと本が並んでいる。
「お義父様、こんにちは。お邪魔しています」
「あなた、こちらが賢吾さんよ」
「は、はじめまして。木崎賢吾です」
「よく来たね賢吾くん。まあ、そんなところに立ってないで、こっちに来て腰かけなさい」
「は、はい」
俺と結衣さんは才川さんのお父さんの向かいのソファに並んで座ると、才川さんのお父さんの話を聞くことにした。
才川さんのお母さんは、「お飲み物を持ってくるわね」と一旦部屋を出ていく。
「では、早速だが本題に入るとしようか」
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