【魔物島】~コミュ障な俺はモンスターが生息する島で一人淡々とレベルを上げ続ける~

シオヤマ琴@『最強最速』発売中

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第55話 神対応の米村さん

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「久しぶりだね、善くん。元気だったかい?」
「あ、はい、まあ」

俺の目の前にいるのは米村大地さん。
この【魔物島】にいる唯一の二年生だ。相変わらずモデル顔負けのルックスをしている。

「善くん、レベル2000だって? すごいね。頑張ってるじゃないか」
と俺の目を見て米村大地さん。
正確には現在の俺のレベルはすでに3818にまで達しているのだが。

「は、はぁ、でも……」
俺のレベルが2000を超えたせいで状況が悪化したと考えられなくもない。
そう考える人もいるだろう。

「さっき彼らが言ったこと、気にしない方がいいよ」

米村さんは俺の心を見透かしたかのように優しく声をかけてくる。
たしかに俺は深町に言われた「てめぇのせいで大勢が迷惑してるんだっ!」という言葉が頭から離れないでいた。

「彼らみたいなのばかりじゃないさ。気にしない気にしない。実際僕は善くんを応援してるし、感謝もしてるよ。善くんのことだから僕たちのために頑張ってくれているんだろ。ありがとう」
「あ、い、いえ……どうも」
理解を示してもらえたことに安堵し心が軽くなる。
この人は梶谷らとは違って、外見だけではなく内面も光り輝いてみえる。

「ところで善くん、そこにいるモンスターはもしかしてきみの友達かい?」
首をかしげて米村さんが俺の足元に視線をやった。
それを受けて俺の足の陰に隠れていたメタムンがひょこっと顔をのぞかせる。

『おいらのこと、怖くないのっ?』
「わぁ、すごいっ。人間の言葉を喋れるんだねっ。うん、全然怖くなんかないよ。むしろ可愛らしいよ」
『ほんとっ。えっへへへ、ありがとっ』
メタムンがジャンプで喜びを表現した。

「僕は米村大地っていうんだ。よろしくね」
『おいらはメタリックスライムのメタムンだよっ。善の友達さっ』
「そっか、やっぱり友達だったんだね」
『そうさっ。おいらと善は仲間だし友達なんだっ。ねっ、善』
「ああ、そうだな」
俺の返事に気をよくしたのか、メタムンは「えへへへー」とえびす顔。

「モンスターの友達がいるなんて、善くんには驚かされてばかりだよ。でも初めて会った時から善くん、きみには何かあると思っていたけどね。僕の目に狂いはなかったってわけだ」
「そ、そうですか? はぁ……」
俺のどこをどう見てそんな風に思ったのかまったくわからないが、米村さんのような人からそう言われて悪い気はしない。

「いやあ、まあそれにしてもこんなところでまた会えるとはね。善くんとメタムンくんはここで何をしていたんだい?」
「えっと、さっきまでは丘の上で寝ていて、今しがた起きてここで朝食をとろうとしていたところです」
『善の作る料理はとっても美味しいんだよっ』
とメタムン。

「そうなのかい? だったら僕も是非ご馳走になりたいなぁ」
「あ、いえ、料理っていってもただ肉を焼いてるだけですよ」
「その火加減が難しいんじゃないか。もっと誇っていいことだよ」
『そうだよ、善っ』

うーん、米村さんもメタムンも俺を褒めちぎってくれる。
とても嬉しいが、同時に気恥ずかしい。

「そうだっ。この先で僕たちもちょうど朝ご飯にしようとしていたところなんだよ。よかったら一緒にどうだい?」
「僕たち?」
「うん、僕たちは二十三人のグループで行動しているんだ。恥ずかしながら一応僕はそこのリーダーみたいなことをやらせてもらっているんだよ。まあ、なんとなくで選ばれただけなんだけどね」
「そ、そうなんですか……」
と返しつつ、俺は頭の中でどう断ろうかと考えていた。

この米村さんという人はとても感じがいいし、俺も割と普通に会話が出来ている。
メタムンを受け入れてくれたことも素直に嬉しい。
でも米村さんについていくと当然ほかの二十二人とも接しないといけなくなる。
そんな大勢のグループに一人で入っていくのは俺にとってはかなりの試練だ。
どんな顔して会えばいいのだろう、どんな話をすればいいのだろう、と考えるだけでお腹が痛くなってくる。

「あ、あの、米村さん……お誘いはとても、ありがたいんですけど、その――」
『行こう、善っ』
俺が断ろうとした矢先、メタムンがそれを遮って声を上げた。

『おいらも行っていいんでしょっ?』
「もちろんだよ。メタムンくんもおいで。歓迎するよ」
『わぁーい、やったーっ!』
「あ、いや、その……」
「じゃあ、僕についてきて」
『オッケー!』
「いや、だから、その………」

俺がもじもじしている間に米村さんとメタムンは話を弾ませ、二人して先に行ってしまった。
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