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1333.信頼とお返し
初対面の相手からあんたなら大丈夫だろうとあっさりと受け入れられてしまったハルは、明らかな困り顔でちらりと俺を見た。本当に良いんだろうか?と言いたげな表情だ。
うん、戸惑うハルのその気持ちは分かる。よーく分かるんだけど、おじさんの言いたい事も分かるんだよね。
ハルの優しさって、言葉や行動にしっかりとにじみ出てるからね。だから俺も初めてハルに会った時、すぐにハルを信じられたんだと思う。
俺はニッコリとハルに笑いかけながら口を開いた。
「おじさんに信じてもらえて良かったね、ハル」
俺に笑いかけられたハルは一瞬だけ驚いた顔をしたけど、次の瞬間にはふうとひとつ息を吐いた。
「ああ、そうだな。信じてもらえたのは良い事だ」
苦笑しながらも小さく頷いたハルは、さっと周りに視線を巡らせた。どうしたんだろうと思いつつ、俺もついつい釣られて周りに視線を向ける。
ケイリーさんたちの行進を見るために集まってきていた人たちは、既にほぼいなくなっている。だから市場の中に見える人の姿は、かなりまばらだ。
きっとお昼ご飯の時間帯になったら、またいつも通りに混雑するんだろうけどね。
ハルは周りをぐるりと見回してから、おじさんたちに向き直った。
「どうかしたのか、兄さん?」
「いや、信じてもらえたのは嬉しいんだが、一応これは証拠として見せておこうかなと思ってね」
ハルはそう言うと、ウルちゃんとネスくんに目線の高さを合わせるためにそっと片膝をついてしゃがみこんだ。ただそれだけの動きも、やけに格好良く見えるんだから困る。
「ん?これ?これってなんだ?」
屋台のおじさんは意味が分からないと言いたげな不思議そうな表情で呟いていたけど、ハルと同じように片膝をついて子どもたちの後ろにしゃがみこんだ。
この人、本当にハルの事を信じてくれてるんだな。警戒した様子が全く無い。さっきから俺の中で、このおじさんの好感度がぐんぐんと上がり続けている。
三人との距離が近づいたのを確認してから、ハルはそっとマントの紐をほどいた。
ああ、見せるってそれか。俺が気づいた時には、ハルはマントを少しだけ開いて中の服を見せていた。
「…え…?」
よっぽど驚いたのか、ウルちゃんは大きく目を見開いて絶句している。
「あんた、その服…!あ、いや…あなたのその服は…!」
ぽんっと口から飛び出した言葉を、ネスくんは慌てて訂正した。
ハルは人からあんたって呼びかけられたぐらいで怒るような人じゃないから、そこは心配しなくても大丈夫だよと言いたくなるぐらいの慌てっぷりだ。
「まさか兄さん…今回の遠征に参加する騎士なのか?」
おじさんはまじまじと軍服を見つめながら、小さな声でそう尋ねた。思ったよりも冷静な反応だ。
「ああ、今回の遠征の参加者ではあるよ。ただし残念ながら、今はここの騎士では無いんだ。昔は所属していた事もあるんだが…」
律儀なハルはわざわざそこまで説明したんだけど、そこは気にしなくて良いとおじさんは笑って答えた。
「今も作戦に参加する資格がある人なら、ここの騎士かどうかは問題じゃねぇから気にするな」
「そうか、ありがとう」
「いや、こっちこそ明かしてくれてありがとな」
おじさんはそこで、ちらりとウルちゃんとネスくんに視線を向けた。二人ともキラキラと輝く尊敬の眼差しで、ハルをじーっと見つめている。
「おかげでこいつらも嬉しそうだ」
「喜んでもらえたなら良かった」
「あーそれにしても…行進に参加しないやつがこっそり隠れて移動してると、聞いた事はあるが…出逢ったのは初めてだよ」
おじさんはそう言ってから、俺達に話しても良かったのか?と直球で尋ねた。
「ああ。この服で歩くと、移動に時間がかかってしまうから隠してるだけだからな」
「まあそうだろうな…時間が無いのに、届け物なんて頼んで良いのか?」
「大丈夫だ」
そう言いきったハルに、そっとウルちゃんがお守りを差し出した。
「あの、これ…おねがいします」
「俺からも、お願いします!」
