【魔物島】~コミュ障な俺はモンスターが生息する島で一人淡々とレベルを上げ続ける~

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第92話 滝の上の小屋

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俺たちは昼夜を問わず歩き続けた。
もちろん休憩を挟みながらだが、北原すみれが姉のことをかなり気にしていたので俺たちは多少無理してでも早く筒井のもとへと着けるように最大限努力した。
その甲斐あって、俺たちはハウスを出発してから一週間足らずで、筒井のいるであろう場所のすぐそばまでやって来れていた。

俺はスマホを使いチャットで筒井と連絡を取り合う。

《近くまで来ているはずなんだが、もっと詳しい場所を教えてくれないか?》

《近くに滝は見えるか? おれはその滝の上にいるぞ》

《滝なら見える。あんたはその上にいるんだな》

《ああ、そうだ》

《あともう少しでそっちに着けると思う。約束通り、蘇生呪文を使ってくれるんだよな?》

《ああ、心配するな。そっちこそ、魔力草は持ってきてるんだろうな?》

《問題ないよ》

《だったら大丈夫だ。待ってるぞ》

《ありがとう》

「……ってなわけだ。筒井はあの滝の上にいるらしい」
俺は頭上に見える滝を指差しながら、メタムンと北原すみれにチャットでの内容を伝えた。
滝はかなり大きいので、迂回して回り込む必要がありそうだった。

「ここからは俺一人で行ってもいいけど……」
『おいらも行くってば!』
「わ、わたしもっ……こ、ここまで来たんですから、一緒にっ……」
二人からは予想していた通りの答えが返ってくる。

「じゃあ、もうひと踏ん張りだ。行くぞっ」
『おーっ!』
「は、はいっ……」

こうして俺たちは滝を大きく迂回して、反対側から崖を上り、二時間後、ようやく筒井のいるであろう滝の上に到着した。


☆ ☆ ☆


滝の上には台風が来れば簡単に吹き飛びそうな掘っ立て小屋があり、その入り口の前には顔の周りにひげを生やした山男のような人物が立っていた。

その男は俺の顔を見るなり、
「なんだ、思ったより遅かったな」
とぶっきらぼうに言い放つ。

「あ、あんたが筒井、太一、か……?」
「そうだぞ。おれが筒井太一だぞ。そういうお前が柴木善だな?」
「あ、ああ、そうだ」
思い描いていたよりかなりワイルドな風貌だったので少し驚いたが、やっと筒井に会うことが出来た。
これで北原をはじめ、みんなを生き返らせることが出来る。

「柴木一人じゃなかったんだな?」
「あ、ああ。言ってなかったか、悪い。こっちは北原すみれでこっちのはメタムンだ。モンスターだけど俺の仲間だから安心してくれ」
「ふーん、すみれって女みてぇな名前だな。それとメタムンか……別におれはモンスターだろうが襲ってこないなら構わないぞ」
と筒井。

何やらおかしな発言だったが俺がそれを問う前に、
「まあ、中に入れよ。話はそれからだ」
筒井は俺たちを小屋の中へと招いてくれた。

そんな筒井の背中を見てから俺たちは顔を見合わせ一つうなずく。
そして筒井のあとを追って俺たちは小屋の中へと足を踏み入れた。
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