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フレッドの手紙 23

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親愛なるティム

健勝にしているようで何よりだ。
あの日、あまりの出来事に完全に思考力が停止してしまった私を許してほしい。
ずっと望んできた君との再会があんな形になるとは思ってもみなかった。
君の治癒師への推薦を弟が嬉々として引き受けたのは、あれだけ懐いているし君自身の実績も十分なのだから想定内であったのだが。

君が、
君が弟と思い寄せ合う仲であったとは。

こうなると、初めに君との合図を送らなかった私は意図せず正解を引き当てていたのだろう。
私と友人であることは今後の君のためにならない。
そうだ、君のためであるなら私は身を引くのが最善なのだと、君も理解してくれるはずだ。
君は勇敢で知性に優れ情に厚い”いい男”なのだから、弟が君に牽かれるのも当然のことだ。
君がどんな決断を下したとしても、私は祝福することをここに誓おう。
君と友人となれた幸運だけを、私は胸に秘めておくこととするよ。

フレッド
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