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6章 リサイア大会 パートナー決め編
彼を取り巻く環境
フェンとコウが風紀室でまったく風紀を守らず、いちゃいちゃと甘い時間を過ごしている頃。
トシキもまた、アーサーとイオにパートナー申請をした事を報告していた。
「もう決まったの? 随分早いね」
「相手は誰なんだ?」
「聞いて驚くなよ? なんと―――風紀委員のフェンだ」
「え!? あの闇属性の?」
「なんで彼と組むことになったんだ? マッドベアの事件以降、寧ろ風紀委員とは距離を置いていたはずだが……」
二人とも驚いてはいたが、それはトシキと彼の接点が、まったくわからなかったからである。
「あいつとは以前からよく、昼寝の場所とりあいっこしていたんだよねー。まぁ、今日まで話した事は無かったんだけどさ。話してみたら、すっげーいい奴だったし、ミュウもあいつの事気に入ったみたいなんだ。なぁミュウ?」
『みゃぁ~!』
同意するようにミュウが鳴き声をあげる。イオとアーサーは心配そうにトシキを見る。
「大丈夫なの? 彼闇属性でしょ。トシキの正体ばれないかなぁ」
「おれは今アイテムで、属性も力もわからないようにしているし、光魔法は最初から使う気が無いから大丈夫だと思う」
「しかし、彼に憑いている魔物は何か気づくかもしれない。フェンリルは非常に頭が良い魔物だと以前書籍で読んだことがある」
「大丈夫だって!きっとなんとかなるさ」
「楽観的だなぁ」
「それに、おれ、他の学年にフェン以外の知り合いはいないしさ。向こうも同じみたいだったからさ」
「確かに、闇属性の彼とペアを組みたい人間は他にいなさそうだな……」
アーサーは冷静にそう言ったが、闇属性に対する嫌悪は感じなかった。ただ単に状況を述べただけだろう。イオも心配そうにしているが、それは闇属性の彼に対する嫌悪感ではなく、トシキの正体がばれるのを心配しての事だろう。
(ったく……周りを見渡せば、もっと居ると思うんだけどなぁ。闇属性に偏見のない奴なんて)
フェンは言った。闇属性の自分は憎まれ、恨まれ、嫌われて、当然の人間なのだと。でも、少なくとも、イオはまったくそんなことを思っていないはずだ。元々精霊界にいただけあって、人間界のそういう事情には、トシキ並みに鈍いし、偏見がなさそうだ。
アーサーの表情から察するに、彼もフェンの取り巻く今の環境を快く思っていないのがわかる。
彼の見ている世界は、あまりにも残酷で、辛く、暗い世界のようにトシキには思える。
いつか―――彼が広くて明るい世界で生きられるといい。トシキはフェンの事を思い出しながら、そう願った。
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※第3話を少し修正しました。
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