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1378.到着
マチルダさんとジルさん、キースくんと話していると、時間なんて本当にあっという間に過ぎていく。
馬車の中での話題にあがったのは、最近読んだ本についてや、最近食べて美味しかったもの、騎士さんたちの中で最近流行してるお店、それに昔のハルと家族の思い出話なんかもあった。
マチルダさんは明るく面白く話すのがすごく上手だし、ジルさんは勉強になるような事を簡単にかみ砕いてさらりと話してくれる。キースくんはその知識量を活かして、俺に色んな事を教えてくれる。
三人の会話力に驚いたり感心したりしているうちに、どんどん時間が過ぎていくんだよね。
そうしてあれこれと四人で話し込んでいると、不意に馬車の揺れがぴたりと止まった。
「お、着いたかな?」
マチルダさんがそう言った時には、正直に言ってかなり驚いた。
俺の体感ではまだ領主城に着くほど時間は経ってなくて、もしかして何かあったのかなー?って思った瞬間だったから余計にね。
「え、もう?」
あ、良かった俺だけじゃなかった。どうやらキースくんも、同じ気持ちみたいだ。
「ああ、ちょっと待ってくれ」
そう言うなり、マチルダさんは御者さんのいる方向に隠すように設置されていた小窓を薄く開いた。同系色でまとめられているから、そこに小窓があると言われなければ気付けないような作りだ。
こんな所にまで、こだわってるんだ。
それにしても、こういうのっていったいどこまでをクリスさんが作ってるんだろうね?魔導収納の魔道具の部分だけかな?それともこのお洒落な馬車の中も、全部クリスさんが作ってる?
そんな事を考えていると、御者さんが小窓の向こうからマチルダさんに声をかけた。
「マチルダ様、ただいま領主城前に到着いたしました」
「ああ、ありがとう」
「すぐに扉を開きますので、もうしばらくだけお待ちください」
「分かった。急がなくて良いからな」
答えを待ってから、御者さんは御者席からぴょんっと飛び降りたみたいだ。軽い揺れを感じながら、俺はキースくんに声をかける。
「楽しかったからあっという間だったね?」
「うんっ!楽しかったねー」
ニコニコ笑顔で答えるキースくんの可愛らしさに、馬車の中にいる全員が自然と笑顔になった。
「ええ、本当に楽しかったです」
嬉しそうなジルさんの言葉に、マチルダさんもふわりと笑って答えた。
「私も心からそう思うよ。周りの目を気にせずに自然体で話せる場所があるというのは…嬉しい事だな」
しみじみとそう呟いたマチルダさんは、不意にこちらを見ると俺に向かって笑みを見せた。艶やかな美しい笑顔だ。
「アキト、そのストファー魔道具店の友人たちに、私からの礼を伝えて貰う事はできるかな?」
「もちろんです!」
「移動中なのに外面を取り繕わずにこうして話せるというのは、本当にありがたい。きっと王都に行っているグレースも、この馬車を知れば大喜びすると思う」
「はい、伝えおきますね」
クリスさんとカーディが褒められるのは、もしかしたら自分が褒められるよりも嬉しいかもしれない。友人だから…かな。
「みなさま、お待たせいたしました」
そんな声かけと共に、馬車のドアが開いた。
「では、お先に失礼しますね」
そう声をかけたジルさんが、真っ先に馬車から降りていく。
「こういう時のジルは、驚くほど素早いんだよな」
今日も先を越されたなと苦笑しながら、マチルダさんも立ち上がった。
ん?どういう意味だろう?
