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1397.【ハル視点】ウマへの考え方
「ハル様は、タユと良い関係を築けているようですね」
不意に嬉しそうなギュームからそう声をかけられた俺は、苦笑しながら答えた。
「本当にそうなら良いんだが…さっきアキトの事を考えていたら、すごく呆れた目で見られたよ」
「それが分かるようになっただけでも、すごい事ですよ」
「そうか?」
思わず反射的に首を傾げてしまったが、そう言われてみるとウマに対する感情はだいぶ変わった気がするな。
以前の俺なら、そもそもウマの考えている事をここまで想像しようとはしていなかった。
せいぜいウマの機嫌が良いか悪いかぐらいの事しか考えていなかったし、指示に従ってくれるならそれだけで良いと思っていた。
元々ウマに乗る機会は多かったから、さすがにウマへの恐怖心こそ無かった。だがそれでもすこしだけあった、苦手意識というか警戒心も、気づけばいつの間にか無くなっていた。
それもこれも、アキトのウマ好きのおかげだろうな。
アキトに付き合ってほぼ毎日厩舎に通っているから、ウマにもすっかり詳しくなった。
もちろんあれこれと話してくれる、人懐こいシュリの影響もあるだろう。
だがそもそもアキトという存在がいなければ、シュリが俺と人の言葉で会話をしてくれていたかどうかも怪しいからな。
そういう意味ではシュリの事は、シュリももちろんアキトにも感謝しないとな。
最近ではアキトとシュリ、そしてキースのほのぼのとしたどこか可愛らしい会話は、すっかり俺の日々の癒しになってる。
厩舎でのみんなのやり取りを思い出していると、自然と顔が笑顔になってしまう。俺のそんな表情をちらりと見て、タユはふんっと思いっきり鼻を鳴らした。今のは俺にもはっきりと分かったな。
もっと気を引き締めろって言ってるんだろう。
ぽんぽんと首筋に触れて悪かったよと伝えてから、俺はタユにまたがった。
周囲の参加者たちも、それぞれのウマが連れられて来るとすぐにその背に乗って行く。
ちょうど俺達がいる場所の近くにいる参加者たちは、ほぼ全員がウマに乗って移動するチームだ。だから周囲にいるウマの頭数も、かなりのものになる。
一気に賑やかになった周囲を、俺はタユの背中から眺めた。
こうしてみるとウマの性格も色々だな。やる気に満ちているウマもいれば、明らかに面倒そうなウマもいる。
ああ、思えばこうやって周囲のウマの様子を見てしまうのも、アキトの影響だな。
しばらくすると、周囲もすこしずつ静かになっていった。ウマに乗る参加者たちの準備が、無事に終わったようだ。
俺達と同じくウマの背に乗って周囲を見回していた父さんは、近くに控えていた騎士に合図を送った。
誇らし気に胸を張った騎士は、魔導収納鞄からひとつの魔道具を取り出して構えた。
両手で抱える程度の大きさのこの魔道具は、見た目はすこし大き目の笛にしか見えないがれっきとした魔道具だ。
まあ決まった音を周囲に伝えるためのものだから、機能として考えてもほぼ笛なんだがな。
その違いは二つ。
思いっきり吹けば吹くほど遠くまで聞こえる事、そして何故か全員の耳に一定の大きさに聞こえるという事だ。
これもまたダンジョン産の不思議な魔道具というやつだ。
魔道具技師によると魔道具内には風の魔石があり、見た事のない魔法陣がいくつも組み込まれているらしい。そこまでは解析できているようなんだが、再現しようとしても何故か普通の笛になるという。
ダンジョンの魔力の関係か、それとも精霊の祝福なのかは分からないが、現時点では人の手での再現は不可能なものだ。
騎士は思いっきり息を吸い込んでから、全力で魔道具を吹いた。
次の瞬間、大きな笛の音が周囲一体に広がった。
途端に大門の向こう側とアキトたちのいる見送りの人たちがいる方向から、わぁっと大歓声が沸き起こる。
