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1405.【ハル視点】魔物の考察を
「まず最初の変異種のワイルドボアは、一直線にしか移動することができないボア種の習性による、偶然の遭遇だろうから不自然では無いな」
そう声に出して説明すれば、俺の声が聞こえていた周囲の参加者たちも揃ってこちらを見ていた。
そうだよなと言いたげに何度も頷いている人もいれば、そうだったのか?と驚いている人もいるな。聞かれて困る話でも無いかと、俺は普通の声の大きさで続けた。
「次にやってきたあの盗鳥ケセルは、珍しい変異種のワイルドボアの肉に釣られてやってきたんだと思う」
獲物を横取りするせいで冒険者からはとにかく忌み嫌われている魔物ケセルだが、その特性として珍しい魔物ほど奪おうとすると言われている。
もっとも毒などがあり食べる事ができない肉の場合や、よほどの飢餓状態で無ければ食べたくないと思うぐらいまずい肉の場合には、例えそれがどれだけ珍しい魔物であっても絶対に近づいてこない。
だから冒険者の間では『ケセルは珍しくて、しかも美味しい肉しか狙わない魔物だ』という噂が広まっている。
噂というか情報と言って良いぐらいの確かな話なんだが…何故かこの情報は、図鑑とかには載っていないんだよな。
あくまでもただの経験則で、特に検証をしたわけでも無いから――なのかもしれないな。
ちなみに珍しい魔物を倒した後でケセルが現れると、つまりこの魔物の肉は美味いんだなと冒険者のやる気が増すという結果に繋がっていたりもする。
「へー、ケセルって肉を食べたくて横取りしてるんだー?」
「冒険者の間ではそう言われているな。これという確証は無いんだが…実際に遭遇した人たちからの情報が集まっているから、そう外してもいないと思う」
もしかしたら肉が美味い珍しい魔物の魔石がケセルにとってはご馳走だとか、そういう可能性もあるんだけどな。ややこしくなるから説明は省かせてもらった。
「なるほど。ではその他の魔物はどうだ?」
「んー…次は巨木レックトレントだよね」
「ああ、そうだったな」
「レックトレントは、広げた根っこを使ってかなり広範囲を索敵している魔物だと言われている。だからおそらく俺達がウマに乗って集団で移動している振動を感知して、それを自分に対する攻撃だと思われたんだと思う」
だからレックトレントは集団で移動している俺達の前にわざわざ飛び出してきたし、登場した時からあんなに怒り狂っていたんだろう。
「移動中の振動を攻撃と取られたから、最初からあんなに怒っていたのか…」
父さんは驚いた様子でそう呟いた。まああくまでも俺の予想に過ぎないんだがな。
「つまりレックトレントも、別に不自然じゃないって事だよねー?」
「ああ、あれは避けようが無いから、また現れる可能性だってあると思う」
「分かった。それは後で各隊の隊長に周知しよう」
「その方が良いかもな」
いそいそとメモを取りながら話しを聞いているウィル兄は、今日は普段ならジルさんがしてくれている書記の役割もこなすつもりのようだ。
「じゃあフォレストウルフはどうだ?普通ならこれだけの人とウマの集団に近づいたりはしないだろう?」
ファーガス兄さんは、明らかに困惑した表情でそう尋ねてきた。
まあそうなるよな。困惑するのも無理は無い。ウルフ種は基本的に警戒心も強いから、大人数は滅多に狙わない。確実に仕留められそうな相手だけを狙うのは、もはやウルフ種の本能だと思う。
「あれはおそらく――あの後に現れたオークに、自分たちの棲み処から追いたてられたんじゃないか?」
「追いたてられる?…ウルフ種が、か?」
ファーガス兄さんは信じられないと言いたげに目を大きく見開いた。
一頭のフォレストウルフならそれほど脅威でも無いんだが、頭数が増えるごとにぐんぐん危険性も上がっていく。そんな厄介な魔物であるフォレストウルフが、他の魔物に追いたてられた事に納得できずにいるらしい。
「ああ。通常のウルフ種なら棲み処から追いたてられる前に、群れでオークを仕留めるだろうが――フォレストウルフの弱点は斧なんだ」
「斧…そういえば…あのオークが装備していたな?」
オークの姿を思い出していたらしい父さんは、なるほどと頷いた。
「結構良い斧だったよねー、あれ」
ウィル兄さんがそう言うなら、本当に良い斧だったんだろうな。武器の目利きに関しては、ウィル兄が俺達家族の中で一番優れていると思う。
「あれが冒険者の置き土産か、それともダンジョン産なのかは知らないが――あんな斧を目の前で振り回されれば、フォレストウルフなら確実に逃げ出すだろう」
「なるほど、そういう事か…」
「ちなみにあのぐらいのオークは、そこまで頭が良くないから単純に動く物を追いかける。つまり逃げるフォレストウルフを、ここまで追いかけてきたんだと思うよ」
ついでにと、さらりとオークの情報も付け足しておいた。
