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1380.出迎えと提案
マチルダさんのちょっと悔しそうな負けを認めるという発言に、ボルトさんは眉を下げながら苦笑を浮かべた。
「いえ、これは勝ち負けなどではありませんから…」
「それもそう…だな」
まだすこしだけ不服そうな表情を浮かべてはいたが、マチルダさんはコクリと頷いた。そんなマチルダさんの反応をしっかり確認してから、ボルトさんは今度は俺とジルさん、キースくんの方へと視線を向けた。
「もしみなさんのご都合がよろしければ、ラスが張り切って軽食とお茶の用意をしておりました――みなさまご一緒に、いかがでしょうか?」
おお、お茶会のお誘いだ。
「えっ…ラスの作った軽食とお茶?それって…お茶会って事だよねっ!僕は絶対参加するっ!!」
最初に反応したのは、キースくんだった。パァァァッと一瞬で笑顔になったキースくんは、キラキラと目を輝かせながらパッと俺たち三人を見た。
「お茶会!しかも、みんなと一緒に!」
そんなの絶対に楽しいよねと嬉しそうに続けたキースくんに、俺も笑顔でそうだねと答える。
「俺も、ぜひ参加させて欲しいな」
もしこのまま解散になって一人で部屋に戻ったら、俺はまたハルの心配をしてソワソワしそうだからね。ラスさんに対処法は教わったけど、やっぱりそう簡単に考え方を変えれるわけじゃないから。
まあ笑顔の裏でこんな事を考えてるなんて、絶対に言わないけどね。もし口に出しちゃったら、みんなに心配されるのが分かってるから。
「ラスさんの料理も気になるし、みんなともう少し話したいから…マチルダさんとジルさんはどうですか?」
マチルダさんには領主代理としての仕事があるし、ジルさんにはその補佐をするという仕事と、きっとそれに加えて騎士団の仕事もあるんだよね。
二人とも絶対に忙しい。
どうやらその事実に、キースくんもたったいま気づいたらしい。
「あ、でも二人とも…お仕事があるから忙しいんだよね。無理に参加しなくても大丈夫だよ」
寂しそうな表情を見せないように気をつけているのか、キースくんはすこし強張った顔のままそう言った。
ここで絶対に参加して欲しいって言わないのが、キースくんだよね。いや、言えないかな。健気すぎてつらい。
「あ、ラスにお願いして、軽食だけでも仕事場に持ち込むのはどうかな?」
そしたら仕事しながら摘まめるでしょ?と提案までするキースくんに、マチルダさんとジルさんは顔を見合わせた。
「忙しくないとは…まあ言えないんだが…」
マチルダさんは困り顔でそう呟いた。うん、ですよね。
「ですが…休憩時間としてなら、特に問題はないでしょう。そもそも今日は、出発式が一番大事な仕事でしたからね」
それは無事に終わりましたからと続けたジルさんは、私も参加しますと宣言してくれた。
「キース様、アキト様、ジル様がご参加ですね。かしこまりました。…マチルダ様はどうされますか?」
ボルトさんの冷静な質問に、マチルダさんはあーと声を出した。
「何か参加できないと判断するような問題でも?」
「うん、問題と言えば問題だな」
あまりにも真剣な表情でそう告げたマチルダさんに、俺とジルさん、キースくんはうんうんと頷いた。
周りにいる使用人さんたちも、真剣な表情でマチルダさんを見つめている。
「この服だと…落ち着かないんだ。部屋に戻って着替えてからなら、私も参加させてもらいたい」
「っ!やったーっ!四人でお茶会だ!」
嬉しそうにぴょこぴょこと飛び跳ねるキースくんに、この場にいる人達も自然と笑顔になった。和むよね、その気持ちはよく分かるよ。
一人自室に戻った俺は、着慣れた私服に手早く着替えていく。
着替えたいって主張したのはマチルダさんだけだったけど、一度部屋に戻って全員着替えてから合流って事になったんだ。
俺もキースくんも式服だったし、ジルさんも華やかな飾りの着いた派手な方の騎士団服を着てたからね。
