落ちこぼれ同盟

kouta

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二章 休息とそれぞれの出会い

敵の実力

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「結論から言えば、あの結界は壊されてはおらぬ。何者かの手によって書き換えられておったのじゃ」

意外な返答にトシキ達は顔を見合わせる。

「結界を書き換える? でも、結界を貼ったのってジジィなんだろ?」
「オディア様の結界術はこの国でも随一と聞いております……実際、私も魔の森の結界を少し見てみましたが、そんな簡単に書き換えられるものではないはずです」

以前イオが作った結界をあっさりと作り替えたアーサーがそう断言する。

「しかし、実際に書き換えられておったのじゃ。あの結界は、壊すよりも書き換える方が大変なんじゃがな……」
「つまり……マッドベアを放った人は相当な魔法使いってこと?」

イオの言葉にオディアが無言で頷く。この世界の知識に乏しいトシキは最近知った名称を口に出してオディアに訊ねる。

「例の魔族って奴の仕業なのか?」
「いや、闇墜ちした者は結界に触れる事すら出来ぬ。あの結界を書き換えたのは人間じゃ」
「一体誰がそんな事を……」
「解らぬ。解らぬが、あの時おぬしらがおらなければ、今頃相当の死傷者が出ておった。それが犯人の狙いじゃとしたら相当な悪意を持った人間じゃな。しかも、狙われていたのは我が学園の生徒達じゃ」

オディアの言葉にアーサーが頷きながら同意した。

「マッドベアが出現したのは一年生の実技演習と新入生歓迎会の二回。いずれにしても魔法を巧く扱えない初心者達が単独で行動する機会が多い時だ」
「あえてそこを狙ったということか。でもなんでこの学校を生徒を?」

トシキの問いにオディアが神妙な面持ちで答える。

「……それを国と軍が調べておる。本当はわしも調査に加わりたかったのじゃが……すぐに戦場に戻らねばならなくてのぉ」

暗い顔をするオディアの事情をアーサーはいち早く察して頭を下げた。

「兄上のご指示ですか……申し訳御座いません」
「そなたが謝る事では無い。モルドレッド殿下の判断ももっともじゃ。西の領土は去年、アルべインの奇襲にあって半分も奪われてしまった。これ以上被害を出さぬためにも戦力は削られぬじゃろ。こんなおいぼれでも国のためなら力を尽くそう」
「ありがとうございます」

オディアの忠誠に対し、王族を代表して兄の代わりにアーサーは頭を下げた。



「ってわけで、わしが留守の間、この学校の事はおぬしらに任せるぞ」

「はぁ!? なんでそうなるんだよ!」

シリアスな雰囲気を一変し、軽いノリで頼んでくるオディアに思わずトシキが吠える。
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