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第27話 予選
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「おお、割と集まってるなぁ」
ダンジョン所有者限定バトルトーナメントの予選当日。
俺は開催場所である群馬県の山奥にやってきていた。
そこには大会参加者とおぼしき武器や防具を装備した人たちが40人ほどいて、中には外国人の姿もちらほら見受けられた。
「へー、わざわざ外国から来た人もいるのかな」
今大会の優勝賞金は1億円。
かなりの金額ではあるものの、ダンジョン所有者からすれば、見知らぬ人たちと戦い合ってまで欲しいほどの額ではないので、ここに集まっている人の大半はおそらく優勝賞品である使い魔の卵の方が目当てだろう。
ということは、やはり使い魔の卵はレアアイテムだったということになる。
俺が考えを巡らせていると突如、
キーン!
とハウリング音が辺りに響き渡った。
次いで、
『えー、本日お集りの皆さん、まずは今回のダンジョン所有者限定バトルトーナメント大会にご参加くださいまして誠にありがとうございます』
マイクを持ったスーツ姿の男性が俺たちの前に姿を現した。
『本日予選トーナメントを行う予定でしたが、こちらの想定以上の方々にお集まりになっていただいたことで、急遽予選はトーナメント方式ではなく、現在のステータスによって本選出場できるかどうかを決めさせていただこうかと思っております』
「それはどういうことなんだ?」
前列で話を聞いていた屈強な男が声を上げた。
『えー、つまりですね。今集まっていただいている人数でトーナメントを行うとですね、かなりの時間がかかってしまうためですね、えー、そのー、お集りの皆様のステータスをこちらのスタッフが確認しましてですね、その合計数値の高い上位8名の方を本選出場者といたしたいと思っているわけでございます』
「なんだそりゃ」
「じゃあステータスが低い奴は参加資格がないってことかよ!」
「オレたち、わざわざこんな群馬の山奥くんだりまで来たんだぜっ。戦いもしないで帰れるかよ!」
「「「そうだそうだ!!」」」
参加者の一部がわめき出す。
それを受けてマイクを持った男性は、額に汗をにじませながらおろおろとするばかり。
とそんな時、
「うるせぇなっ!」
と大声で一喝する者がいた。
その声の主に、その場にいた全員の視線が一斉に集まる。
俺も当然声のした方に顔を向けた。
するとその声の主は身長2メートル近くある大男だった。
その大男は続けて、
「うだうだうるせぇんだよ! 文句がある奴はさっさと帰れ! ステータスで足切り、大いに結構じゃねぇか! どうせ弱い奴が本選に出たって勝てるわけはねぇんだ! むしろ予選でオレみてぇなのと当たって命の危険を感じずに済むんだからありがたいと思いやがれっ!」
そんなことを言う。
それにカチンときたらしい男たちが大男に詰め寄っていき、大男を数人で取り囲んだ。
だが大男はそんなのどこ吹く風といった感じで歩き出した。
何をするのかと見ていると、大男は大きな岩の前で立ち止まった。
そして次の瞬間、
「うおらぁっ!!」
その大きな岩を殴りつけ、一瞬で粉砕してみせたのだ。
そのあまりの迫力と威力に、詰め寄っていた男たちが大男からそろそろと離れていく。
「さあ、続きを頼むぜっ」
大男に目配せされ、マイクを持った男性が、
『あ、は、はいっ、ただいまっ……えー、それではですね……』
と再び話し始めた。
大男という思わぬ人物のフォローもあって、予選はこのあとつつがなく始まるのだった。
ダンジョン所有者限定バトルトーナメントの予選当日。
俺は開催場所である群馬県の山奥にやってきていた。
そこには大会参加者とおぼしき武器や防具を装備した人たちが40人ほどいて、中には外国人の姿もちらほら見受けられた。
「へー、わざわざ外国から来た人もいるのかな」
今大会の優勝賞金は1億円。
かなりの金額ではあるものの、ダンジョン所有者からすれば、見知らぬ人たちと戦い合ってまで欲しいほどの額ではないので、ここに集まっている人の大半はおそらく優勝賞品である使い魔の卵の方が目当てだろう。
ということは、やはり使い魔の卵はレアアイテムだったということになる。
俺が考えを巡らせていると突如、
キーン!
とハウリング音が辺りに響き渡った。
次いで、
『えー、本日お集りの皆さん、まずは今回のダンジョン所有者限定バトルトーナメント大会にご参加くださいまして誠にありがとうございます』
マイクを持ったスーツ姿の男性が俺たちの前に姿を現した。
『本日予選トーナメントを行う予定でしたが、こちらの想定以上の方々にお集まりになっていただいたことで、急遽予選はトーナメント方式ではなく、現在のステータスによって本選出場できるかどうかを決めさせていただこうかと思っております』
「それはどういうことなんだ?」
前列で話を聞いていた屈強な男が声を上げた。
『えー、つまりですね。今集まっていただいている人数でトーナメントを行うとですね、かなりの時間がかかってしまうためですね、えー、そのー、お集りの皆様のステータスをこちらのスタッフが確認しましてですね、その合計数値の高い上位8名の方を本選出場者といたしたいと思っているわけでございます』
「なんだそりゃ」
「じゃあステータスが低い奴は参加資格がないってことかよ!」
「オレたち、わざわざこんな群馬の山奥くんだりまで来たんだぜっ。戦いもしないで帰れるかよ!」
「「「そうだそうだ!!」」」
参加者の一部がわめき出す。
それを受けてマイクを持った男性は、額に汗をにじませながらおろおろとするばかり。
とそんな時、
「うるせぇなっ!」
と大声で一喝する者がいた。
その声の主に、その場にいた全員の視線が一斉に集まる。
俺も当然声のした方に顔を向けた。
するとその声の主は身長2メートル近くある大男だった。
その大男は続けて、
「うだうだうるせぇんだよ! 文句がある奴はさっさと帰れ! ステータスで足切り、大いに結構じゃねぇか! どうせ弱い奴が本選に出たって勝てるわけはねぇんだ! むしろ予選でオレみてぇなのと当たって命の危険を感じずに済むんだからありがたいと思いやがれっ!」
そんなことを言う。
それにカチンときたらしい男たちが大男に詰め寄っていき、大男を数人で取り囲んだ。
だが大男はそんなのどこ吹く風といった感じで歩き出した。
何をするのかと見ていると、大男は大きな岩の前で立ち止まった。
そして次の瞬間、
「うおらぁっ!!」
その大きな岩を殴りつけ、一瞬で粉砕してみせたのだ。
そのあまりの迫力と威力に、詰め寄っていた男たちが大男からそろそろと離れていく。
「さあ、続きを頼むぜっ」
大男に目配せされ、マイクを持った男性が、
『あ、は、はいっ、ただいまっ……えー、それではですね……』
と再び話し始めた。
大男という思わぬ人物のフォローもあって、予選はこのあとつつがなく始まるのだった。
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