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フレッドの手紙 14

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親愛なるティム

健勝に過ごしていると思う。
前線である国境は小康状態であると報告を受けている。

君は推奨された手紙を出したことがないと聞いた。
君を監視しているわけではない。
経過報告のために王都に一時帰還した副団長が私の提案について全員とはいかないが一定の効果ありと謝意を表していた。
例外として挙げられた中に後方の治癒士があり、その一人が君なのだと思うと胸が痛む。

中枢部の予想を反して長丁場となっている戦争に、心身の安定を考慮し、前線に就く騎士を定期的に入れ替えるよう進言をした。
治癒士の仕事は戦地以外にも溢れかえっている。
君の夢を否定するつもりはないが、一年近くも前線にいるのだから君も満足だろう。
早く戻って、私を安心させてほしい。
余計な世話だとは言わせない、私を友と呼んだ君の義務だ。

フレッド
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