思わず首を傾げた俺に、隣に座っていたキースくんがあのねと教えてくれた。
なんでもこういう時は、一番偉い人が最初に降りるのは本当は駄目なんだって。これは貴族のルールというよりも、安全面に配慮したものらしい。
そっか、だからジルさんは率先して馬車から降りていって、マチルダさんは素早いと苦笑してたのか。
マチルダさんは次期領主夫婦で、今は領主代理だからって事だよね。
「アキトくん、僕たちも行こう?」
そう言いながらそっと控え目に差し出された手を、俺はすぐにきゅっと握り返した。
馬車の中での話題にあがったのは、最近読んだ本についてや、最近食べて美味しかったもの、騎士さんたちの中で最近流行してるお店、それに昔のハルと家族の思い出話なんかもあった。
マチルダさんは明るく面白く話すのがすごく上手だし、ジルさんは勉強になるような事を簡単にかみ砕いてさらりと話してくれる。キースくんはその知識量を活かして、俺に色んな事を教えてくれる。
三人の会話力に驚いたり感心したりしているうちに、どんどん時間が過ぎていくんだよね。
そうしてあれこれと四人で話し込んでいると、不意に馬車の揺れがぴたりと止まった。
「お、着いたかな?」
マチルダさんがそう言った時には、正直に言ってかなり驚いた。
俺の体感ではまだ領主城に着くほど時間は経ってなくて、もしかして何かあったのかなー?って思った瞬間だったから余計にね。
「え、もう?」
あ、良かった俺だけじゃなかった。どうやらキースくんも、同じ気持ちみたいだ。
「ああ、ちょっと待ってくれ」
そう言うなり、マチルダさんは御者さんのいる方向に隠すように設置されていた小窓を薄く開いた。同系色でまとめられているから、そこに小窓があると言われなければ気付けないような作りだ。
こんな所にまで、こだわってるんだ。
それにしても、こういうのっていったいどこまでをクリスさんが作ってるんだろうね?魔導収納の魔道具の部分だけかな?それともこのお洒落な馬車の中も、全部クリスさんが作ってる?
そんな事を考えていると、御者さんが小窓の向こうからマチルダさんに声をかけた。
「マチルダ様、ただいま領主城前に到着いたしました」
「ああ、ありがとう」
「すぐに扉を開きますので、もうしばらくだけお待ちください」
「分かった。急がなくて良いからな」
答えを待ってから、御者さんは御者席からぴょんっと飛び降りたみたいだ。軽い揺れを感じながら、俺はキースくんに声をかける。
「楽しかったからあっという間だったね?」
「うんっ!楽しかったねー」
ニコニコ笑顔で答えるキースくんの可愛らしさに、馬車の中にいる全員が自然と笑顔になった。
「ええ、本当に楽しかったです」
嬉しそうなジルさんの言葉に、マチルダさんもふわりと笑って答えた。
「私も心からそう思うよ。周りの目を気にせずに自然体で話せる場所があるというのは…嬉しい事だな」
しみじみとそう呟いたマチルダさんは、不意にこちらを見ると俺に向かって笑みを見せた。艶やかな美しい笑顔だ。
「アキト、そのストファー魔道具店の友人たちに、私からの礼を伝えて貰う事はできるかな?」
「もちろんです!」
「移動中なのに外面を取り繕わずにこうして話せるというのは、本当にありがたい。きっと王都に行っているグレースも、この馬車を知れば大喜びすると思う」
「はい、伝えおきますね」
クリスさんとカーディが褒められるのは、もしかしたら自分が褒められるよりも嬉しいかもしれない。友人だから…かな。
「みなさま、お待たせいたしました」
そんな声かけと共に、馬車のドアが開いた。
「では、お先に失礼しますね」
そう声をかけたジルさんが、真っ先に馬車から降りていく。
「こういう時のジルは、驚くほど素早いんだよな」
今日も先を越されたなと苦笑しながら、マチルダさんも立ち上がった。
ん?どういう意味だろう?
思わず首を傾げた俺に、隣に座っていたキースくんがあのねと教えてくれた。
なんでもこういう時は、一番偉い人が最初に降りるのは本当は駄目なんだって。これは貴族のルールというよりも、安全面に配慮したものらしい。
そっか、だからジルさんは率先して馬車から降りていって、マチルダさんは素早いと苦笑してたのか。
マチルダさんは次期領主夫婦で、今は領主代理だからって事だよね。
「アキトくん、僕たちも行こう?」
そう言いながらそっと控え目に差し出された手を、俺はすぐにきゅっと握り返した。
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