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マシュー様との出会い
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私リナティエラ・クラークの婚約者であるマシュー様は、騎士の家系の名門であるハワード伯爵家の嫡男です。
初対面は、私が6歳、マシュー様は9歳の時でした。涼しげな銀の髪に、海のような青い瞳をした、あまり表情の変わらない男の子でした。
「はじめまして、リナティエラ・クラークです」
「マシュー・ハワードです」
婚約前の様子見での顔合わせだなんて全く理解していなかったので、二人きりにされた私はせっかくなら仲良くなりたいとたくさん話しかけました。
天気の話に、趣味の話、好物の話、好きな場所、好きな本に、お気に入りのお菓子に他にもたくさん。口数も多くない彼の相槌を聞きながら、ひたすらに話し続けました。
しまいには話すこともなくなってしまい、つい先日庭で木登りをしている時に見つけた鳥の巣の話までしてしまいました。
そこではっと気づいたのです。優しいお兄様が相手なら、お転婆だなと苦笑しながらも聞いてくれる話題ですが、初対面の人にする話ではありません。そう思うと急に恥ずかしくなってしまったのを覚えています。
マシュー様は急に黙り込んだ私をじっと見つめて、ゆっくりと口を開きました。
「リナティエラじょうは、たくさんおはなししてくれるんだね」
「ご、ごめんなさい」
「なんであやまるの?ぼくはくちべただから、きにせずはなしてくれてうれしいよ」
「そうなの?いやじゃないならよかったわ」
「そのとりのす、ぼくもみてみたいな」
「ほ、ほんと?」
「うん、いっしょにみにいこう」
そう言って手を差し伸べてくれたマシュー様が、不意にふわりと柔らかく微笑んだのです。その瞬間、胸がきゅーっとなったのを今でもはっきりと覚えています。
私はその時、恋に落ちたのでした。
その後は二人で木登りをしているのが見つかって、二人そろってとっても厳しく怒られましたが、あっさりと婚約の話は進んでいきました。
初恋の人と結婚できる。政略結婚も当たり前の貴族に生まれて、これほど幸運な事はありません。
それまでは嫌いだった勉強も、大きくなるにつれて厳しくなっていく淑女教育も、マシュー様のためなら頑張れました。
初対面は、私が6歳、マシュー様は9歳の時でした。涼しげな銀の髪に、海のような青い瞳をした、あまり表情の変わらない男の子でした。
「はじめまして、リナティエラ・クラークです」
「マシュー・ハワードです」
婚約前の様子見での顔合わせだなんて全く理解していなかったので、二人きりにされた私はせっかくなら仲良くなりたいとたくさん話しかけました。
天気の話に、趣味の話、好物の話、好きな場所、好きな本に、お気に入りのお菓子に他にもたくさん。口数も多くない彼の相槌を聞きながら、ひたすらに話し続けました。
しまいには話すこともなくなってしまい、つい先日庭で木登りをしている時に見つけた鳥の巣の話までしてしまいました。
そこではっと気づいたのです。優しいお兄様が相手なら、お転婆だなと苦笑しながらも聞いてくれる話題ですが、初対面の人にする話ではありません。そう思うと急に恥ずかしくなってしまったのを覚えています。
マシュー様は急に黙り込んだ私をじっと見つめて、ゆっくりと口を開きました。
「リナティエラじょうは、たくさんおはなししてくれるんだね」
「ご、ごめんなさい」
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「そうなの?いやじゃないならよかったわ」
「そのとりのす、ぼくもみてみたいな」
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「うん、いっしょにみにいこう」
そう言って手を差し伸べてくれたマシュー様が、不意にふわりと柔らかく微笑んだのです。その瞬間、胸がきゅーっとなったのを今でもはっきりと覚えています。
私はその時、恋に落ちたのでした。
その後は二人で木登りをしているのが見つかって、二人そろってとっても厳しく怒られましたが、あっさりと婚約の話は進んでいきました。
初恋の人と結婚できる。政略結婚も当たり前の貴族に生まれて、これほど幸運な事はありません。
それまでは嫌いだった勉強も、大きくなるにつれて厳しくなっていく淑女教育も、マシュー様のためなら頑張れました。
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