パパッと着替えてから、俺はすぐに部屋を飛び出した。
「いえ、これは勝ち負けなどではありませんから…」
「それもそう…だな」
まだすこしだけ不服そうな表情を浮かべてはいたが、マチルダさんはコクリと頷いた。そんなマチルダさんの反応をしっかり確認してから、ボルトさんは今度は俺とジルさん、キースくんの方へと視線を向けた。
「もしみなさんのご都合がよろしければ、ラスが張り切って軽食とお茶の用意をしておりました――みなさまご一緒に、いかがでしょうか?」
おお、お茶会のお誘いだ。
「えっ…ラスの作った軽食とお茶?それって…お茶会って事だよねっ!僕は絶対参加するっ!!」
最初に反応したのは、キースくんだった。パァァァッと一瞬で笑顔になったキースくんは、キラキラと目を輝かせながらパッと俺たち三人を見た。
「お茶会!しかも、みんなと一緒に!」
そんなの絶対に楽しいよねと嬉しそうに続けたキースくんに、俺も笑顔でそうだねと答える。
「俺も、ぜひ参加させて欲しいな」
もしこのまま解散になって一人で部屋に戻ったら、俺はまたハルの心配をしてソワソワしそうだからね。ラスさんに対処法は教わったけど、やっぱりそう簡単に考え方を変えれるわけじゃないから。
まあ笑顔の裏でこんな事を考えてるなんて、絶対に言わないけどね。もし口に出しちゃったら、みんなに心配されるのが分かってるから。
「ラスさんの料理も気になるし、みんなともう少し話したいから…マチルダさんとジルさんはどうですか?」
マチルダさんには領主代理としての仕事があるし、ジルさんにはその補佐をするという仕事と、きっとそれに加えて騎士団の仕事もあるんだよね。
二人とも絶対に忙しい。
どうやらその事実に、キースくんもたったいま気づいたらしい。
「あ、でも二人とも…お仕事があるから忙しいんだよね。無理に参加しなくても大丈夫だよ」
寂しそうな表情を見せないように気をつけているのか、キースくんはすこし強張った顔のままそう言った。
ここで絶対に参加して欲しいって言わないのが、キースくんだよね。いや、言えないかな。健気すぎてつらい。
「あ、ラスにお願いして、軽食だけでも仕事場に持ち込むのはどうかな?」
そしたら仕事しながら摘まめるでしょ?と提案までするキースくんに、マチルダさんとジルさんは顔を見合わせた。
「忙しくないとは…まあ言えないんだが…」
マチルダさんは困り顔でそう呟いた。うん、ですよね。
「ですが…休憩時間としてなら、特に問題はないでしょう。そもそも今日は、出発式が一番大事な仕事でしたからね」
それは無事に終わりましたからと続けたジルさんは、私も参加しますと宣言してくれた。
「キース様、アキト様、ジル様がご参加ですね。かしこまりました。…マチルダ様はどうされますか?」
ボルトさんの冷静な質問に、マチルダさんはあーと声を出した。
「何か参加できないと判断するような問題でも?」
「うん、問題と言えば問題だな」
あまりにも真剣な表情でそう告げたマチルダさんに、俺とジルさん、キースくんはうんうんと頷いた。
周りにいる使用人さんたちも、真剣な表情でマチルダさんを見つめている。
「この服だと…落ち着かないんだ。部屋に戻って着替えてからなら、私も参加させてもらいたい」
「っ!やったーっ!四人でお茶会だ!」
嬉しそうにぴょこぴょこと飛び跳ねるキースくんに、この場にいる人達も自然と笑顔になった。和むよね、その気持ちはよく分かるよ。
一人自室に戻った俺は、着慣れた私服に手早く着替えていく。
着替えたいって主張したのはマチルダさんだけだったけど、一度部屋に戻って全員着替えてから合流って事になったんだ。
俺もキースくんも式服だったし、ジルさんも華やかな飾りの着いた派手な方の騎士団服を着てたからね。
パパッと着替えてから、俺はすぐに部屋を飛び出した。
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