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1369.キースくんの決意
チャノレオの説明をハルに褒められたキースくんは、俺と目が合うとにっこりと笑ってみせた。
あー…これってキースくんも、俺が知らないかもって分かってて丁寧に説明してくれたって事か。さすがハルの弟なだけあって、そういう対応もスマートなんだな。
視線だけでありがとうと伝えてみれば、キースくんは誇らし気に胸を張ってみせる。
周囲の人から見れば、お兄ちゃんに褒められて誇らし気にしている弟にしか見えないんだろうな。
「なるほど。幻の薬草であるあのチャノレオを柄として採用してくれた、そのこどもたちの気持ちを汲んで預かってきたのか」
そう考えるとハルらしいなと笑って続けたファーガスさんに、ハルは照れくさそうに笑いながら答えた。
「まあね。それに加えて父親もこどもたちも、みんな家族思いの良い人だったから」
「そうなのか…ハルがそこまで言うなら、俺も機会があれば会ってみたいな」
ファーガスさんはにっこりと笑って、屋台なら買いに行けば会えるなとそう続けた。
うーん、ファーガスさんが突然屋台に来たら、絶対に店主のおじさんは大慌てだと思うけどな。でもきっとウルちゃんとネスくんは、大喜びだろうから問題無いか。
興味深そうに聞いていたウィリアムさんも、口を開いた。
「えー俺も会ってみたーい」
ワクワクした様子からして、ウィリアムさんは本当にすぐに会いに行きそうだな。
もしかしたらファーガスさんとウィリアムさんが、二人揃って行く…なんて事になるかもしれない。
…うん。屋台のおじさん、頑張ってね。
「…あのね、僕もそのこどもたちに会ってみたいな」
不意にぽつりと、キースくんがそう呟いた。俺ももちろんびっくりはしたんだけど、キースくんが誰かに会いたいって言うのは初めて聞いたなーぐらいの気持ちだった。
でも、ケイリーさんを始めとした領主一家の皆さんは、信じられないって顔で固まっている。
「ウルちゃんとネスくんに会いたいの?」
固まっているみんなの代わりに、もじもじしているキースくんに尋ねてみた。
「うん、チャノレオって名前はすっごく有名だけど、見た目はウィル兄でも知らないぐらいでしょう?」
「ああ、そうみたいだね?」
「それなのに模様にチャノレオを選んだって事は、その子たちも図鑑が好きなのかもしれないなって思ったんだ」
ああ、うん。そう言われると、確かにそうかもしれないな。
「うんうん、その可能性はあるよね」
「でしょー?もしその子たちも図鑑が好きだって言うなら会ってみたいし…その…できれば、友達になりたいなって…」
思ったんだけどと小さな声で続けたキースくんの頭を、俺は驚かせないように注意しながらそーっと撫でた。
「ちょっと喋っただけなんだけど、ウルちゃんもネスくんも良い子だったよ。だから気が合いそうなら友達になるのも良いかもしれないね」
「…っ!アキトくんもそう思ったなら、余計に会ってみたいな!」
ニコニコと笑顔を見せてくれるキースくんに和みつつ、俺も笑顔を返す。二人でニコニコと笑い合っていると、いつの間にか硬直から戻ってきていた領主一家が目を滲ませてこちらを見ているのに気が付いた。
「父さま、その屋台の子たちにいつか会いに行って良い?」
今日から遠征なんだから、すぐには無理だって分かってる。そう続けた健気なキースくんに、ケイリーさんはもちろんだと何度も頷いている。
「グレースが帰ってきたら、きっと一緒に行きたいと言うだろうな」
なるほど。ファーガスさんと、ウィリアムさんに加えて、グレースさんとキースくんか。本当に屋台のおじさんの事が心配になってくるな。
「その時は、ハルとアキトに案内して貰わないとな」
笑ってそう続けたケイリーさんに、俺は屋台のおじさんの心の平穏を祈ったよね。
「名残惜しいが、そろそろ出発の時間が近いな」
ケイリーさんの視線に周りを見てみれば、少しずつではあるがたしかに既に整列している人たちが増えてきてるな。
「そろそろ行くよ」
そう切り出したケイリーさんはマチルダさんから順番に、留守番組の俺達を両手で抱きしめていった。声ははっきりとは聞こえないけど、抱きしめながら何かを囁いているみたいだ。
「アキトくん。ハルがいない間にもし街に出る時は、ボルトに声をかけて護衛を付けてもらってくれ」
