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第87話 蘇生呪文
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「ね、姉さんっ、姉さんどうしたのっ? 起きてっ……」
ハウスのそばで倒れていた北原に北原すみれが声をかけている。
まさか魂が抜かれているとは夢にも思っていないであろう北原すみれは、北原の肩を優しく揺すっていた。
そんな北原すみれを俺とメタムンはただ眺めることしか出来なかった。
☆ ☆ ☆
「う、嘘っ……!? ね、姉さんが死んだなんてっ……! そ、そんなっ……!」
少し時間を置いてから俺は、北原すみれに北原が死んでいるということを出来るだけ優しく伝えてやった。
すると当然のごとく北原すみれは動揺し、それを受け入れようとはしなかった。
「さっきの米村って奴が持っていた死神のデスサイスのせいだよ。それで魂を抜き取られたんだ」
「た、魂を……? じゃ、じゃあ死んだわけじゃ、ないんですかっ……?」
「わからない、ごめん。でも体は冷たくなってはいないと思うんだ」
米村が言っていた。
殺したはずなのに体は冷たくなっていなかったと。
「ほ、本当ですっ……ね、姉さんの体、温かいままですっ……!」
「だとしたら、もしかしたらだけど……生き返す方法があるかも……」
俺のその言葉に「ほ、本当ですかっ……!」と北原すみれが即座に反応する。
「断言は出来ないけど、この【魔物島】ではいろんなアイテムや呪文があるから……うん、可能性はあると思う」
滅多なことは言えないが、それでも北原すみれには希望を持たせてあげたかったので俺はそんなことを口にしていた。
「そ、そうですよね……可能性は、あ、ありますよねっ……」
「あ、ああ」
……多分。
『それなら早速チャットでみんなに訊いてみようよっ。ねっ』
重苦しい空気を弾き飛ばすようにメタムンが提案する。
「そ、そうだな。よし、そうしてみよう」
「は、はいっ……」
そして俺たちはチャットを始めた。
☆ ☆ ☆
意外にも、といったらおかしいかもしれないが、北原を生き返すことが出来そうな呪文がすぐにみつかった。
その名も蘇生呪文、テンプラー。
そしてその呪文を覚えているという男子学生までみつけることが出来た。
《あんた、蘇生呪文を使えるのか?》
《ああ、使えるぞ。人間には試したことはないけどモンスターと小動物には試して効果があったぞ》
《その蘇生呪文で生き返らせてほしい人がいるんだけど、お願い出来ないかな?》
《別に構わないぞ》
《えっと、百人くらいいるんだけどそれでも大丈夫か?》
《別に構わないけどよ、テンプラーは消費MPが100だからな、おれは一日二回が限界だぞ》
《だったら魔力草をたくさん持っていくからなんとかしてほしい》
《それならいいぞ。おれの名前は筒井太一だ。ちなみにおれが今いる場所は……》
とまあ、こんな具合にとんとん拍子で話が進んだ。
☆ ☆ ☆
奇跡のハチミツで筒井とやらと俺たちの誰かを入れ替えるという方法も一瞬頭に浮かんだが、よく思い返すと俺が米村を殴り飛ばした時に奇跡のハチミツも地面に落ちて駄目になってしまっていたのだった。
☆ ☆ ☆
「じゃあ俺が行ってくるから」
『おいらも行くよっ』
「あ、ああ、そうだな」
「ま、待ってくださいっ……わ、私も一緒にっ……」
北原すみれが引き留めてくる。
「うーん、でもここから結構遠いし……」
メタムンと二人だけの方が気が楽なんだよな。とは口には出さない。
「お、お願いしますっ……ね、姉さんを早く助けてあげたいんですっ……だ、だからっ……」
唇を震わせ北原すみれは懇願した。
それを見て、
『オッケー、いいよっ。おいらたちと一緒に行こうっ!』
メタムンが勝手に仕切り出す。
「おい、メタムン……」
すると、
「あ、ありがとうございますっ。メ、メタムンさんっ……ほ、本当にありがとうございますっ……うぅぅっ」
北原すみれはあろうことか泣き出してしまった。
まったく……これではやっぱり一緒には行けないなんて言い出せないではないか。
