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第47話 夢見の札
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俺は岸田さんとともに岸田さんの所有するダンジョンの中を探索していた。
岸田さんは俺に対して「今日はわたしはただの付き添いみたいなもので、特に手出しはしませんから、みつけたアイテムはすべて木崎さんが持って帰っていいですよ」と言ってくれた。
俺は申し訳ないなと思いつつも、「ありがとう」と返しておいた。
ダンジョンの地下一階にはやはりというか、当然というか、スライムやゴブリンなどの弱いモンスターが出現した。
岸田さん曰く、
「地下深く潜れば潜るほど、出現モンスターは強力になっていきます」
とのことだった。
俺は何度も見たこともあり、幾度となく倒したことのあるスライムやゴブリンなどは無視して階下へと向かった。
ダンジョン地下二階。
ここではコボルトなるモンスターが姿を見せた。
俺は初めて遭遇したモンスターに気分が高揚し、一対一で対峙する。
『グェグェッ!』
長い爪を振り下ろしこちらに向かってくるコボルト。
俺はそれを手ではじくと、もう一方の手でコボルトの横っ面をはたいた。
その瞬間、コボルトの首が180度回り、そのまま地面に倒れる。
絶命したコボルトは塵のようになって消えていった。
「やっぱりすごいですね、木崎さん」
少し離れた場所でそれを見ていた岸田さんがぽつりとつぶやく。
「そうかな? 自分ではよくわからないけど」
あまりにも強くなりすぎていて、自分の力にあまり実感がないのが正直なところだった。
しかしそんな俺でさえ、裏ダンジョンではかなり苦戦したのだから、やはり今のままではまだ裏ダンジョンに行くにはレベルが足りないということなのだろう。
とそこへ、
『グッギギギ!』
『グェグェッ!』
前方からさらにコボルトが2体やってきた。
俺は構えると、そいつらを迎え撃った。
◆ ◆ ◆
コボルト2体が消滅するのを見届けると、あとに宝箱が残っていた。
コボルトのドロップアイテムのようだった。
俺はそれを開け、中身を拾い上げる。
「これは、お札……?」
それは、最近どこかで見たような形をしたお札だった。
だがどうにも思い出せない。
すると、
「すみません、木崎さん。さっきわたし、手に入れたアイテムは全部持ち帰ってくださいと言いましたけど、そのアイテムだけはわたしがもらってもいいですか?」
突然岸田さんが話しかけてきた。
「ん? このアイテム、なんだか知ってるの?」
岸田さんに顔を向けると、岸田さんは、
「はい。それは夢見の札といって、そのお札を貼った部屋で眠りにつくと、好きな夢を見られる確率が上がるんです。わたし寝るのが好きなので、それを集めてるんです」
と答えた。
そこで俺はハッとなる。
そういえば岸田さんの部屋には沢山のお札が貼られてあった。
それらがこの夢見の札だったってことか……。
俺は岸田さんの部屋を見てオカルト趣味でもあるのかと、不気味だと思ってしまっていたが、どうやら誤解だったようだ。
「というわけなので、もしよければわたしにくださいませんか?」
「ああ、いいよ別に」
俺は特段興味のないアイテムだったので、その夢見の札とやらを岸田さんに手渡した。
すると岸田さんは、
「ありがとうございます」
と一礼したあと、どこかしら満足げな表情を俺に見せた。
岸田さんは俺に対して「今日はわたしはただの付き添いみたいなもので、特に手出しはしませんから、みつけたアイテムはすべて木崎さんが持って帰っていいですよ」と言ってくれた。
俺は申し訳ないなと思いつつも、「ありがとう」と返しておいた。
ダンジョンの地下一階にはやはりというか、当然というか、スライムやゴブリンなどの弱いモンスターが出現した。
岸田さん曰く、
「地下深く潜れば潜るほど、出現モンスターは強力になっていきます」
とのことだった。
俺は何度も見たこともあり、幾度となく倒したことのあるスライムやゴブリンなどは無視して階下へと向かった。
ダンジョン地下二階。
ここではコボルトなるモンスターが姿を見せた。
俺は初めて遭遇したモンスターに気分が高揚し、一対一で対峙する。
『グェグェッ!』
長い爪を振り下ろしこちらに向かってくるコボルト。
俺はそれを手ではじくと、もう一方の手でコボルトの横っ面をはたいた。
その瞬間、コボルトの首が180度回り、そのまま地面に倒れる。
絶命したコボルトは塵のようになって消えていった。
「やっぱりすごいですね、木崎さん」
少し離れた場所でそれを見ていた岸田さんがぽつりとつぶやく。
「そうかな? 自分ではよくわからないけど」
あまりにも強くなりすぎていて、自分の力にあまり実感がないのが正直なところだった。
しかしそんな俺でさえ、裏ダンジョンではかなり苦戦したのだから、やはり今のままではまだ裏ダンジョンに行くにはレベルが足りないということなのだろう。
とそこへ、
『グッギギギ!』
『グェグェッ!』
前方からさらにコボルトが2体やってきた。
俺は構えると、そいつらを迎え撃った。
◆ ◆ ◆
コボルト2体が消滅するのを見届けると、あとに宝箱が残っていた。
コボルトのドロップアイテムのようだった。
俺はそれを開け、中身を拾い上げる。
「これは、お札……?」
それは、最近どこかで見たような形をしたお札だった。
だがどうにも思い出せない。
すると、
「すみません、木崎さん。さっきわたし、手に入れたアイテムは全部持ち帰ってくださいと言いましたけど、そのアイテムだけはわたしがもらってもいいですか?」
突然岸田さんが話しかけてきた。
「ん? このアイテム、なんだか知ってるの?」
岸田さんに顔を向けると、岸田さんは、
「はい。それは夢見の札といって、そのお札を貼った部屋で眠りにつくと、好きな夢を見られる確率が上がるんです。わたし寝るのが好きなので、それを集めてるんです」
と答えた。
そこで俺はハッとなる。
そういえば岸田さんの部屋には沢山のお札が貼られてあった。
それらがこの夢見の札だったってことか……。
俺は岸田さんの部屋を見てオカルト趣味でもあるのかと、不気味だと思ってしまっていたが、どうやら誤解だったようだ。
「というわけなので、もしよければわたしにくださいませんか?」
「ああ、いいよ別に」
俺は特段興味のないアイテムだったので、その夢見の札とやらを岸田さんに手渡した。
すると岸田さんは、
「ありがとうございます」
と一礼したあと、どこかしら満足げな表情を俺に見せた。
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