「まかせてくれ」
両手で受け取ったヴァコクのお守りを、ハルは大事そうにそっと鞄の中にしまった。
うん、戸惑うハルのその気持ちは分かる。よーく分かるんだけど、おじさんの言いたい事も分かるんだよね。
ハルの優しさって、言葉や行動にしっかりとにじみ出てるからね。だから俺も初めてハルに会った時、すぐにハルを信じられたんだと思う。
俺はニッコリとハルに笑いかけながら口を開いた。
「おじさんに信じてもらえて良かったね、ハル」
俺に笑いかけられたハルは一瞬だけ驚いた顔をしたけど、次の瞬間にはふうとひとつ息を吐いた。
「ああ、そうだな。信じてもらえたのは良い事だ」
苦笑しながらも小さく頷いたハルは、さっと周りに視線を巡らせた。どうしたんだろうと思いつつ、俺もついつい釣られて周りに視線を向ける。
ケイリーさんたちの行進を見るために集まってきていた人たちは、既にほぼいなくなっている。だから市場の中に見える人の姿は、かなりまばらだ。
きっとお昼ご飯の時間帯になったら、またいつも通りに混雑するんだろうけどね。
ハルは周りをぐるりと見回してから、おじさんたちに向き直った。
「どうかしたのか、兄さん?」
「いや、信じてもらえたのは嬉しいんだが、一応これは証拠として見せておこうかなと思ってね」
ハルはそう言うと、ウルちゃんとネスくんに目線の高さを合わせるためにそっと片膝をついてしゃがみこんだ。ただそれだけの動きも、やけに格好良く見えるんだから困る。
「ん?これ?これってなんだ?」
屋台のおじさんは意味が分からないと言いたげな不思議そうな表情で呟いていたけど、ハルと同じように片膝をついて子どもたちの後ろにしゃがみこんだ。
この人、本当にハルの事を信じてくれてるんだな。警戒した様子が全く無い。さっきから俺の中で、このおじさんの好感度がぐんぐんと上がり続けている。
三人との距離が近づいたのを確認してから、ハルはそっとマントの紐をほどいた。
ああ、見せるってそれか。俺が気づいた時には、ハルはマントを少しだけ開いて中の服を見せていた。
「…え…?」
よっぽど驚いたのか、ウルちゃんは大きく目を見開いて絶句している。
「あんた、その服…!あ、いや…あなたのその服は…!」
ぽんっと口から飛び出した言葉を、ネスくんは慌てて訂正した。
ハルは人からあんたって呼びかけられたぐらいで怒るような人じゃないから、そこは心配しなくても大丈夫だよと言いたくなるぐらいの慌てっぷりだ。
「まさか兄さん…今回の遠征に参加する騎士なのか?」
おじさんはまじまじと軍服を見つめながら、小さな声でそう尋ねた。思ったよりも冷静な反応だ。
「ああ、今回の遠征の参加者ではあるよ。ただし残念ながら、今はここの騎士では無いんだ。昔は所属していた事もあるんだが…」
律儀なハルはわざわざそこまで説明したんだけど、そこは気にしなくて良いとおじさんは笑って答えた。
「今も作戦に参加する資格がある人なら、ここの騎士かどうかは問題じゃねぇから気にするな」
「そうか、ありがとう」
「いや、こっちこそ明かしてくれてありがとな」
おじさんはそこで、ちらりとウルちゃんとネスくんに視線を向けた。二人ともキラキラと輝く尊敬の眼差しで、ハルをじーっと見つめている。
「おかげでこいつらも嬉しそうだ」
「喜んでもらえたなら良かった」
「あーそれにしても…行進に参加しないやつがこっそり隠れて移動してると、聞いた事はあるが…出逢ったのは初めてだよ」
おじさんはそう言ってから、俺達に話しても良かったのか?と直球で尋ねた。
「ああ。この服で歩くと、移動に時間がかかってしまうから隠してるだけだからな」
「まあそうだろうな…時間が無いのに、届け物なんて頼んで良いのか?」
「大丈夫だ」
そう言いきったハルに、そっとウルちゃんがお守りを差し出した。
「あの、これ…おねがいします」
「俺からも、お願いします!」
「まかせてくれ」
両手で受け取ったヴァコクのお守りを、ハルは大事そうにそっと鞄の中にしまった。
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