「ほら、泣き止んでくれ。先は長いんだからな」
「は、はいぃっ……」
『レッツゴー!』
こうして俺たちは蘇生呪文を使えるという筒井太一という人物のもとへ三人で向かうことになった。
ハウスのそばで倒れていた北原に北原すみれが声をかけている。
まさか魂が抜かれているとは夢にも思っていないであろう北原すみれは、北原の肩を優しく揺すっていた。
そんな北原すみれを俺とメタムンはただ眺めることしか出来なかった。
☆ ☆ ☆
「う、嘘っ……!? ね、姉さんが死んだなんてっ……! そ、そんなっ……!」
少し時間を置いてから俺は、北原すみれに北原が死んでいるということを出来るだけ優しく伝えてやった。
すると当然のごとく北原すみれは動揺し、それを受け入れようとはしなかった。
「さっきの米村って奴が持っていた死神のデスサイスのせいだよ。それで魂を抜き取られたんだ」
「た、魂を……? じゃ、じゃあ死んだわけじゃ、ないんですかっ……?」
「わからない、ごめん。でも体は冷たくなってはいないと思うんだ」
米村が言っていた。
殺したはずなのに体は冷たくなっていなかったと。
「ほ、本当ですっ……ね、姉さんの体、温かいままですっ……!」
「だとしたら、もしかしたらだけど……生き返す方法があるかも……」
俺のその言葉に「ほ、本当ですかっ……!」と北原すみれが即座に反応する。
「断言は出来ないけど、この【魔物島】ではいろんなアイテムや呪文があるから……うん、可能性はあると思う」
滅多なことは言えないが、それでも北原すみれには希望を持たせてあげたかったので俺はそんなことを口にしていた。
「そ、そうですよね……可能性は、あ、ありますよねっ……」
「あ、ああ」
……多分。
『それなら早速チャットでみんなに訊いてみようよっ。ねっ』
重苦しい空気を弾き飛ばすようにメタムンが提案する。
「そ、そうだな。よし、そうしてみよう」
「は、はいっ……」
そして俺たちはチャットを始めた。
☆ ☆ ☆
意外にも、といったらおかしいかもしれないが、北原を生き返すことが出来そうな呪文がすぐにみつかった。
その名も蘇生呪文、テンプラー。
そしてその呪文を覚えているという男子学生までみつけることが出来た。
《あんた、蘇生呪文を使えるのか?》
《ああ、使えるぞ。人間には試したことはないけどモンスターと小動物には試して効果があったぞ》
《その蘇生呪文で生き返らせてほしい人がいるんだけど、お願い出来ないかな?》
《別に構わないぞ》
《えっと、百人くらいいるんだけどそれでも大丈夫か?》
《別に構わないけどよ、テンプラーは消費MPが100だからな、おれは一日二回が限界だぞ》
《だったら魔力草をたくさん持っていくからなんとかしてほしい》
《それならいいぞ。おれの名前は筒井太一だ。ちなみにおれが今いる場所は……》
とまあ、こんな具合にとんとん拍子で話が進んだ。
☆ ☆ ☆
奇跡のハチミツで筒井とやらと俺たちの誰かを入れ替えるという方法も一瞬頭に浮かんだが、よく思い返すと俺が米村を殴り飛ばした時に奇跡のハチミツも地面に落ちて駄目になってしまっていたのだった。
☆ ☆ ☆
「じゃあ俺が行ってくるから」
『おいらも行くよっ』
「あ、ああ、そうだな」
「ま、待ってくださいっ……わ、私も一緒にっ……」
北原すみれが引き留めてくる。
「うーん、でもここから結構遠いし……」
メタムンと二人だけの方が気が楽なんだよな。とは口には出さない。
「お、お願いしますっ……ね、姉さんを早く助けてあげたいんですっ……だ、だからっ……」
唇を震わせ北原すみれは懇願した。
それを見て、
『オッケー、いいよっ。おいらたちと一緒に行こうっ!』
メタムンが勝手に仕切り出す。
「おい、メタムン……」
すると、
「あ、ありがとうございますっ。メ、メタムンさんっ……ほ、本当にありがとうございますっ……うぅぅっ」
北原すみれはあろうことか泣き出してしまった。
まったく……これではやっぱり一緒には行けないなんて言い出せないではないか。
「ほら、泣き止んでくれ。先は長いんだからな」
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