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第28話 キラージャッカルの群れ
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『グルルルッ』
『グルルルッ』
『グルルルッ』
・
・
・
夕方近く、俺は体長一メートルほどのキラージャッカルの群れに出くわした。
キラージャッカルたちは俺を中心にして素早く同心円状に広がって俺を取り囲む。
キラージャッカルは一匹一匹はたいした強さではないが、群れになるとなかなか厄介なモンスターだ。
どこからともなく仲間を集め、数で圧倒してくる。
それだけなら俺にとっては問題ないのだが、キラージャッカルの牙には毒があるのだ。
なのでこいつに噛まれてしまうと徐々に体力が削られていき、最終的には力尽きてしまう。
『グルルルッ』
『グルルルッ』
『グルルルッ』
・
・
・
さて、どうするか。
戦おうと思えば戦えないことはない。
つい先日俺はポイズンキャットというモンスターを倒した際に<毒消し草>を手に入れているからだ。
だがしかし、毒消し草のストックはわずかに1。
何かあった時のために出来れば使わずにとっておきたい。
いっそのこと戦わずに走って逃げてしまうか。
俺のAGI、つまり敏捷性の値は600をゆうに超えている。
逃げ切ることなど造作もないことだ。
獲得経験値も厄介なモンスターという割にはそれほど多くないし。
などと考えを巡らせている間にもキラージャッカルたちは遠吠えで仲間を集めていた。
そして気付けばキラージャッカルの数は三十匹ほどまでに増えていた。
逃げよう。俺の決心が固まる。
そう思い至ってからは早かった。
俺は力強く地面を蹴って跳び上がると、木の枝につかまる。
さらにそこから体を揺らして遠くにジャンプすると一目散に駆け出した。
虚を突かれたキラージャッカルたちはすぐさま俺を追って走り出すが、時すでに遅く、俺はキラージャッカルたちをどんどん突き放して、あっという間にお互いの姿は見えなくなった。
「ふぅ。ここまで来ればもう大丈夫だろ」
見事キラージャッカルたちを撒いた俺の耳に水の流れる音が届いてきた。
俺はその音のする方へと歩みを進める。
生い茂った葉っぱをかき分けていくと目の前が開けた。
とそこにはきれいな水が流れる小川があった。
「川だっ」
ここ数日水浴びをしていなかったのでテンションが上がり思わず近付いていく俺。
高温多湿で海に囲まれた【魔物島】において水はもっとも貴重な資源なのだ。
まだ誰にもみつかっていないのか、俺のほかに人は見当たらない。
小川を見下ろして水の透明度に驚かされる。
「すごい、こんなきれいな川は初めてだ」
これなら飲み水としても使えるんじゃないか、そう思うも俺は慎重な性格なので、
「念のため飲むのはよそうか。水浴びだけさせてもらおう」
周囲を警戒しつつ服を脱いでいった。
そして小川の中に入る。
「あー、生き返るー」
三日ほど歩き通しだったのでひんやりとした水が心地よい。
俺は疲れもあってかそのまま目を閉じた。
するとしばらくして、
『モォ~』
という鳴き声が俺のすぐ隣から聞こえてくる。
ハッとして振り向くと目の前には大きな牛がいて、俺の隣で気持ちよさそうに目を細めながら小川に浸かっていた。
モンスターっ!?