「分かりました、いってらっしゃい」
「…ああ、いってきます」
あー…これってキースくんも、俺が知らないかもって分かってて丁寧に説明してくれたって事か。さすがハルの弟なだけあって、そういう対応もスマートなんだな。
視線だけでありがとうと伝えてみれば、キースくんは誇らし気に胸を張ってみせる。
周囲の人から見れば、お兄ちゃんに褒められて誇らし気にしている弟にしか見えないんだろうな。
「なるほど。幻の薬草であるあのチャノレオを柄として採用してくれた、そのこどもたちの気持ちを汲んで預かってきたのか」
そう考えるとハルらしいなと笑って続けたファーガスさんに、ハルは照れくさそうに笑いながら答えた。
「まあね。それに加えて父親もこどもたちも、みんな家族思いの良い人だったから」
「そうなのか…ハルがそこまで言うなら、俺も機会があれば会ってみたいな」
ファーガスさんはにっこりと笑って、屋台なら買いに行けば会えるなとそう続けた。
うーん、ファーガスさんが突然屋台に来たら、絶対に店主のおじさんは大慌てだと思うけどな。でもきっとウルちゃんとネスくんは、大喜びだろうから問題無いか。
興味深そうに聞いていたウィリアムさんも、口を開いた。
「えー俺も会ってみたーい」
ワクワクした様子からして、ウィリアムさんは本当にすぐに会いに行きそうだな。
もしかしたらファーガスさんとウィリアムさんが、二人揃って行く…なんて事になるかもしれない。
…うん。屋台のおじさん、頑張ってね。
「…あのね、僕もそのこどもたちに会ってみたいな」
不意にぽつりと、キースくんがそう呟いた。俺ももちろんびっくりはしたんだけど、キースくんが誰かに会いたいって言うのは初めて聞いたなーぐらいの気持ちだった。
でも、ケイリーさんを始めとした領主一家の皆さんは、信じられないって顔で固まっている。
「ウルちゃんとネスくんに会いたいの?」
固まっているみんなの代わりに、もじもじしているキースくんに尋ねてみた。
「うん、チャノレオって名前はすっごく有名だけど、見た目はウィル兄でも知らないぐらいでしょう?」
「ああ、そうみたいだね?」
「それなのに模様にチャノレオを選んだって事は、その子たちも図鑑が好きなのかもしれないなって思ったんだ」
ああ、うん。そう言われると、確かにそうかもしれないな。
「うんうん、その可能性はあるよね」
「でしょー?もしその子たちも図鑑が好きだって言うなら会ってみたいし…その…できれば、友達になりたいなって…」
思ったんだけどと小さな声で続けたキースくんの頭を、俺は驚かせないように注意しながらそーっと撫でた。
「ちょっと喋っただけなんだけど、ウルちゃんもネスくんも良い子だったよ。だから気が合いそうなら友達になるのも良いかもしれないね」
「…っ!アキトくんもそう思ったなら、余計に会ってみたいな!」
ニコニコと笑顔を見せてくれるキースくんに和みつつ、俺も笑顔を返す。二人でニコニコと笑い合っていると、いつの間にか硬直から戻ってきていた領主一家が目を滲ませてこちらを見ているのに気が付いた。
「父さま、その屋台の子たちにいつか会いに行って良い?」
今日から遠征なんだから、すぐには無理だって分かってる。そう続けた健気なキースくんに、ケイリーさんはもちろんだと何度も頷いている。
「グレースが帰ってきたら、きっと一緒に行きたいと言うだろうな」
なるほど。ファーガスさんと、ウィリアムさんに加えて、グレースさんとキースくんか。本当に屋台のおじさんの事が心配になってくるな。
「その時は、ハルとアキトに案内して貰わないとな」
笑ってそう続けたケイリーさんに、俺は屋台のおじさんの心の平穏を祈ったよね。
「名残惜しいが、そろそろ出発の時間が近いな」
ケイリーさんの視線に周りを見てみれば、少しずつではあるがたしかに既に整列している人たちが増えてきてるな。
「そろそろ行くよ」
そう切り出したケイリーさんはマチルダさんから順番に、留守番組の俺達を両手で抱きしめていった。声ははっきりとは聞こえないけど、抱きしめながら何かを囁いているみたいだ。
「アキトくん。ハルがいない間にもし街に出る時は、ボルトに声をかけて護衛を付けてもらってくれ」
「分かりました、いってらっしゃい」
「…ああ、いってきます」
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