普段の遠征などでは滅多に使われないんだが、今回のように参加人数が多い時は毎回使っているからな。この笛の音がすれば、ついに出発の時間なんだと領民ならみんな知っているからこその盛り上がりだろう。
不意に嬉しそうなギュームからそう声をかけられた俺は、苦笑しながら答えた。
「本当にそうなら良いんだが…さっきアキトの事を考えていたら、すごく呆れた目で見られたよ」
「それが分かるようになっただけでも、すごい事ですよ」
「そうか?」
思わず反射的に首を傾げてしまったが、そう言われてみるとウマに対する感情はだいぶ変わった気がするな。
以前の俺なら、そもそもウマの考えている事をここまで想像しようとはしていなかった。
せいぜいウマの機嫌が良いか悪いかぐらいの事しか考えていなかったし、指示に従ってくれるならそれだけで良いと思っていた。
元々ウマに乗る機会は多かったから、さすがにウマへの恐怖心こそ無かった。だがそれでもすこしだけあった、苦手意識というか警戒心も、気づけばいつの間にか無くなっていた。
それもこれも、アキトのウマ好きのおかげだろうな。
アキトに付き合ってほぼ毎日厩舎に通っているから、ウマにもすっかり詳しくなった。
もちろんあれこれと話してくれる、人懐こいシュリの影響もあるだろう。
だがそもそもアキトという存在がいなければ、シュリが俺と人の言葉で会話をしてくれていたかどうかも怪しいからな。
そういう意味ではシュリの事は、シュリももちろんアキトにも感謝しないとな。
最近ではアキトとシュリ、そしてキースのほのぼのとしたどこか可愛らしい会話は、すっかり俺の日々の癒しになってる。
厩舎でのみんなのやり取りを思い出していると、自然と顔が笑顔になってしまう。俺のそんな表情をちらりと見て、タユはふんっと思いっきり鼻を鳴らした。今のは俺にもはっきりと分かったな。
もっと気を引き締めろって言ってるんだろう。
ぽんぽんと首筋に触れて悪かったよと伝えてから、俺はタユにまたがった。
周囲の参加者たちも、それぞれのウマが連れられて来るとすぐにその背に乗って行く。
ちょうど俺達がいる場所の近くにいる参加者たちは、ほぼ全員がウマに乗って移動するチームだ。だから周囲にいるウマの頭数も、かなりのものになる。
一気に賑やかになった周囲を、俺はタユの背中から眺めた。
こうしてみるとウマの性格も色々だな。やる気に満ちているウマもいれば、明らかに面倒そうなウマもいる。
ああ、思えばこうやって周囲のウマの様子を見てしまうのも、アキトの影響だな。
しばらくすると、周囲もすこしずつ静かになっていった。ウマに乗る参加者たちの準備が、無事に終わったようだ。
俺達と同じくウマの背に乗って周囲を見回していた父さんは、近くに控えていた騎士に合図を送った。
誇らし気に胸を張った騎士は、魔導収納鞄からひとつの魔道具を取り出して構えた。
両手で抱える程度の大きさのこの魔道具は、見た目はすこし大き目の笛にしか見えないがれっきとした魔道具だ。
まあ決まった音を周囲に伝えるためのものだから、機能として考えてもほぼ笛なんだがな。
その違いは二つ。
思いっきり吹けば吹くほど遠くまで聞こえる事、そして何故か全員の耳に一定の大きさに聞こえるという事だ。
これもまたダンジョン産の不思議な魔道具というやつだ。
魔道具技師によると魔道具内には風の魔石があり、見た事のない魔法陣がいくつも組み込まれているらしい。そこまでは解析できているようなんだが、再現しようとしても何故か普通の笛になるという。
ダンジョンの魔力の関係か、それとも精霊の祝福なのかは分からないが、現時点では人の手での再現は不可能なものだ。
騎士は思いっきり息を吸い込んでから、全力で魔道具を吹いた。
次の瞬間、大きな笛の音が周囲一体に広がった。
途端に大門の向こう側とアキトたちのいる見送りの人たちがいる方向から、わぁっと大歓声が沸き起こる。
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