一瞬身構えるも、牛は俺には見向きもせず『モォ~』と悦に入った様子でただ鳴き声を上げるだけ。
襲ってくる気配はまったくないし、そもそもただの牛に見える。
「お、お前、モンスターじゃないのか……?」
『モォ~~』
緊張感のない鳴き声。どうやら野生の牛のようだ。
それにしては妙に人慣れしている気もするが。
とそこへ、
「モーちゃーん! モーちゃんどこーっ!」
少女らしき声が。
「モーちゃーん!」「モーちゃんどこなのーっ!」という声はだんだん近づいてきていた。
裸の状態の俺は「ヤバいっ」と小川から出るとすぐに服を着る。
そして着替え終えたちょうどその時、
「あ、モーちゃん、そんなとこにいたのっ」
と小さな女の子が姿を見せた。
『グルルルッ』
『グルルルッ』
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夕方近く、俺は体長一メートルほどのキラージャッカルの群れに出くわした。
キラージャッカルたちは俺を中心にして素早く同心円状に広がって俺を取り囲む。
キラージャッカルは一匹一匹はたいした強さではないが、群れになるとなかなか厄介なモンスターだ。
どこからともなく仲間を集め、数で圧倒してくる。
それだけなら俺にとっては問題ないのだが、キラージャッカルの牙には毒があるのだ。
なのでこいつに噛まれてしまうと徐々に体力が削られていき、最終的には力尽きてしまう。
『グルルルッ』
『グルルルッ』
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さて、どうするか。
戦おうと思えば戦えないことはない。
つい先日俺はポイズンキャットというモンスターを倒した際に<毒消し草>を手に入れているからだ。
だがしかし、毒消し草のストックはわずかに1。
何かあった時のために出来れば使わずにとっておきたい。
いっそのこと戦わずに走って逃げてしまうか。
俺のAGI、つまり敏捷性の値は600をゆうに超えている。
逃げ切ることなど造作もないことだ。
獲得経験値も厄介なモンスターという割にはそれほど多くないし。
などと考えを巡らせている間にもキラージャッカルたちは遠吠えで仲間を集めていた。
そして気付けばキラージャッカルの数は三十匹ほどまでに増えていた。
逃げよう。俺の決心が固まる。
そう思い至ってからは早かった。
俺は力強く地面を蹴って跳び上がると、木の枝につかまる。
さらにそこから体を揺らして遠くにジャンプすると一目散に駆け出した。
虚を突かれたキラージャッカルたちはすぐさま俺を追って走り出すが、時すでに遅く、俺はキラージャッカルたちをどんどん突き放して、あっという間にお互いの姿は見えなくなった。
「ふぅ。ここまで来ればもう大丈夫だろ」
見事キラージャッカルたちを撒いた俺の耳に水の流れる音が届いてきた。
俺はその音のする方へと歩みを進める。
生い茂った葉っぱをかき分けていくと目の前が開けた。
とそこにはきれいな水が流れる小川があった。
「川だっ」
ここ数日水浴びをしていなかったのでテンションが上がり思わず近付いていく俺。
高温多湿で海に囲まれた【魔物島】において水はもっとも貴重な資源なのだ。
まだ誰にもみつかっていないのか、俺のほかに人は見当たらない。
小川を見下ろして水の透明度に驚かされる。
「すごい、こんなきれいな川は初めてだ」
これなら飲み水としても使えるんじゃないか、そう思うも俺は慎重な性格なので、
「念のため飲むのはよそうか。水浴びだけさせてもらおう」
周囲を警戒しつつ服を脱いでいった。
そして小川の中に入る。
「あー、生き返るー」
三日ほど歩き通しだったのでひんやりとした水が心地よい。
俺は疲れもあってかそのまま目を閉じた。
するとしばらくして、
『モォ~』
という鳴き声が俺のすぐ隣から聞こえてくる。
ハッとして振り向くと目の前には大きな牛がいて、俺の隣で気持ちよさそうに目を細めながら小川に浸かっていた。
モンスターっ!?
一瞬身構えるも、牛は俺には見向きもせず『モォ~』と悦に入った様子でただ鳴き声を上げるだけ。
襲ってくる気配はまったくないし、そもそもただの牛に見える。
「お、お前、モンスターじゃないのか……?」
『モォ~~』
緊張感のない鳴き声。どうやら野生の牛のようだ。
それにしては妙に人慣れしている気もするが。
とそこへ、
「モーちゃーん! モーちゃんどこーっ!」
少女らしき声が。
「モーちゃーん!」「モーちゃんどこなのーっ!」という声はだんだん近づいてきていた。
裸の状態の俺は「ヤバいっ」と小川から出るとすぐに服を着る。
そして着替え終えたちょうどその時、
「あ、モーちゃん、そんなとこにいたのっ」
と小さな女の子が姿を見せた。
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