「つまりここまでの所、ハルから見て不自然では無いって事だな?」
「ああ、少なくとも今の所はね」
そう声に出して説明すれば、俺の声が聞こえていた周囲の参加者たちも揃ってこちらを見ていた。
そうだよなと言いたげに何度も頷いている人もいれば、そうだったのか?と驚いている人もいるな。聞かれて困る話でも無いかと、俺は普通の声の大きさで続けた。
「次にやってきたあの盗鳥ケセルは、珍しい変異種のワイルドボアの肉に釣られてやってきたんだと思う」
獲物を横取りするせいで冒険者からはとにかく忌み嫌われている魔物ケセルだが、その特性として珍しい魔物ほど奪おうとすると言われている。
もっとも毒などがあり食べる事ができない肉の場合や、よほどの飢餓状態で無ければ食べたくないと思うぐらいまずい肉の場合には、例えそれがどれだけ珍しい魔物であっても絶対に近づいてこない。
だから冒険者の間では『ケセルは珍しくて、しかも美味しい肉しか狙わない魔物だ』という噂が広まっている。
噂というか情報と言って良いぐらいの確かな話なんだが…何故かこの情報は、図鑑とかには載っていないんだよな。
あくまでもただの経験則で、特に検証をしたわけでも無いから――なのかもしれないな。
ちなみに珍しい魔物を倒した後でケセルが現れると、つまりこの魔物の肉は美味いんだなと冒険者のやる気が増すという結果に繋がっていたりもする。
「へー、ケセルって肉を食べたくて横取りしてるんだー?」
「冒険者の間ではそう言われているな。これという確証は無いんだが…実際に遭遇した人たちからの情報が集まっているから、そう外してもいないと思う」
もしかしたら肉が美味い珍しい魔物の魔石がケセルにとってはご馳走だとか、そういう可能性もあるんだけどな。ややこしくなるから説明は省かせてもらった。
「なるほど。ではその他の魔物はどうだ?」
「んー…次は巨木レックトレントだよね」
「ああ、そうだったな」
「レックトレントは、広げた根っこを使ってかなり広範囲を索敵している魔物だと言われている。だからおそらく俺達がウマに乗って集団で移動している振動を感知して、それを自分に対する攻撃だと思われたんだと思う」
だからレックトレントは集団で移動している俺達の前にわざわざ飛び出してきたし、登場した時からあんなに怒り狂っていたんだろう。
「移動中の振動を攻撃と取られたから、最初からあんなに怒っていたのか…」
父さんは驚いた様子でそう呟いた。まああくまでも俺の予想に過ぎないんだがな。
「つまりレックトレントも、別に不自然じゃないって事だよねー?」
「ああ、あれは避けようが無いから、また現れる可能性だってあると思う」
「分かった。それは後で各隊の隊長に周知しよう」
「その方が良いかもな」
いそいそとメモを取りながら話しを聞いているウィル兄は、今日は普段ならジルさんがしてくれている書記の役割もこなすつもりのようだ。
「じゃあフォレストウルフはどうだ?普通ならこれだけの人とウマの集団に近づいたりはしないだろう?」
ファーガス兄さんは、明らかに困惑した表情でそう尋ねてきた。
まあそうなるよな。困惑するのも無理は無い。ウルフ種は基本的に警戒心も強いから、大人数は滅多に狙わない。確実に仕留められそうな相手だけを狙うのは、もはやウルフ種の本能だと思う。
「あれはおそらく――あの後に現れたオークに、自分たちの棲み処から追いたてられたんじゃないか?」
「追いたてられる?…ウルフ種が、か?」
ファーガス兄さんは信じられないと言いたげに目を大きく見開いた。
一頭のフォレストウルフならそれほど脅威でも無いんだが、頭数が増えるごとにぐんぐん危険性も上がっていく。そんな厄介な魔物であるフォレストウルフが、他の魔物に追いたてられた事に納得できずにいるらしい。
「ああ。通常のウルフ種なら棲み処から追いたてられる前に、群れでオークを仕留めるだろうが――フォレストウルフの弱点は斧なんだ」
「斧…そういえば…あのオークが装備していたな?」
オークの姿を思い出していたらしい父さんは、なるほどと頷いた。
「結構良い斧だったよねー、あれ」
ウィル兄さんがそう言うなら、本当に良い斧だったんだろうな。武器の目利きに関しては、ウィル兄が俺達家族の中で一番優れていると思う。
「あれが冒険者の置き土産か、それともダンジョン産なのかは知らないが――あんな斧を目の前で振り回されれば、フォレストウルフなら確実に逃げ出すだろう」
「なるほど、そういう事か…」
「ちなみにあのぐらいのオークは、そこまで頭が良くないから単純に動く物を追いかける。つまり逃げるフォレストウルフを、ここまで追いかけてきたんだと思うよ」
ついでにと、さらりとオークの情報も付け足しておいた。
「つまりここまでの所、ハルから見て不自然では無いって事だな?」
「ああ、少なくとも今の所はね」
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