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第55話 女体化
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「マ、マジか……さっきのアイテムは女体化するアイテムだったってことなのか……?」
俺はうなだれながら嘆息する。
「お、おいおい、勘弁してくれよ。これ元に戻れるんだろうな……」
女体化にまったく興味がなかったと言えば嘘になるかもしれないが、俺は男の身体の方がいい。
もし、今の状態から一生戻れないのだとしたら……。
考えただけで恐ろしい。
「の、飲むんじゃなかった……」
今さら後悔しても遅いが、俺はさっきのアイテムを飲んだことをひどく後悔していた。
そしてこの先、裏ダンジョンで手に入れたアイテムは、自分の身体で試すようなことは二度とするもんかと心に誓う。
◆ ◆ ◆
一時間じっと待ってみたが、一向に男の身体に戻る気配はなかった。
俺は一旦地上に帰ろうかとも思ったが、帰ったところでどうにもならない。
むしろ母さんたちを心配させるだけだ。と思いとどまる。
「し、仕方ない……このまま下の階に行くしかないか」
もしかしたらあと少ししたら男の身体に戻るかもしれない。
その可能性に賭けて、俺は下へと続く階段を下りていった。
◆ ◆ ◆
裏ダンジョンの地下2階に下り立つと、目の前にはとても大きなサイズの黒いワニがいた。
だがもちろんそれはモンスターで、俺を見るなり、
『なんだぁ? 人間じゃねぇか。珍しいこともあるもんだな』
そいつは喋り出した。
「お前は、このフロアのボスみたいなものでいいのか?」
『まあ、そんなところだ』
よく見るとその巨大なワニのようなモンスターの後ろには階下へと続く階段がある。
俺の視線に気づいたそのモンスターは、
『この下の階に行きたいなら、このオレ、ビッグクロコダイル様を倒してから行くんだな』
自分のことをビッグクロコダイルと名乗りつつ、そう説明した。
「倒せばいいんだな。それなら遠慮なくそうさせてもらうぞ」
『ぐわっはっは。面白い人間のメスだ。やれるもんならやってみな!』
ビッグクロコダイルは鋭い歯を光らせ挑発してくる。
それならばと俺はビッグクロコダイルに向かって駆け出した。
「はぁっ!」
渾身の右ストレートをビッグクロコダイルの眉間に浴びせる。
手ごたえあり。
勝負あった。
そう思った俺だったが、
『なんだ? 今の攻撃は? 蚊が止まったのかと思ったぞ』
当のビッグクロコダイルは平然としていた。
「な、なんで……?」
今の一撃は明らかに致死的なダメージを与えられたはずだったのに。
俺は戸惑ってしまう。
だがここで俺はあることに思い至った。
「あっ……ま、まさかっ」
ビッグクロコダイルから距離を取ると、ステータスを確認してみた。
そしてはっきりとわかった。
「う、嘘だろ……お、俺の攻撃力が……」
=================
NAME:木崎賢吾
LV:12047
HP:8971/8971
MP:6317/6317
攻撃力:1
防御力:7104
素早さ:6910
運:718813
スキル:幸運値上昇、獲得経験値増、緊急脱出、ホーリーエッジ、グラビティハント、オーバーリリース
=================
「……1、になってる……」
女体化の影響なのか、俺のステータスは激減していて、攻撃力にいたってはたったの1になってしまっていた。
俺はうなだれながら嘆息する。
「お、おいおい、勘弁してくれよ。これ元に戻れるんだろうな……」
女体化にまったく興味がなかったと言えば嘘になるかもしれないが、俺は男の身体の方がいい。
もし、今の状態から一生戻れないのだとしたら……。
考えただけで恐ろしい。
「の、飲むんじゃなかった……」
今さら後悔しても遅いが、俺はさっきのアイテムを飲んだことをひどく後悔していた。
そしてこの先、裏ダンジョンで手に入れたアイテムは、自分の身体で試すようなことは二度とするもんかと心に誓う。
◆ ◆ ◆
一時間じっと待ってみたが、一向に男の身体に戻る気配はなかった。
俺は一旦地上に帰ろうかとも思ったが、帰ったところでどうにもならない。
むしろ母さんたちを心配させるだけだ。と思いとどまる。
「し、仕方ない……このまま下の階に行くしかないか」
もしかしたらあと少ししたら男の身体に戻るかもしれない。
その可能性に賭けて、俺は下へと続く階段を下りていった。
◆ ◆ ◆
裏ダンジョンの地下2階に下り立つと、目の前にはとても大きなサイズの黒いワニがいた。
だがもちろんそれはモンスターで、俺を見るなり、
『なんだぁ? 人間じゃねぇか。珍しいこともあるもんだな』
そいつは喋り出した。
「お前は、このフロアのボスみたいなものでいいのか?」
『まあ、そんなところだ』
よく見るとその巨大なワニのようなモンスターの後ろには階下へと続く階段がある。
俺の視線に気づいたそのモンスターは、
『この下の階に行きたいなら、このオレ、ビッグクロコダイル様を倒してから行くんだな』
自分のことをビッグクロコダイルと名乗りつつ、そう説明した。
「倒せばいいんだな。それなら遠慮なくそうさせてもらうぞ」
『ぐわっはっは。面白い人間のメスだ。やれるもんならやってみな!』
ビッグクロコダイルは鋭い歯を光らせ挑発してくる。
それならばと俺はビッグクロコダイルに向かって駆け出した。
「はぁっ!」
渾身の右ストレートをビッグクロコダイルの眉間に浴びせる。
手ごたえあり。
勝負あった。
そう思った俺だったが、
『なんだ? 今の攻撃は? 蚊が止まったのかと思ったぞ』
当のビッグクロコダイルは平然としていた。
「な、なんで……?」
今の一撃は明らかに致死的なダメージを与えられたはずだったのに。
俺は戸惑ってしまう。
だがここで俺はあることに思い至った。
「あっ……ま、まさかっ」
ビッグクロコダイルから距離を取ると、ステータスを確認してみた。
そしてはっきりとわかった。
「う、嘘だろ……お、俺の攻撃力が……」
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NAME:木崎賢吾
LV:12047
HP:8971/8971
MP:6317/6317
攻撃力:1
防御力:7104
素早さ:6910
運:718813
スキル:幸運値上昇、獲得経験値増、緊急脱出、ホーリーエッジ、グラビティハント、オーバーリリース
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「……1、になってる……」
女体化の影響なのか、俺のステータスは激減していて、攻撃力にいたってはたったの1になってしまっていた。
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